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林田麗『ダメンズダディー』

2021-04-07 00:36:00 | ノンジャンル
 林田麗さんの2012年作品『ダメンズダディー』を読みました。林田さんは3回結婚し、2回離婚された方で、現在は3番目の夫と2人の息子さんと暮らしてらっしゃいます。2回の離婚は夫の側に全面的に問題があり、それは現在の3番目の夫にも共通するところはあるのですが、林田さんは離婚するエネルギーがあるなら、それを自分の未来のために使いたいとお考えになっているようです。以下、本文からいくつか文章を引用させていただくと、

・人というのは、弱った時にこそ、その人の本心や真心が見えるものだ。会長も幅広く事業をされているが、人生の経験が奥深い人だから、本当に気持ちが誰よりも温かい。

・(夫は)時間には本当にルーズで、外面良し、八方美人、自分の家族より自分の遊び、付き合いが先、誘われるとNOと言えない、外食しても一切連絡なし、都合悪いと電話にも出ないし、すぐにばれる嘘を言うのも治っていない。

・この世の中には、男と女しかいない。その男と女が出会い、愛し合い結婚し、子どもを授かり、家庭を築き、その中で愛というスパイスが消えた時、別居や離婚を考えたことがある人は多いだろう。

・出会いも、別れも人を変える。男を追いかければ、男は他の女に逃げ、男が女を追いかければ、女もまた違う男に逃げる。ただ男は、女より女々しい。女は切り替えが早くスパッと男を切り捨てる魔性の強さがある。
 別れもまた、女を強くする。いくら愛し合っても、結ばれない愛もある。互いに愛もないのに抱き合える男と女もいれば、女をSEXの遊び道具のように扱う男もいる。
 しかし、どういう恋をしていても、女は恋を重ねれば重ねるほど、ダイヤモンドのように輝ける魅力や魔力を持つ。恋する気持ちを忘れ、傷つくことを恐れ、失敗を恐れたら、恋などできない。愛は手に入れられない。

・人生というのは、躓きの連続で、九の苦しみがあるからこそ、一の楽しみのために生きていられているのかもしれない。この九の苦しみは深く、その時々にもう限界だと思えても、必ずどこかに自分が見落としている道がある。その道に自分が気付けば、本当に大切なことも見えてくる。その道が見えた時、人は必ず自力で這い上がれる。生きる努力を惜しまなければ、自然と心の姿勢も物事の見方も変わり、自分の世界も変わってくる。そして、何度失敗しても、そこに道が見えずとも、経験は肥やしになる。傷みを知れば知るほど、人は強くなり、手探りしながらでも、自分の道を歩いていける。

・自問自答する時もあるだろう。そういう時は心を休めれば良い。焦って結論を出す必要等どこにもないのだから。自分自身が後悔しないために、それは大切な時間なのだ。

・人生には色んな壁がある。それをクリアしたらまた次の壁、それの繰り返しだ。でもそれは、試練ではなくチャンスなのだ。このチャンスを楽しめる強さを持った時が、人生のターニングポイントとなり、新たな自分に出会える時となる。気持ちの持ち方一つなのだ。

・何もない人生より、色んなことがあるからこその人生のほうが楽しい。支え合って生きる素敵な家族や恋人がいる人は幸せだ。あなたがもし一人だったら、私のように恋をしていただきたい。きっとどこかにあなたとの出会いを待っている素敵なパートナーがいるはずだから。一人に一つ、神様が与えてくれる出会いがある、運命の赤い糸はきっとあると私は信じている。

・かといって、決して私は、強い人間ではない。私にあるのは、信念だけ。これからの私の人生も、どんなことが起きるか予想もつかないけれど、私は、何があっても逃げることはしない。もっともっと、貪欲に自分発見もしたいし、常に何かに挑戦し続けたいと思っている。

 とても誠実に書かれた私小説だと思いました。また1959年生まれでおとめ座のB型の私にとって、林田さんは1962年生まれでおとめ座のB型というのも、何かの縁を感じてしまいました。林田さんはまだこの1冊しか本を書かれていないようですが、次作にも期待したいと思います。