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ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督『渦』その3

2018-11-15 05:42:00 | ノンジャンル
 また昨日の続きです。
 「ご近所だったの。会えば挨拶する程度のお付き合いで。身寄りがないと思っていたわ。最後のお別れを言いに来たの。息子さんがいると知ってたら来なかったわ」「父に隣人がいたとは。人付き合いが悪いから。古くから?」「いいえ、最近よ」「歯ブラシは買える?」「あそこに薬局があるわ」「コーヒーが飲めるところは?」「薬局の隣よ」「一緒に飲まないか?」「帰らなきゃ」「一人でコーヒーを飲みたくないんだ。1人で飲むのは味気ないものだろ? 父の想い出に」「それなら」。
 カフェ。ビビ「死因は?」「毒殺だよ。父はやきもち焼きのハイチ女と再婚した。女は父にブードゥー教の呪いをかけた。本当はゾンビになるはずが、教団の一味が火葬にした。本当はひき逃げだ」「だと思ったわ」「仕事は何?」「スチュワーデスよ」「会社は?」「その時でいろいろ。国へは?」「明日の朝帰る。遺品の整理を手伝ってくれないか?」「遅くなるから。ごめんなさい」。微笑み合う二人。「まず父の同僚に会う」。
 次々に父の元同僚とハグするダイバーとビビ。「君の父さんを殺した者が苦しみにのたうちながら死ぬように」。乾杯。「犯人にむごたらしい死を」。乾杯。「はらわたを引き裂かれ、犬に食われるように」。乾杯。ダイバー「捕まえたら殺す」。魚をさばく男。「犯人はやがて死ぬ。それが定めだ」。
 ダイバー「強い酒だった」ビビ「本当ね」。父の遺品が入った箱を前にして「これだ。これが父の人生の全てだ。これを明日の朝までに片付けるのは無理だな」「大丈夫よ」。
 箱の中からハンガーやヌード雑誌を取り出す二人。「これ、まだ動くわ」「それはゴミ箱に」。ダイバーはビビにニット帽を被せ、「他のはブードゥー教の呪いがかかっている。それをあげるよ」「ありがとう」。
 朝。「飛行機は何時?」「父をどうしたらいいんだろう?」「お母さんは?」「俺が三つの時に溺れて死んだ。父は以後海に出ていない。死んだら母の眠る海に戻せと言ったが、灰になった」「灰を流せばいいわ」「だけど船乗りだったから肉体がないのに遺灰をまいてもそれが父とは思えない。バカみたいに聞こえるだろう?」「いいえ。ノルウェー語が分かる?」「長く話してない」。歌を歌うビビ。「この歌詞はどういう意味?」「“兄弟よ、敵の首を引きちぎれ。頭蓋骨で酒を酌み交わそう。腹を裂いて内臓を喰らおう”。民話さ」。タクシーに乗るダイバー。ダイバー「昨日は眠れなかった」「そうね。飛行機で寝て」「本当にありがとう。君のことは忘れない」。去るタクシー。手にニット帽を握るビビ。
 飛行場。飛ばんとする飛行機に駆け寄るビビ。「忘れ物よ。あなたと寝たい」。
 二人でビビ宅へ。「これが私のテーブル。私の親友の写真。私の冷蔵庫。オーブン。私のお皿。カーペット。私のベッドとシーツ。下着。カウチと窓。これが私の家よ」。
 キスのアップ。
 体を重ねてキスする二人。
 「あなたはダイバー」「君は何者だ?」「あなたはダイバー」「君は何者だ? 父の隣人じゃない」「隣人じゃないわ」「愛してる」「まだ早いわ」「ダイバーは決断が早いんだ。愛してる」「私を知らないのに」「よく知ってる」。セックスする二人。「君は素敵だ」。
 裸でひざを抱えているビビ。眠るダイバー。
 朝。先に目覚めたダイバーは朝食を買いに行って、売ってる新聞を見て驚く。
 ビビ、目覚める。帰宅したダイバー「君は天使だ」。“飛行機が墜落。“乗客は全員死亡”の記事。
 2人でシャワー。背後からキスしてくるダイバーにビビ「やめて」。
 服を着る時も背後からキスしてくるダイバーにビビ「やめて」。ビビは泣き出す。
 暗い波のうねり。
 泣くビビ。窓外を眺めるダイバー。
 海を眺めるダイバー。
 バーのカウンター。ダイバー「どうしたらいい? 父を殺した女に恋をした。女は俺に殺されたがってる」横の太った中年男「知ってる者は?」「俺の他にはいない」「何の問題が?」「女は死にたいんだ」「結婚して、あとは口を閉ざせ。特にバーでは。奢ってくれてありがとう。おやすみ」「おやすみ」。
 ダイバー「どこでも同じだ」。骨粉をトイレに流そうとするが、泣き出してしまう。
 目を開けたまま横たわるビビ。それに骨粉をふりかけるダイバー。ビビは大声を出して驚き、たじろぎ、泣き出す。
 眠るダイバー。
 掃除機で骨粉を吸い込み、箱の中に戻すビビ。フェイドアウト。
 暗い水しぶき。
 船上。「数週間後 ノルウェーの海で」の字幕。ビビの肩を抱くダイバー。散骨するダイバー。
 包丁を研ぐ大男。魚「存在の偉大な秘密を明かすだけの時間がない。人間はみな……」。魚の頭が胴体から断ち切られる。
 魚の顔を寄せ合うダイバーとビビのシルエットで映画は終わる。

 大男が魚の頭を断ち切るシーンや暗い水しぶきと波のうねりのショットが作品にアクセントを与え、印象に残るものとなっていました。

 →サイト「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto

P.S. 今から約30年前、東京都江東区で最寄りの駅が東陽町だった「早友」東陽町教室の教室長、および木場駅が最寄りの駅だった「清新塾」のやはり教室長だった伊藤達夫先生、また、当時かわいかった生徒の皆さん、これを見たら是非下記までお知らせください。黒山先生、福長先生と私が、首を長くして待っています。(また伊藤先生の情報をお持ちの方も是非お知らせください。連絡先は「m-goto@ceres.dti.ne.jp」です。よろしくお願いいたします。