徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

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ドイツ銀行危機~政府は緊急救済計画を策定中か?

2016年09月29日 | 社会

政府のドイツ銀行緊急救済計画を報じたのはツァイトで、具体的なソースは言及されていませんが、アメリカ政府が罰金140億ドルを一歩も譲らなければ、ドイツ銀行の財務は危機的状況に陥るとし、その場合は国がドイツ銀行株25%を取得し、部分国営化を実行する計画のようです。

本当のところは分かりません。ドイツ政府及びドイツ銀行が緊急救済計画をはなから否定しているからです。ドイツ政府は過去に何度も「ドイツ銀行救済のために税金を投入することはない」と主張してきました。しかし、ワーストケースシナリオとしてそのような救済計画が策定されていてもおかしくはないと思います。なんにでも「万一に備える」のがドイツです。冷戦時代は常に「第3次世界大戦シナリオ」を策定し、それに応じて準備・訓練などをしてきたのですから、現在、「テロシナリオ」や「金融危機シナリオ」が描かれ、その万一の時のための対策が練られているのはむしろ自明の理ではないかとも思います。ただ、それを公表して無用なパニックを起こさせたり、株式市場を不安にさせて余計に事態を悪化させるのは問題なので、公にはそれを否定する、ということでしょう。

ドイツ銀行総裁のジョン・クライアンも、アメリカ政府から科せられた罰金140億ドルがあったとしても、国の支援なしに困難を乗り切ることができると主張しています。「状況は外から見える印象ほど悪くはない」「去年より財務状況は改善された」とクライアン氏。

罰金140億ドルのインパクトは大きく、今週の初め、ドイツ銀行の株価は6%以上下落し、10.29ユーロとなりました。昨日(9月28日)は少し持ち直して、10.94ユーロでしたが、低迷が続いていることは確か。3年間で67.5%値崩れしました。

もっとも株価は往々にして実経済とは異なる次元で動くので、実際のところは株価から読み取れないわけですが。

ドイツ銀行の第三四半期報告書は10月27日に公表予定。

 

参照記事:
ツァイトオンライン、2016.09.28、「政府はドイツ銀行のための緊急計画を策定中」 
ツァイトオンライン、2016.09.27、「ドイツ銀行: 酷い二日酔い
シュピーゲルオンライン、2016.09.28、「ドイツ銀行危機:政府はドイツ銀行救済計画を否定」 


ドイツ銀行の危機についてー【ドイツ財政危機】ではありません



2 コメント

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そうはいっても (no name)
2016-12-28 04:45:17
ドイツ国民は家庭用金庫買いあさってるから、経済学者の話は信用されてないんでしょう。実際破綻しても
経済学者が責任を取って
破綻後の混乱を収拾できるわけじゃないし
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Re:そうはいっても (mikakohh)
2016-12-28 07:39:13
ドイツ国民が家庭用金庫買いあさってるなんて、どこ情報ですか?それこそデマですよ!
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