朝日新聞の記事で、『なぜ君は総理大臣になれないのか』、『香川一区』を監督されたドキュメンタリー映画監督・大島新さんが、なんと大島渚監督の息子さんであることを知りました。かなりびっくりしました。
さて、なるせゆうせい監督・脚本・総製作の2022年『君たちはまだ長いトンネルの中』に「あつぎのえいがかんkiki」で観ました。
笑いあり、涙ありの熱血社会派青春ストーリーでした。財務官僚を父に持ち、「将来、絶対に搾取する側に立つなよ。きっちり勉強し、自分で考えられる人間になるように」と教えられてきた女子高校生の主人公は、父を交通事故で失った後も、その人生哲学を貫き、アベノミクスを教える先生には公然と反駁し、進路指導室に呼ばれても、進路指導の先生に対し、論理的に戦いに挑んで勝利し、元財務官僚で自民党(映画では違う名前になっていました)のボスである政治家の脅しにも屈せず、ラストでは彼女に触発された若い自民党の政治家が、テレビの生放送で堂々と持論を展開し、仮病で教室を抜け出してきた主人公と同級生らは放送終了直後にスタンディングオベーションをするという、ハッピーエンドで、エンディングタイトルでは、自分がお世話になっている叔父と叔母が経営している料理屋を含む、今ではシャッター街になっている商店街を盛り上げるため、次々とポスターを張って行く主人公の姿が描かれていました。
主人公役の加藤小春さんは、本当の女子高生のように、溌溂としていて、しかもセクシーで、私は一目惚れしてしまいました。彼女の名前と、監督の「なるせゆうせい」という名前は、決して忘れることのない名前として、私に刻み込まれました。
結論を言うと、文句のない傑作です。おそらく今年に私が見た、あるいは見るだろう映画で、この映画はダントツ1位になると確信しております。