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瀬尾まいこ『ありがとう、さようなら』

2008-08-04 15:50:33 | ノンジャンル
 '07年7月に発刊された瀬尾まいこさんのエッセイ集「ありがとう、さようなら」を読みました。今回は自分が担任した中学校のクラスに関するエッセイが中心となっています。全部で42のエッセイからなっていますが、一つのエッセイが3~4ページであり、活字も大きく行間も大きく、あっと言う間に読める内容になっています。
 このエッセイ集を読んでまず驚いたことは、瀬尾まいこさんが30を過ぎてまだ独身だったこと(ご本人は30才で3人の子供を産んでいる予定だったそうです)、京都の中学校の先生だったこと(小説では関西弁は全然出てこないので、てっきり東京の人だとばかり思っていました)、そして何より驚いたことは担任したクラスの素晴らしさです。
 まるでドラマに出てくるようなクラスで、皆で協力して事に当たり、努力した人がいたら皆でその人を驚かすプレゼントを考えたり、それがエスカレートしてサプライズ部がクラスの中にできてみたり、とにかく純真と言うか、前向きと言うか、純粋と言うか、今の中学校にこんなクラスがあったのか、と何とも言えない気持ちになりました。もちろん思春期の子供たちですから、瀬尾さんが「感じる」「やる」「いく」と言っただけで過剰反応したりもしますが、この辺は可愛いところでしょう。
 そして瀬尾さんもそんな素晴らしいクラスに鼓舞されたのか、様々なことにチャレンジしています。学級通信を出したり(これはチャレンジするというよりも、瀬尾さん御自身の考えでやっておられることと思いますが)、苦手な長距離走に挑戦し駅伝に参加したり、いろんなことに体当たりしておられます。
 他の先生が、このクラスは一生に数度当たるか当たらないかというほどの素晴らしいクラスだと言われるのですが、まさにその通りだと思いました。そしてそうしたクラスの担任を務めていた瀬尾さんも素晴らしいと思いました。
 生徒たちが先生の誕生日にプレゼントとして、黒板に「先生、早く彼氏を作って」とか「今年こそ結婚してください」とか書きまくっているのですが、私も早く瀬尾さんが素晴らしい男性にめぐり逢って、結婚され、お子さんを持たれることを願っています。
 瀬尾さんの先生としてのプライベートな生活が垣間見られる本でした。瀬尾さんの小説のファンなら必読の書です!