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エドワード・ヤン監督『恐怖分子』その1

2018-08-21 03:42:00 | ノンジャンル
 WOWOWシネマで、エドワード・ヤン監督・共同脚本の’86年作品『恐怖分子』を見ました。
 夜の街。朝を迎えると、一眼レフのカメラを持ち外出する青年。
 出勤する立中(リーチョン)。その妻の郁芬は小説を最初から書き直したいと言う。
路上に倒れている男。銃声。駆けつけるパトカー。「小さな賭場があったらしい」と警官。
 「サツだ」と逃げるカップル。2階から飛び降りたところを逮捕される男。娘は脚を引きずりながら逃げるが、横断歩道の上に倒れ込む。そこまでの一部始終を写真に撮る青年。(中略)
小説を最初から書き始める郁芬。
 「病理検査課は集まってください」という院内放送。立中らが集まると、「課長が心臓病で急死したらしい」と噂話がされている。
 部長に会った立中は課長の事後処理は自分に任せてほしいと言い、次期の課長は自分の親友でありながら入札汚職を起こした小合(シャオチン)ではなく自分にさせて下さいと言う。
 足を折った娘は気が付くと、足にギブスがしてあるのに気づく。そこへ見舞いにやってきた母は「あんな奴らと付き合って。このバカ娘が」と言って、雑誌で何回も娘の頭を殴る。
 昔から馴染の沈(シェン)は郁芬と会い、彼女が変わったと言うと、郁芬は「俗っぽくなったでしょう」と返す。沈が「うちで働かない?」と言うと、郁芬は「もう何年も働いていない」と言い、「その何年かの間にこの本一冊しか出せなかった」と言って本を沈に見せる。
 執筆の合い間にタバコを吸っていた郁芬は、夫が帰宅する音を聞くと、あわててタバコの火を消し、灰皿を机の引き出しの中に隠す。郁芬は「沈が離婚して、友人とも別れて独立した」と話し、今日会ったら「仕事を手伝わないか。有能な人が家にいるのはよくない」と言われたと言うと、立中は「もう一度勤めてもいいかも。人に頼りにされるのもいいぞ」と答え、「自分も課長に昇進するかもしれない」と言う。
 娘は母によって部屋の中に軟禁されている。電話で仲間の男に様子を聞くと、「逃げられたのはお前だけで、仲間たちはチリヂリバラバラの状態だ」と知らせる。(中略)
 カメラマンの青年と同棲している女性は、部屋の中で暴れ出し、壁に青年が貼った写真らもメチャメチャにするが、気が付くとカメラの青年は姿を消している。(中略)
 郁芬「どうしたらいいの? 最初は少しばかりの文才を頼りに学生時代の出来事や友人のことを書けたけど、だんだん書くこともなくなり、感性も失った。今は夫婦の話ばかり」沈「君の文章の中には君がいる。昔の君が。僕達ももう一度やり直そう。ずっと君のことを思ってた」。
 ベッドに横たわる二人。郁芬「何を考えてるの?」沈「何も。立中は僕達の昔のことを知っているのか?」「いいえ、何も聞かないわ」「信用してるんだね」「いいえ、信用じゃなくて無関心ってこと(中略)」
 小金「くそっ、こんなとこ辞めてやる。疑いやがって。小薛(シャオジュエ)の仕業だな」と言って帰っていく。
 長椅子で寝ていた立中が電灯をつけると、郁芬がタバコを吸っている。「苦労して止めたのに」と立中が言うと、郁芬は泣き出し、立中は彼女を抱きしめて慰める。
 カメラの青年に仲間「兵役はどうした? 皆探してるぞ。ガールフレンドも。親父も人を寄越した」。(中略)
 立中が帰宅すると無人で、書斎が荒れ放題になっている。
 沈の会社に連絡すると「2,3日休暇を取っている」と言われる。
 立中は警察を訪ね、妻が行方不明になっていることを訴えると、警部は探すのを手伝ってくれる。
 編集部には誰もいなかったが、警察に戻ると「奥さんから連絡があった。1人で書きたいと言っていた」と言われる。「妻は子供を欲しがってたが、流産し、最近は神経質になっていた」と話す立中。(中略)
 新しく借りた部屋の窓に黒い紙を貼って暗室にしていくカメラマンの青年。赤い電灯が灯る。
 立中が帰宅すると、妻がいる。「帰ったか。なぜ黙って?」「原稿は間に合った」「書斎を片付けよう」「今日は本を取りに来ただけ。家を出たい。部屋ももう見つけてある。今晩出ていく。私に必要なのは環境の変化。勤めも始めた。もう書かない。文才はなかった」「それならなぜ前の勤めを辞めた? 君の言う通りにしてきた。何か言ってくれ。黙ってないで。結婚した時、書くのは止めると約束したろ?」「あの時子供を産もうとしなければ、もっと早くこうなってた。勤めるのが嫌だったの。そして流産を忘れるために小説に没頭した。あなたはまだ分かってない。私を責めるばかりで。あなたには悪いけど、私の欲しい生活が結婚によって新しく始まると思ってた。小説を書けば新しく始まると期待してた。別れるのも新しく始めるため。言ってもムダよね。どうせあなたは単調な日常にしか関心がない。私はそうしたことから逃げたい。それが最大の違い」(明日へ続きます……)

 →サイト「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto

P.S. 今から約30年前、東京都江東区で最寄りの駅が東陽町だった「早友」東陽町教室の教室長、および木場駅が最寄りの駅だった「清新塾」のやはり教室長だった伊藤達夫先生、また、当時かわいかった生徒の皆さん、これを見たら是非下記までお知らせください。黒山さん福長さんと私が、首を長くして待っています。(また伊藤先生の情報をお持ちの方も是非お知らせください。連絡先は「m-goto@ceres.dti.ne.jp」です。よろしくお願いいたします。