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北京オリンピック開会式の気になった部分

2008-08-09 15:53:21 | ノンジャンル
 昨日夜、北京オリンピックの開会式を見ました。今まで見たオリンピックの開会式の中で一番素晴らしく、特に右手が筆になっている人が紙の上を美しくころがって見事な絵を描くところや、無数に並べられた活字が波のように様々な模様や字を描いていくところは圧巻でした。総監督のチャン・イーモウは映画はあまり好きではありませんが、今回の開会式は彼の最高傑作なのではないか、と思いました。
 しかし、いくつか気になったところがありました。先ず、冒頭の、中国の様々な民族衣装をまとった子供たちが巨大な中国国旗を運んでいくシーン。運んでいる間、真っ赤な服を着た少女が歌を歌うのですが、これは様々な民族を中国共産党がまとめている現実を隠喩しているのかなあ、と思いました。そして問題なのは、その後で、子供たちから何と大人の軍人たちが国旗を受け取り、その軍人たちが敬礼する中、国旗が掲揚されました。まさに軍事力によって多くの民族を弾圧している現状を表してしまっているシーンでした。
 それから次から次へと繰り出されるマスゲーム。千人を超える人たちが一糸乱れぬ独創的なマスゲームを展開して、それは素晴らしかったのですが、逆にそのことが独裁政権での個の消失を表しているようで怖くなりました。私の母も同じ感想を持ったようです。
 そして最後に、選手入場の際にトラックの内側に整列して踊っていたミニスカートでブーツ姿の女性たち。プロポーションが抜群の美女たちの大軍に、選手の入場を見るよりも目が行ってしまい、北朝鮮の女性応援団を連想してしまいました。そして中国選手団の入場の時だけ、他の国の選手入場の時には見せなかった仕種で熱烈に応援しているのも気になりました。
 ということで、開会式が夜に行なわれたこともあるかもしれませんが、素晴らしい開会式であるとともに、図らずも今の中国の政治状況を表してしまっている開会式でもありました。さて、このオリンピック、無事に終わることができるのでしょうか?