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倉田百三『出家とその弟子』

2006-10-19 16:57:39 | ノンジャンル
 山田詠美さんが対談で言及されていた倉田百三さんの「出家とその弟子」を読みました。というか、見ました。
 小説だと思って買ったのですが、中を見てみると、戯曲でした。先ず、念仏から始まって、戯曲の最初が「人間」と「顔おおいせる者」との会話から始まります。「顔おおいせる者」はどうも神らしいのですが、その哲学談義を眺めているうちに、読む気がだんだん失せてきました。
 そして第一幕。とにかく字が小さい。そしてびっしり書いてある。以前時代物は苦手だと書きましたが、まさに時代物の会話が延々と続きます。内容は面白いのかもしれませんが、一ページ目を見た段階で読むのを諦めました。あとはパラパラと最後まで同じ調子で続いて行く戯曲を眺め、この本に関する私の読書体験は終りました。
 親鸞が弟子と会話したりするので、こうした文章に抵抗感がない人は面白く読めると思います。倉田氏は、そのものずばり「親鸞」という作品も残されているので、彼に対する思い入れというのは相当のものだったのでしょう。ちなみに倉田百三氏は、1891年(明治24年)に生まれ、1943年(昭和18年)に52歳の若さで亡くなっています。大正から昭和初期にかけて活躍された方のようです。