明日。ようやく安倍内閣の組閣と自民党の役員人事が発表されます。話題は、新人事に集中すると思いますが、参議院選挙後の一ヶ月間が、文字通り「政治空白」となったことを指摘しておきたいと思います。
私が知る限り、総理の交代劇や選挙以外の理由で、これほどの期間、政治空白が生じたことは無かったと思います。
■政治空白がもたらしたもの
まず、国会は機能不全に陥りました。組閣が決まらないと、参議院の自民党の人事が固まらないという、およそ公党とは思えない理由で、国会の開会はもちろん先延ばし。改選された参議院の委員長人事、本会議の議席や院内の部屋の割り当てなど、何一つ決まっていません。いずれも、法案審議以前の問題です。
安倍総理は、テロ特別措置法の延長は国益との発言していますが、本気で通すつもりなら、国会を8月中も継続するべきでした。憲法59条は、衆院可決案を受領後60日以内に参院が議決しない場合、衆院は参院が法案を否決したとみなし、衆議院で2/3で再可決できるとしています。彼らが言う「国益」よりも、「党内事情」が優先されたことは明らかです。
官僚政治も復活しています。8月というのは、次年度の予算の基本的方針が決まり、各省庁の概算要求が固まる時期です。大臣以下、副大臣、政務官はお飾り状態、良くも悪くも予算に口を出す自民党の部会長人事も白紙となれば、予算編成は官僚の独壇場です。
■政治主導はどこへ
消えた年金対策、原爆症の認定基準の見直し、肝炎対策の具体化など、政治主導で決められた問題は、ほとんど前に進んでいません。いずれも、極めて緊急性の高い課題です。
ちなみに、私が取り組んでいる肝炎について言うと、肝炎対策が置き去りにされていることで、肝硬変、肝癌に移行し、亡くなる人の数は一日約100人。薬害として政府の責任が累次の判決で認められている中で、これ以上、事態を放置することは人道的にも許されません。
政治空白の期間は終わりました。ただし、ここまで求心力を低下させた安倍政権が主導権を取り戻すのは、もはや不可能だと私は見ています。
■勝負の臨時国会
ともあれ、9月半ばには臨時国会がスタートします。
参議院での勝利を生かして、参議院からどんどん法案を出すべしとの声が上がっていますが、私はそこは一旦立ち止まって考える必要があると考えています。
もちろん、年金保険料流用禁止や、政治資金規正法改正など、参議院選挙で示された国民の声を反映する努力は必要です。ただ、農業、年金改革、子育ての三本柱に代表されるマニフェストの実現には、衆議院での法案の成立はもちろん、予算の裏づけが不可欠です。
法案審議では、参議院で法案を通しても、衆議院で否決されるか、大幅な修正を強いられることになります。予算の確保には、無駄遣いを徹底排除が不可欠ですが、予算編成権を持たない野党が、これをやり切れるわけではありません。
肝炎対策、障害者自立支援法の一部凍結、宇宙基本法など、私にも実現したい法案が数多くあります。ただし、どの法案を参議院で提出するのかは、極めて高度な政治判断になります。臨時国会では「選択と集中」により、民主党の総力を結集する必要があります。
役員室長をやっていた時、小沢代表に、ある法案を与党と妥協して通したいと話したことがあります。代表から「お前の言っているようなことは、政権を取ったら何ぼでもできる」と諭されました。自民党の幹事長という権力の中枢にいた人だから言える説得力抜群のひとことでした。戦いは、新たな段階に入っています。
私が知る限り、総理の交代劇や選挙以外の理由で、これほどの期間、政治空白が生じたことは無かったと思います。
■政治空白がもたらしたもの
まず、国会は機能不全に陥りました。組閣が決まらないと、参議院の自民党の人事が固まらないという、およそ公党とは思えない理由で、国会の開会はもちろん先延ばし。改選された参議院の委員長人事、本会議の議席や院内の部屋の割り当てなど、何一つ決まっていません。いずれも、法案審議以前の問題です。
安倍総理は、テロ特別措置法の延長は国益との発言していますが、本気で通すつもりなら、国会を8月中も継続するべきでした。憲法59条は、衆院可決案を受領後60日以内に参院が議決しない場合、衆院は参院が法案を否決したとみなし、衆議院で2/3で再可決できるとしています。彼らが言う「国益」よりも、「党内事情」が優先されたことは明らかです。
官僚政治も復活しています。8月というのは、次年度の予算の基本的方針が決まり、各省庁の概算要求が固まる時期です。大臣以下、副大臣、政務官はお飾り状態、良くも悪くも予算に口を出す自民党の部会長人事も白紙となれば、予算編成は官僚の独壇場です。
■政治主導はどこへ
消えた年金対策、原爆症の認定基準の見直し、肝炎対策の具体化など、政治主導で決められた問題は、ほとんど前に進んでいません。いずれも、極めて緊急性の高い課題です。
ちなみに、私が取り組んでいる肝炎について言うと、肝炎対策が置き去りにされていることで、肝硬変、肝癌に移行し、亡くなる人の数は一日約100人。薬害として政府の責任が累次の判決で認められている中で、これ以上、事態を放置することは人道的にも許されません。
政治空白の期間は終わりました。ただし、ここまで求心力を低下させた安倍政権が主導権を取り戻すのは、もはや不可能だと私は見ています。
■勝負の臨時国会
ともあれ、9月半ばには臨時国会がスタートします。
参議院での勝利を生かして、参議院からどんどん法案を出すべしとの声が上がっていますが、私はそこは一旦立ち止まって考える必要があると考えています。
もちろん、年金保険料流用禁止や、政治資金規正法改正など、参議院選挙で示された国民の声を反映する努力は必要です。ただ、農業、年金改革、子育ての三本柱に代表されるマニフェストの実現には、衆議院での法案の成立はもちろん、予算の裏づけが不可欠です。
法案審議では、参議院で法案を通しても、衆議院で否決されるか、大幅な修正を強いられることになります。予算の確保には、無駄遣いを徹底排除が不可欠ですが、予算編成権を持たない野党が、これをやり切れるわけではありません。
肝炎対策、障害者自立支援法の一部凍結、宇宙基本法など、私にも実現したい法案が数多くあります。ただし、どの法案を参議院で提出するのかは、極めて高度な政治判断になります。臨時国会では「選択と集中」により、民主党の総力を結集する必要があります。
役員室長をやっていた時、小沢代表に、ある法案を与党と妥協して通したいと話したことがあります。代表から「お前の言っているようなことは、政権を取ったら何ぼでもできる」と諭されました。自民党の幹事長という権力の中枢にいた人だから言える説得力抜群のひとことでした。戦いは、新たな段階に入っています。