ステップ2の終了、中長期ロードマップ、区域の見直し、低線量被爆WG、被災地のがれきの処理など、重いテーマが年末に集中しています。いずれも、被災者の皆さんのことを考えると、熟慮に熟慮を重ねた判断が求められます。
気を抜くことが出来ない日々の中で、やはり、被災者の皆さんに申し訳ないという気持ちが先に立ちます。その一方で、311以来、わが国の最大の問題であった原発事故が一つの節目を迎えているからこそ、こうした決断が求められているのだと考えています。その意味では、すでに、前に進むべき時期が来ていると思うのです。
加害者たる国の閣僚である私が、こんなことを言うと反発される方がおられるかも知れませんが、福島県も、再生に向けて動き出すべき時期が来ていると考えています。
第一に、放射線医療や除染においては、福島は世界の先進的な研究拠点になり得ます。ガンの死亡率を全国一低い水準まで下げる健康長寿の県にすることが出来れば、世界に福島と日本の再生を示すこともできます。
第二に、原子力安全規制の道場となります。4月の発足を目指している原子力安全庁には、国際的な研修機関を設置することになっています。福島での事故を教訓に、技術だけではなく精神も学ぶことが大切です。
第三に、ロボット技術の先進地域になります。今、無人化技術では世界中で激しい競争が行われています。日本には、もともと高い技術があるのですが、実用化の面で、やや問題があると言われてきました。廃炉に至る過程で、ロボットの開発は不可避です。
原発問題を担当する閣僚になってから、福島を選挙区だと考えて取り組んできました。来年は、福島の再生にかける思いを実現する年にしたいと思います。