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伊藤たかみ『ドライブイン蒲生』

2006-10-01 16:49:48 | ノンジャンル
 有隣堂の店員さんの推薦で、伊藤たかみさんの「ドライブイン蒲生」を読みました。「ドライブイン蒲生」と「無花果カレーライス」と「ジャトーミン」の三つの短編からなっている本です。
 「ドライブイン蒲生」は、ドライブイン蒲生を経営する、酒飲みで暴力的で左腕に刺青をしている父、そんな父のもとで強く育って行く姉、そしてその弟である主人公が主な登場人物です。冒頭では、姉の長女と、次の子を妊娠している姉を乗せて、暴力的な夫に話をつけるべく、主人公が車を運転しているところから始まり、最後には、また姉に暴力をふるう夫に対して、アイスピックで夫の車のタイヤを主人公がパンクさせた後、三人で車で帰って行くところで終わります。その間に、中学生から不良になった姉と私、それに父の様々なエピソードが語られます。
 「無花果カレーライス」は、精神的におかしい母を持った息子の話、「ジャトーミン」は、蛇冬眠とう俳号をもっていたことから、子供達からジャトーミンと呼ばれていた父が死んで、その耳から出てきた白い球体をめぐる話。
 どれも今いちパンチに乏しいというか、こちらの興味を強烈に引くところまでは生きませんでした。そこそこのレベルにはあり、読んでいて退屈することはないのですが、面白くてどんどん読み進むということもありませんでした。
 有隣堂の店員さんの推薦本では、今のところ、西加奈子さんの「さくら」と豊島ミホさんの「檸檬のころ」の2册のみが「当たり」でした。この後には、高村薫さんの「照柿」と垣根涼介さんの「ゆりかごで眠れ」が控えています。どちらもかなりの長篇ですが、どんな本なのか楽しみです。