WEBマスターの読書日記

「木戸さんがこんなマメだったなんて」と大方の予想を裏切って続いているブログ。本、映画、感じたことなどをメモしています。

『贋作』(著者:パトリシア ハイスミス 訳:上田 公子)

2016-07-16 19:19:16 | 本と雑誌

退院から1ヶ月後、再びCTスキャンで検査したところ、前に大きくくっきり映っていて家族を心配させた、ウズラの卵大の石がきれいになくなっていた。これなら大丈夫でしょう、と医師も太鼓判。再発の可能性は50%あるというが、まだ今、残っていたらスケジュールを調整して切る手術をしなければならず、また入院かぁと憂鬱だったのが雲が吹き飛ぶように気持ちが晴れる。

毎年この時期、真っ青な空とエメラルドグリーンの海が見たくて沖縄に行く。空気も水もきれいで泳げるし、豊かで新鮮な食材を使ったおいしい沖縄料理が大好き。ホテルのラウンジで静かに流れる時間もいい。昨年は、ゴールデンウィークに引いた風邪が、その後の忙しさでなかなか治らず、せっかく行ったのにお酒は飲めないし眠くて寝てばかりだしと切なかった。帰ってきたら南国効果で元気になったけれど。今年は体調はいいのに台風1号で雨か、あーあと思いきや、意外に晴れて抜けるような美しい空。

キンドルの便利さに目覚めて、持って行った紙の本は読みかけな「太陽がいっぱい」の続編だけ。トム・リプリーの、けっこう行きあたりばったりなのに状況が向こうから好転するラッキーさと、それをタイミングよく使い倒す度胸の良さで、限りなく疑わしいのに捕まらない、優雅な完全犯罪。ビーチで寝そべってキンキンに冷えたコロナを飲みながら読むには、これほど最適な小説もない。楽園を満喫。