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矢崎仁司監督『三月のライオン』

2021-04-25 06:29:00 | ノンジャンル
 矢崎仁司監督・共同脚本の1991年作品『三月のライオン』のデジタルリマスター版を、「あつぎのえいがかん kiki」で観ました。以下、映画の紹介です。

「兄と妹がいた。
妹は兄をとても愛していた。
いつか、兄の恋人になりたいと、心に願っていた。
ある日、兄が記憶を失った。
妹は、兄に恋人だと偽り、病院から連れ出した。
記憶喪失の兄は、恋人だという女と一緒に暮らし始めた。
そして、兄は恋人を愛した。
恋人の名はアイス。
氷の季節と花の季節の間に三月がある。
三月は、嵐の季節。」という字幕から始まるこの映画は、チラシでは、トニー・レインズという評論家が「ジャン・コクトーの『恐るべき子供たち』以来の、近親相姦を描いた秀作」と書いていますが、これは大きな間違いで、実際は「ジャン=ピエール・メルヴィル監督の『恐るべき子供たち』(これは姉と弟の間の究極の愛を描いた映画)以来の、今度は兄と妹の間の究極の愛を描いた映画の傑作」というのが正しいコメントであると思います。(この先はネタバレします。)ラストシーンでは、なんと妹が兄の子供を出産するというハッピーエンドになっていて、妊娠中に大好物のアイスを禁じられていた妹が、出産直後、兄が笑顔で両手にアイスを持っているのを見て、号泣してしまい、それを観ていた私まで、号泣し、ひどく恥ずかしい思いをしました(^^;)。この映画では、猫が2つのシーンで、犬が一つのシーン(そして犬はなんと橋から落とされてしまうのですが)で撮影されていて、そのシーンだけ見ても、まぎれもない傑作だと私は思いました。映画好きな方だけでなく、動物好きの方にもおススメできる映画でした!

P.S. 私はつい最近「ルイス・ブニュエルDVD BOX」全15巻というのを入手していて、この『三月のライオン』がベルギー王室主催の映画祭で、「ルイス・ブニュエルの『黄金時代』賞」を受賞した作品であることを知り、ここに来てこの映画と出会ったことに何か因縁めいたものを感じたりもしました。ルイス・ブニュエルの映画をまだ見たことのない映画ファンがいらっしゃいましたら、是非観ることをおススメします。特にメキシコ時代のブニュエルを観ることのできるDVD BOXがヤフオクにアップされることがあるので(といっても、相場はDVD3巻で7~8千円もするのですが)、生活に余裕がある方にはおススメします。