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原爆症の認定が未だに問題に!

2008-08-07 15:30:45 | ノンジャンル
 昨日のNHKの午後8時からの番組で、広島での残留放射線による被爆者の救済が不十分であることが取り上げられていました。
 戦後すぐの原爆症の認定では、当時の厚生省の担当者たちがなるべく多くの被爆者を救うために、広島原爆投下時に被爆した人以外に、投下から2週間以内に爆心地を訪れた人も認定していました。
 それが、'68年にアメリカの研究機関によって発表された、「RS68」という原爆投下以後の残留放射線量を推定したデータが、原爆投下以降の残留放射線がほとんどないという結果になっていることに目をつけた当時の厚生省の担当者は、認定に対する線引きがこのデータしかないことを理由に、残留放射線の被爆者をまったく認定しないという方針に転換します。
 が、1990年代後半になって、広島の研究者が残留放射線の被爆者で、被爆者に特有の重複ガンで苦しむ患者さんたちの染色体を調査した結果、2本ずつあるはずの染色体が、一部ちぎれていたり、3本あったり、1
本しかなかったりと、突然変異していることが分かり、それ以降の原爆症認定裁判において国は連戦連敗しているのだそうです。国も「原爆投下以降、2週間以内に爆心地を訪れ、1週間以上爆心地に滞在していた人は新たに認定する」というように認定基準を緩和しましたが、それでも認定されない被爆者がまだ多く存在しているということです。
 未だに原爆症の認定に関する裁判が行なわれているのを奇異に感じていましたが、やっと事情が分かりました。また、戦後すぐの頃の厚生省の人たちは立派な人が多かったのだなあ、と思うのと同じに、R68を採用した当時の担当者が、その採用の理由として「線引きなく認定する時代ではなくなったから」というよく分からない理由を未だに自信満々で語っている様子を見て、何で国の役人はここまで堕落してしまったのだろう、と思いました。RS68を採用した役人の言葉を借りれば、今は染色体異常が見られるかどうかという確固とした線引きが現れたのですから、すぐにこれを採用し、高齢化が進む未認定患者を早急に認定するべきだと思います。
 染色体異常ということは、その人の子供にも当然影響が出ることになります。私の親戚でも被爆者の息子さんと結婚した人がいますが、息子さんはやはり若くして白血病で亡くなってしまいました。最近、軍縮のニュースを全く聞かなくなりましたが、核廃絶に対してももっと真剣に、日本は唯一の被爆国として世界にアピールするべきだと感じました。皆さんはどうお考えでしょうか?