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石井裕也監督『茜色に焼かれる』その1

2022-07-10 02:44:58 | 日記

 石井裕也監督の2021年作品『茜色に焼かれる』をWOWOWシネマで観ました。
 サイト「映画ウォッチ」の「ネタバレあらすじ」に一部加筆修正させていただくと、
「田中良子(尾野真千子)は小さなカフェを一人で切り盛りしながら、中学生になる一人息子の純平(和田庵)を女手ひとつで育ててきました。しかし、新型コロナウィルス感染拡大の影響は容赦なく良子に襲いかかり、良子はカフェを畳まざるを得なくなりました。現在では良子はホームセンター内の花屋のバイトと風俗嬢の仕事を掛け持ちしていました。
 良子の夫・陽一(オダギリジョー)は7年前に、元政府高官の高齢者・有島が運転する車に撥ねられて死亡していました。ブレーキとアクセルの踏み間違えによるものでした。しかし、有島はアルツハイマーを患っていたことを理由に罪に問われず、有島側は一応賠償金を用意したのですが、良子は彼らから謝罪の言葉が一言もないことを理由に受け取りを拒否し続けてきました。
 良子は純平との二人分の生活費の他にも、養父の老人ホーム入居費、そして更には陽一が浮気相手に産ませた子供の養育費までも払っており、ただでさえ苦しい家計はさらに圧迫され続けていました。それでも良子は、口癖のように「まぁ、がんばりましょう」とことあるごとに口にしてきました。
 ある日、良子は陽一を轢き殺した有島が死んだことを知りました。有島は陽一とは違い、天寿を全うしての大往生でした。良子は有島の葬式に出ようとしましたが、有島の葬式は陽一の葬式の時とは比べものにならないほど盛大なものでした。良子は有島の息子・耕(鶴見辰吾)や顧問弁護士の成原(嶋田久作)によって冷たく追い払われました。純平はなぜ葬式に行ったのかと問うと、良子は自分でもわからないと言いつつあの日の事故の意味をずっと考えていると応えました。
 純平は学校でいじめに遭っていました。いじめっ子たちは良子が風俗で働いていることをネタにして純平を強請り、陽一の事故ですらもからかいのネタにしていました。純平がいじめられていることを知った良子は学校に抗議しに行きましたが、純平の担任(泉澤祐希)ら学校側の対応はあまりにも杜撰なものでした。
 良子がバイトをしている花屋の雇われ店長(コージ・トクダ)は、ホームセンターの上司・斉木(笠原秀幸)からコロナ禍で働き先のないお得意先の娘を雇ってくれるよう要求されました。店長は良子に何とか辞めてもらえるよう仕向け、それでも辞めない良子に言いがかりをつけて無理やり解雇しました。
 生前はバンドマンだった陽一は、世の中のあらゆるものに反抗しながら生きていました。時には陽一は新興宗教に騙され、持ち金全てを寄付してしまったこともありましたが、良子はそれでも陽一のことは深く愛していました。そんな陽一の命日にはかつてのバンド仲間が集まり、宴会を開いていました。純平はこの宴会の席で、良子がかつて劇団で芝居をしていたことを知りました。
 陽一のバンド仲間だった滝(芹澤興人)はかねてから良子に気があったらしく、良子に執拗に迫ってきました。そんな理不尽な日々に疲れ果てた良子の愚痴を聞いてあげているのが、風俗店の同僚・ケイ(片山友希)でした。
 ケイは子供の頃から父親に性的虐待を受け続けてきました。ケイはかねてから糖尿病を患っていると語り、治療費や生活費を稼ぐために風俗で働いていることを明かしました。良子とケイの間には次第に友情が芽生え、純平もケイにほのかな想いを抱くようになっていきました。
 そんなある日、良子は学校に呼び出され、以外にも純平の成績が非常に優秀であることを告げられました。塾に行く金もなく、家でも大して勉強していないはずの純平でしたが、陽一の生前の口癖だった「トップのトップを目指す」を頑なに守り続けていたのです。これは亡き父の口癖でした。
 良子は純平に常日頃から生きていく上でルールを守ることの大切さを説いてきていました。良子は純平に「もうひとつルールを作ろう」と切り出し、「お金のことは心配しないこと。行けるところまで行きなさい。その代わり体だけは大切にして。危ないこともしないように」と誓わせました。
 そんなある日、良子は偶然にも高校時代の同級生だった熊木直樹(大塚ヒロタ)と再会しました。熊木は自分は離婚していることを語り、良子を高級レストランでの食事に誘いました。その日から良子は度々熊木と会うようになり、いつしか熊木のことを本気で愛するようになっていきました。

(明日に続きます)