「ネバーランドのカボチャ男」 (6)

垣根のサザンカ、咲く期間が長いので枯れかけたのも蕾も混在してしばらく満
開状態、花がら摘みをすると蜜がねっとりと指に付く。数日前にはオオスカシ
バも脇にやってきてびっくり。もう１２月なのに。１１月下旬に西の台の南端
オニノゲシの元に埋めた蛹かなとも思ったけれど確かめる手間はかけない。

西の台、毎日北の方からジャガイモを一株づつ掘り起こしては一帯を掘り進め
ているけれど、オオスカシバの蛹はその１つだけでもう見かけない。食草のク
チナシから遠ざかっていくので可能性は低くなるのだが。他はコガネムシの幼
虫が一匹程度で土の中は意外に寂しい。大きなミミズはちらほらいるけれどね。

ジャガイモ位しかないので魅力がないのだろうか。土はほっこりしていて申し
分ないけれど。その掘り返したばかりのほっこりした土の上に猫の糞が(12/5)。
人のと形は一緒。よく糞を見かけるのは中の台の南側だけれどそちらのより立
派、新顔か。

庭にやってくる野良猫の噂話では、妖精国のドリームロッド（夢の杖）が何も
かに奪われそれを取り戻す為に国が猫族の妖精ティルトに助けを求めたようだ。
しかしティルトの消息は分からない。替わりに俺がというような覇気のある奴
もいない。

日頃野良猫の所業に良からぬ思いをしている庭の番人チョウの妖精チャルダー
が夢の杖を取り戻す役を買って出ようとすると、ここ数年庭主の扱いがあまり
に酷くいいかげんで恨みながら枯れ死んでいった野菜の亡霊たちから猛反発を
くらいたちまち窮地に立たされる。　　　　　　　　　　　　　　　体力 3　　　　　　　　　　

夢の杖を盗んだのはネクロマンサーのカボチャ男で庭主に対する恨みはとりわ
け深いようだ。ゴメンネ。