「さくら」「きいろいゾウ」でおなじみの西加奈子さんのデビュー作「あおい」を読みました。
映画の広報の仕事をしている27歳の主人公さっちゃんは、職場の先輩雪ちゃんから紹介された、嫌いな人がいないという3歳年下のカザマ君と同棲しています。また、主人公は、母親公認で、夜はスナックでアルバイトを週四日しています。スナックのママは、自分の客だけのために店をやっていて、他の女の子目当てで来る客を嫌っています。したがって、店の女の子が同伴したり、営業電話するのを禁止しています。ある日、森さんという常連客がママがまだ店に入っていない時間に入って来て、主人公と話します。それ以降、森さんは主人公と話すのを目的にママのいない時間をねらって店に来るようになり、やがてそれがママにばれ、主人公は開き直って、店を辞めてしまいます。家に帰ってカザマ君が風呂に入っている間に彼の携帯のメールをチェックすると、女の子とのメールのやりとりが出てきますが、主人公はなりゆきを観察することにします。主人公はある日、本屋で働き、辞典で語彙を増やし、将来書く小説に活かそうと考えている、とても太った女の子みいちゃんと知り合いになり、日曜日ごとにみいちゃんのバイトの終った後、彼女と会うようになります。彼女の家は高級マンションで、相当なお金持ちの様子。そんな折り、主人公は妊娠しますが、みいちゃんに相談しても埒があかず、主人公は気紛れに長野のペンションに行きますが、気に入らなくて、夜一人で街へ歩いて降りようとしますが、その時いろんな思いにとらわれ、「こんなに好きになった人、おらん」とカザマ君のことを思います。そして道端に子供の字で書かれた「たちあおい」という花の名前を示す板を見つけて、なぜか主人公は大泣きしてしまいます。そして彼女は生まれてくる子に「葵」という名前をつけることを決めるのでした。帰った私を待っていたのは、カザマ君とみいちゃんでした。3人で病院に生き、エコーでお腹の子供を見ます。そして、その夜、みいちゃんは小説を書き始めるのでした。
まず、天真爛漫なカザマ君の言う言葉に心が洗われる思いがします。それに主人公も生活力のある女性で、以前にレイプされた時、「この人はあたしのことを、ずうっと好きだったんだ」と必死に思うことによって心の傷を克服したりできる人です。みいちゃんと主人公のやりとりもユーモラスなものでした。やはり西加奈子さんの作品は読んでいて、すがすがしい気持ちにしてくれるなあ、と改めて思った次第です。
この本には「サムのこと」という短編もついています。この本をまだ読んでいない方、オススメです。
映画の広報の仕事をしている27歳の主人公さっちゃんは、職場の先輩雪ちゃんから紹介された、嫌いな人がいないという3歳年下のカザマ君と同棲しています。また、主人公は、母親公認で、夜はスナックでアルバイトを週四日しています。スナックのママは、自分の客だけのために店をやっていて、他の女の子目当てで来る客を嫌っています。したがって、店の女の子が同伴したり、営業電話するのを禁止しています。ある日、森さんという常連客がママがまだ店に入っていない時間に入って来て、主人公と話します。それ以降、森さんは主人公と話すのを目的にママのいない時間をねらって店に来るようになり、やがてそれがママにばれ、主人公は開き直って、店を辞めてしまいます。家に帰ってカザマ君が風呂に入っている間に彼の携帯のメールをチェックすると、女の子とのメールのやりとりが出てきますが、主人公はなりゆきを観察することにします。主人公はある日、本屋で働き、辞典で語彙を増やし、将来書く小説に活かそうと考えている、とても太った女の子みいちゃんと知り合いになり、日曜日ごとにみいちゃんのバイトの終った後、彼女と会うようになります。彼女の家は高級マンションで、相当なお金持ちの様子。そんな折り、主人公は妊娠しますが、みいちゃんに相談しても埒があかず、主人公は気紛れに長野のペンションに行きますが、気に入らなくて、夜一人で街へ歩いて降りようとしますが、その時いろんな思いにとらわれ、「こんなに好きになった人、おらん」とカザマ君のことを思います。そして道端に子供の字で書かれた「たちあおい」という花の名前を示す板を見つけて、なぜか主人公は大泣きしてしまいます。そして彼女は生まれてくる子に「葵」という名前をつけることを決めるのでした。帰った私を待っていたのは、カザマ君とみいちゃんでした。3人で病院に生き、エコーでお腹の子供を見ます。そして、その夜、みいちゃんは小説を書き始めるのでした。
まず、天真爛漫なカザマ君の言う言葉に心が洗われる思いがします。それに主人公も生活力のある女性で、以前にレイプされた時、「この人はあたしのことを、ずうっと好きだったんだ」と必死に思うことによって心の傷を克服したりできる人です。みいちゃんと主人公のやりとりもユーモラスなものでした。やはり西加奈子さんの作品は読んでいて、すがすがしい気持ちにしてくれるなあ、と改めて思った次第です。
この本には「サムのこと」という短編もついています。この本をまだ読んでいない方、オススメです。