グラスホッパー (角川文庫) 価格:¥ 620(税込) 発売日:2007-06 |
毎年のこととはいえ、すごい湿気で空気がじっとり重い。フランス語を見てもらっている先生は、「日本の梅雨はterribleだ」とこの時期、かならず故郷のボルドーに帰ってしまう。蒸し暑さと、内外の温度差が体力を奪うのか、ずいぶん前にひいた夏風邪の治りが遅くて、起きれないほどつらいというわけではないのに、変な気だるさがいつまでも残っている。
この小説は、そんな曇天の2日を舞台にした”ハードボイルド”。こういう血なまぐさいストーリーだとは思わなくて、読んでみて「あらら」と思ったのだが(・・贈った本だったので)、よくできた構成と、たたみかけるような小気味よい展開と、からっとしたユーモアが爽快。「ゴールデンスランバー」もそうだけれど、読んでいて独特な「そんなわけないよね!?」と思わず笑ってしまう気持ちのいい面白さがあるのだ。
それにしても夏、朝ベッドから体を起こしてカーテンを引いたとたん、まぶしい青空が視界いっぱいに広がる夏が待ち遠しい。もうちょっとで夏休み、新30年ビジョンのプロジェクトが佳境になってからは手がつけられずに、微妙にたくさんたまっている仕事もあるのだが、それは忘れることにして、まずはあさっての打ち上げが楽しみ。