崔監哲浩監督の2022年作品『北風アウトサイダー』を「あつぎのえいがかんkiki」で観ました。
以下は崔監督自らが書かれたあらすじです。
「大阪市生野区には、在日朝鮮人、在日韓国人の方々が沢山住んでいる。
月日が流れ、三世四世の時代に入り、もはやそうゆうことも気にせずに生きれる時代に入りつつある。
そんな中の在日一家の物語。
生野区で長年、食堂オモニを営んできた母親の葬儀から物語が始まる。15年前に失踪した長男、ヨンギはそこに現れない。
口にこそ出さないが、ヨンギが戻ってくるかもと期待する親類たち。
次男チョロを中心に楽しく亡き母親に思いを寄せながら歌や踊りで盛大に送り出したのである。
そんな4兄妹の次男チョロは、ヨンギ失踪あとから、金家一族の主として孤軍奮闘していたのである。
オモニが残した店の借金やヨンギの実の娘を我が子として育てる葛藤など。
長女のミョンヒも身を粉にして店の再建に朝から晩まで働きずめだ。お調子者の三男ガンホも誰からも愛される男。
そんなある日突如として帰ってくるヨンギ。
変わり果てた長男の姿に困惑する兄妹達。
そう、三人の記憶では、誰より強く、誰より親孝行で学生時代から、食堂オモニで働いてた記憶しかのこってないのだ。
目の前に現れたのはあの頃のヨンギではなく、無気力で覇気のない惨めな男だった。
特にその失踪を許せなかったのは、長女ミョンヒ。晩年は痴呆症にかかっていたオモニに寄り添い介護をしオモニ食堂を守ってきた。
それでも15年ヨンギを探してきた次男チョロが、強引に食堂オモニでヨンギを働かすことをガンホ、ミョンヒに提案する。
「なんのために、オモニがここまでお店頑張ってきたんや?家族みんなが集まる場所をまっもてきたんや。オモニの願い叶えてやろうや。」
そうしてオモニ食堂で働きはじめたヨンギ。少しずつ覇気もとりもどし、一生懸命に変わろうと努力する。
そうした努力を目の当たりにして、ガンホ、ミョンヒも少しずつあの頃のように、心をひらいてくる。
それとともに、少しずつ解明されていく空白の15年間。
何故、最愛の妻サンミとの実娘ナミを残して去ったのか。
地元では、親友の清田と共に後輩たちから圧倒的に指示されながらも、その清田にさえ連絡をしなかったのか。在日としてバリバリに活動していたのに今はどういうアイデンティティなのかなど。
兄妹4四人が揃い仲良く過ごしていくと思いきや、現実の厳しさに翻弄され話は思わぬ方向へ。
愛とは何か。家族とはどんなものか。様々な人の思いがすれ違うなかで、大きな愛によってはたして家族の絆は取り戻せるのか。今、究極のヒューストンドラマが幕を開ける!!!」
とにかく素晴らしい映画です。今年のナンバー10には必ず入ると私は考えます。必見です!!