昨日は日本共産党創立100周年に当たる日なので、「あつぎのえいがかんkiki」にて、『百年と希望』の上演後、西原監督が登壇され、この映画を作るに至った経緯をお話になり、その後、数人から質疑応答が行われました。私は彼が映画美学校を卒業しているので、彼の映画撮影のルーツと、誰の映画に一番影響をされたのかを質問し、佐藤真さん(『阿賀を生きる』などのドキュメンタリーを撮られた方)に師事し、三里塚闘争など、市民運動を撮影された小川紳介さんに多大な影響を受けているとおっしゃっていました。佐藤真さんの作品はほとんどDVDで私は既に見ていたのですが、そのことをまったく失念していて、もう一度見直したい欲望にかられるとともに、『圧殺の森』から始まる小川紳介作品は噂には聞きながら、これまで見逃しているので、改めてDVDを入手し、観ようと強烈に思いました。そして5000円で用意した花束を監督に贈り、パンフレットにサインをしていただいた上で、名刺交換もさせていただきました。私としては、次作の対象は福島みずほさんにしてほしいなあ、と思い、その旨も西原さんにお伝えし、「とにかく次回作に期待しています!」と言って別れたのですが、果たしてどのような次回作になるのか、今からワクワク感が止まりません。
さて、チュ・サンミ監督・主演の2016年作品『ポーランドへ行った子どもたち』を「あつぎのえいがかんkiki」で観ました。
チラシの「Story」に一部修正加筆して転載させていただくと、
「監督のチュ・サンミは、出産後に子どもへの愛着や不安のために産後うつを経験する。そんな中、彼女は偶然目にした北朝鮮の孤児たちの映像をきっかけに、秘密裡にポーランドへ強制位相された戦災孤児たちの記録を知る。1950年代、自国も厳しい情勢下に異国の孤児たちを我が子のように受け入れたポーランド人教師たちと、彼らを「ママ」「パパ」と慕う朝鮮の子どもたちがいた━━。チュ・サンミは、脱北の過去を持つ女優イ・ソンととおいポーランドを訪問し、いまでも子どもたちを懐かしく思い涙を流す教師たちと出会う。あのとき彼らは何を思ったのか。その後朝鮮に送り戻された孤児たちはどうなったのか。そして旅の途中、イ・ソンは泣きながら北朝鮮にいる家族のことを語りはじめる。特にイ・ソンは、憎悪と愛にからむ弟の話をし、ラストでは海岸で、沖を進む大型客船に対し、弟への思いを大声で叫び、彼にその思いが届くようにと願うのだった。」
チュ・サンミさん、そしてポーランド教師たちの顔と声の圧倒的な魅力。それだけでも観る価値のある映画でした。78分という長さも、好感を持てるものでした。映画好きな方、必見です!!