実務家弁護士の法解釈のギモン

弁護士としての立場から法解釈のギモン,その他もろもろのことを書いていきます

一般社団,一般財団法人法(1)

2009-07-21 15:37:52 | 一般法人
 とびとびのアップになると思うが,「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」(今後,「一般社団,一般財団法人法」という)について,少しずつアップしてみたいと思う。

 この法律は,民法改正という側面から見ると,民法の法人規定の全面改正ともいえる法律で,会社法の改正が商法の会社の規定から単行法に独立させたのと対比できるような改正といえそうである。そのため,民法の法人の規定は,わずか5箇条だけとなってしまった。
 しかも,この法律の中身をざっと眺めた際の私の感想は,「株式会社法にそっくり」という感想である。特に,機関の規定は,株式会社法の規定と「瓜二つ」ともいえるようなほどそっくりである。そのため,一般社団,一般財団法人法を理解するには,良くも悪くも,会社法の規定との比較というのが重要になってきそうである。

 一般社団,一般財団法人法は,すでに改正から数年経過し,施行もされている。ところが,この法律の解説書は,Q&Aのような形の実務書は,そこそこに存在しているが,いわゆる学術書,あるいは教科書としての解説書は,なかなか見かけない。この理由は,一面では民法改正ではあるが,改正された後の法律が会社法にそっくりという面があるので,どの学者も,手がつけにくい,という側面があるからかもしれないと思っている。
 そこで今後,一般社団,一般財団法人法について,私なりに問題点等をピックアップしてみたいと思う。

 これは,とびとびで長い間続くと思います。