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ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督『静かなる叫び』その2

2018-11-18 06:50:00 | ノンジャンル
 昨日の続きです。
 「よく来てくれたわ。シモーヌおばさんが心配してたのよ」「どうしてる?」「元気よ。クロードとマルタンは24日に来るって。クリスマスの予定は?」「未定だ。試験は1ヵ月延期になった。父さんは年越しパーティーを」「兄弟も集まるわ。あなたは?」「どうかな。母さんは何を?」「いつもどおり。何なら来る?」「おいしかった。もう帰らないと」「夕食は?」「食べない」「日帰り?」「勉強があるんだ」「何かあったら来なさい」「ありがとう」「心配してるの」「いつもだろ?」。
 車から降りて吐くヒゲの男性。
 ライターをいじる青年。
 雪原を進む車を超ロングで。
 排気ガスを車内に送り、自殺を図るヒゲの学生。フェイドアウト。
 「男女に分かれろ! 女は左、男は右だ。男は外に出ろ。女は残れ」。手を結ぶ女子学生。「残された理由は?」「技術者志望だろ? 僕はフェミニストが嫌いだ」「私たちは違う。だって……」。一斉射撃。積み重なる死体。ヴァレリーは助かるが、顔の右側は血で染まる。ステファニー「動けない」「助けを呼ぶわ」。
 まともに歩けないヴァレリー。
 ヴァレリー「死んだふりを」ステファニー「寒い。動けない」。ドアが開く音。「目を閉じて黙ってね」。ヒゲの学生、教室に入った後、出ていく。
 無人の学食や廊下。担架で運び出されるヴァレリーにヒゲの学生「ヴァレリーすまない。残るべきだった」「気にしないで。あなたは悪くないわ」。
 地下鉄に乗るヒゲの学生。
 夢にうなされた後、目覚めるヴァレリー。
 (中略)
 吐くヴァレリー。歯磨きをするヴァレリー。同棲相手「調子が悪いの?」「胸焼けよ」「また悪夢かい?」
 駐機場で実習を行うヴァレリー。
 事務机で仕事をするヴァレリー。
 トイレに座るヴァレリー。
 電話、「パパ、元気にしてる? こっちは変わりないわ。エリックは絶好調。昇進したのよ。喜んでいるわ。私なら平気。ママは? いいえ、様子を知りたくて。9月まで無理ね。パパ、よく聞こえない。切れちゃう。週末にかけ直すわ。それじゃパパ、またね」。
 車に乗るヴァレリー。
 木漏れ日の中、林の中を歩くヴァレリー。
 「投函しない手紙を書いています。面識もなしに絆を感じて。人生で2度目の恐怖を感じ、筆を取りました。1度目はあなたの息子。あの時憎悪の恐ろしさを知りました。つきまとう記憶……。彼は死に、私は生きてます。彼は解放され、私は呪縛の中に残されたままです」。自分の額に銃口を向け、自殺する青年。
 夜の校舎。死んだ2人の女子学生を俯瞰で。ヴァレリー「昔は“君は強い”と言われた。でももう疲れた。身も心もズタズタになったと叫びたくなる。傷ついた動物のように隠れたい。ステファニーのことが頭から離れない。犠牲になった友人たちのことも。女性は誰もが痛みを感じたはず。そんな考えが重荷となり、疲れてしまった。愛からの贈り物があり、私は身ごもった。心から喜びたいのに怖い。恐怖に対することにも、もう疲れた。人生の信頼と勇気を取り戻し、再び立ち上がらなければとは思っているのだが……。それも自分の力で……。男の子が生まれたら愛を教え、女の子なら世界へ羽ばたけと教えるつもりだ」。ヒゲの学生と抱き合うヴァレリー。
 廊下の前進撮影。フェイドアウト。
 「被害者を追悼。ジュヌヴィエーヴ・ヴェルジュロン、エレーヌ・コルガン、ナタリー・クロトー、バルバラ・テイニョー、アンヌ=マリー・エドワール、モード・アヴィエルニック、マリーズ・ラガニエール、マリーズ・ルクレール、アンヌ=マリー・ルメイ、ソニア・ペルティエ、ミシェル・リシャール、アニー・サン=アルノー、アニー・トゥルコット、バルバラ・クルチェニク=ヴィダイェヴィッチ、サルト・ブレー。本作を被害者家族や大学関係者に捧ぐ」の字幕で映画は終わる。

 コントラストの弱いモノクロ映画で、長さも1時間半ぐらい、オールロケという低予算映画でした。死体のリアルさは印象的でしたし、2000年作品の『渦』のようなイメージショットもなく、すべてのショットがストーリーの進行に寄与している作品だと思いました。

 →サイト「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto

P.S. 今から約30年前、東京都江東区で最寄りの駅が東陽町だった「早友」東陽町教室の教室長、および木場駅が最寄りの駅だった「清新塾」のやはり教室長だった伊藤達夫先生、また、当時かわいかった生徒の皆さん、これを見たら是非下記までお知らせください。黒山先生、福長先生と私が、首を長くして待っています。(また伊藤先生の情報をお持ちの方も是非お知らせください。連絡先は「m-goto@ceres.dti.ne.jp」です。よろしくお願いいたします。