実務家弁護士の法解釈のギモン

弁護士としての立場から法解釈のギモン,その他もろもろのことを書いていきます

一般社団,一般財団法人法(3)

2009-07-27 10:50:11 | 一般法人
 改正経緯の特徴

 前回のアップでも冒頭で書いたが、一般社団、一般財団法人法の制定は、民法の改正という視点から見ると、単に民法上の法人の全面改正という位置づけとなる。しかし、もう少し広い視点で見ると、公益法人制度改革としての改正であり、小泉政権時代に、内閣官房内に設置された行政改革推進事務局が主体となって行われ、特殊法人改革、公務員制度改革と並び立つ、極めて政治色の強い背景の下に行われているといえそうである。そして、公益法人制度改革の議論は、公益法人制度改革に関する有識者会議及び非営利法人ワーキング・グループによって行われ、有識者会議及びワーキンググループによる非営利法人制度の創設に関する試案(以下、「試案」という)が平成16年10月12日付で公表され、有識者会議の報告書(以下、「報告書」という)が同年11月19日付で公表されている。さらには、これに基づいた形で、行政改革推進事務局が平成17年12月に公益法人制度改革の概要(以下、「概要」という)を発表し、パブリックコメントを経た上で、法律案が出来上がっている。
 したがって、公益法人制度改革を理解するには、これら「試案」、「報告書」、「概要」を参照するのが、有益といえる(ちなみに、これらは、現在でも行政改革推進事務局のホームケージから参照することができるようである。)。
 そのため、今後、一般社団、一般財団法人法についてのコメントは、これら「試案」、「報告書」、「概要」を引用しながらのアップになると思う。