自転車にまつわる四方山話(よもやまばなし)

自転車に関する気ままなブログです。

Mini Velo ミニベロの話 その7

2012年03月26日 23時19分37秒 | 完成車
シフトレバーの話。

今では、シマノ STIやカンパ エルゴなどのインデックス機構が普通となり、ハンドルから手を離さなくてもブレーキブラケット部かグリップ部分で操作することができるようになりました。
シフトレバーに手を伸ばし、チャラチャラいわせて変速することはありません。

このMini Veloは、まだインデックス機構が世に出る前の時代、Wレバーで操作します。
Wレバーは、700Cや650サイズのロードレーサーやランドナーでは、ダウンチューブに取り付けるのですが、Mini Veloではそうはいきません。
Mini Veloのダウンチューブは低すぎて手が届かないのです。
Mini VeloではWレバーをトップチューブに取り付けたりするケースもあります。しかし、この場合Fディレーラーのワイヤー取り回しが難しく、ひと工夫しなければなりません。
このMini Veloでは、ヘッドチューブに台座を溶接し、ヘッドチューブとダウンチューブを接合するラグ部分にも細いパイプを溶接してその中をインナーワイヤーを通すことで見た目も動きもすっきりさせています。




完成当時です。Wレバーは、サンツアーのVX(ヴィックス)






現在の写真。
このWレバーはカンパなのですが、「肉抜き」と呼ばれる穴あけ加工をしています。
高校時代にハンドドリルとヤスリで加工したためとてもきれいとは言えない、ヘタクソな加工です。





ヘッドの下ラグにパイプが溶接されています。


ヘッドチューブに台座を溶接するとインナーワイヤーは通常よりも長いものが必要です。現在では、手元シフトが一般的となり何の問題もなく手に入りますが、当時は長いものを探すのが結構大変でした。


安価なフレームでしたが、見栄え良く、扱いやすく作られているのは、「Antares」(アンタレス)ブランドでオーダーも受けていたヨシダさんだからでしょうか。
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Mini Velo ミニベロの話 その6

2012年03月24日 22時51分47秒 | 完成車
ハブの話になったのでホイールについて少し。





このMini Veloのスポークは28本。
リムサイズは、20×1 3/8 のウカイ製。
20インチで28穴は、外見的にも本数が少ないといった違和感を感じません。
強度も十分で、これまで振れ取りを行った記憶がありません。
このサイズでは、28穴がベストマッチングだと思います。

その後、スペア用に20インチリムを探したのですが、28穴は見当たらず36穴を入手しました。
36穴が主流なのは、ハブの互換性を優先しているからでしょう。
しかし36穴だとスポークだらけのように見えます。
現在販売されているMini Veloを注意してみているとその違いが良くわかります。

リムの種類も変化しており20×1 3/8WOは非主流。現在は、HEと言われる20×1.75のようなに表示されるサイズが主流です。
これからフレームをオーダーする場合は、タイヤの種類や汎用性を考えるとHEとなるのでしょうが、既にブレーキ台座が溶接されているとWOを大事に使うしかありません。
WOのリムは、細身でカッコ良いものです。
ただタイヤも悩みどころで、良いタイヤが手に入りづらく、ジュニア用と思われる真っ黒なタイヤを使っています。
アメサイドのツーリング車っぽいタイヤが、以前のように入手できれば有難いです。
それだけでも、自転車全体の雰囲気は大きく変わります。



タイヤの減りは、26インチサイズと比べると明らかに早く、それだけにタイヤは課題です。

Mini Veloのハブは、普通サイズのホイールと比べ当然多く回転することになります。
耐久性も考えるとあまり廉価なハブを使うことは避けた方が良いと思います。

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Mini Velo ミニベロの話 その5

2012年03月22日 23時31分53秒 | 完成車
フレームスケルトンについて。



自分でフレームオーダーしたわけではないので大まかな実測データと思ってください。

このスケルトンの特徴は、チェーンステイの短さにあると思います。
20インチでも「走り」を重視するならもう少し長い設定が良いのでしょう。
この項の最初に書いた新田真志氏のデモンターブルの Mini Veloスケルトンでは、400mm。
最近、グラフィック社から発刊された「TOEI」に掲載されている中堀氏のMini Veloも比較的長めの設定に見えます。
分かりやすいところでは、アレックス・モールトン。
いずれもこのMini Velo よりは長めです。
Mini Veloでのツーリングや走りを楽しむのであればそこそこ必要だと思います。

このMini Veloは、重心が高くしかもお尻の真下に後輪シャフトがあるような感じで、フロントのオフセットの少なさと合わせて、「小回りは効くが安定性にやや難」といった感じす。
しかしこれは、否定的な感想ではなく、街乗りでは不自由を感じませんし、小径車の面白いところでもあると思います。

チェーンステイが短いことで、自転車全体の長さ(前輪の先端から後輪の先端まで)も短く、ワゴン車の後部座席にはそのまますっぽり収まりました。車検の時などMini Veloを載せてディーラーに行き、Mini Veloで帰ってくるというのも容易でした。

チェーンステイが短いというのは、別の言い方をすると「短くできた」ということでもあります。
このフレームのリアエンドは、120mm。
今では、全く見かけなくなった寸法です。
最近の130mmエンド用のパーツは、短いチェーンステイではチェーンに負担がかかりすぎるという問題があります。
必然的に400mm程度の長さを取らざるを得ないということです。

ちなみにこのMini Veloでは、5段レギュラーのフリーを使っていますが、普段使用するのは2~3枚のスプロケットだけ。
スプロケットで10枚なんて全く必要ありません。
目的が街乗りですから・・・。
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Mini Velo ミニベロの話 その4

2012年03月21日 20時01分54秒 | 完成車




1980年頃、Mini Veloがちょっとしたブームになりました。
ホイールサイズは、16インチもしくは20インチが主流で、より小径車を楽しみたい人は16インチ。そこそこ走りも楽しみたい人が20インチを選択していたようです。
両国の「いちかわ」さんや中野の「原サイクル」さん、名古屋の「カトー」さんの16インチMini Velo広告を雑誌でよく見かけました。
しかし、どちらもフレームオーダーもしくはショップのセミオーダー車しかなく、また価格も高価でした(私にとっては・・・)。

そんな中、画期的なフレームが発売されたのです!
今では、「Y's Road」と社名を変えてしまいましたが、当時の「ヨシダ」(だったと思います)さんが、「S2」というブランドで廉価なフレームを製作し販売してくれたのです。
ロード、ミキスト、Mini Veloとラインナップがありいずれも3万円前後でした。
このMini Veloもその「S2」です。
ただし、少し残念なのが「3本クロモリ」といわれるトップ、ダウン、シートチューブのみがクロモリでそれ以外はハイテン鋼(水道管と言われる)であること。
価格が価格ですから仕方ありませんが。
それでもこれだけ安価にMini Veloのフレームが手に入るというのは魅力的でした。

フレームは、ヘッドとシートの3点がラグ付きでボトムブラケットはラグレス。
カンティブレーキ台座も直付けされています。
ラグの仕上げは、お世辞にもきれいとは言えませんが、価格と機能を考えれば十分。
手持ちのパーツを中心にアッセンブルしました。

「Dura-Ace」の項で触れましたが、チェーンホイールとハブは初期のDura-Aceです。
Rディレーラーがサイクロン、ステムが日東のパールでサドルがイディアル 80。
ピラーがフジタのベルト、ブレーキがマファックのクリテリウムといったものです。
フレームの価格とパーツのグレードバランスが合っていませんが、手持ちの流用でもありこだわりはありませんでした。
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Mini Velo ミニベロの話 その3

2012年03月20日 18時12分08秒 | 完成車



完成後、しばらく経ってからディレーラーを交換しました。
当初のディレーラーは、サンツアーのサイクロン(初期型)。
交換したのは、シマノのDeore(ディオーレ)初期型です。

現在のDeoreは、MTB用の高グレードモデルですが、当時はランドナー用といった感じの比較的廉価なモデルでした。
WレバーとRディレーラーに仕掛けがあって、レバーを引いて変速した際に「遊び」があり、その「遊び」によってオーバーストロークした分の戻しをしなくても済む機構を組み込んでいたのです。
面白い機構でしたが、何か「モッタリ」した感じでキビキビ変速しなかったため好きなれませんでした。このRディレーラーは、それほど長く使いませんでした。
この機構はやはり不人気でイマイチだったのか、このモデルだけで終わったようです。

しかし、こういったアプローチの繰り返しからSTIの開発につながっていったのかもしれません。


Deoreで良かったのは、Fディレーラーです。
このFディレーラーは、現在でも使っています。





当初組み上げた時に取り付けようとしたのは、サイクロンのFディレーラーでした。
ところが、これが取り付けられなかったのです。
チェンリングは、53×42 なのでキャパシティは十分。
小ぶりなサイクロンでも大丈夫だと思っていたのです。

Mini Veloの特徴は、ボトムブラケットの位置が高い(前輪と後輪を結んだ線より上に位置する)ことです。
そのため通常よりもFディレーラーの羽が大きくなければ、アウタープレートとインナープレートを接続するピンにチェンが引っかかってしまうのです。
チェンリングはWですが、インナーを使うこともなかったので飾りと割り切っていました。

Deoreは、意外と羽が長く組み付けてみるとチェンも当たらず何とか変速しました。
「何とか」というのは、リターンスプリング弱いせいかアウターからインナーに落とす際になかなか落ちず、しばらくチャラチャラ音を立てます。
それでも、動くので今でも使っています。

その後、羽の大きなFディレーラーを探して交換してみたのですが、意外とダメでした。
大きな羽のものは、インナープレートに凹凸を付け変速性能の向上を図っています。
しかし、それが災いしてMini Veloでは、変速ポイントの位置が合わず変速できませんでした。
(その結果、不良在庫が増えてしまいました。)
チェンをインナーからアウターに持ち上げるポイントがかなり後ろ寄りなためです。
Deoreは、インナープレートが平らなのでポイントに制約されません。
Mini Velo向きのディレーラーでした。









後日談として・・・
両国の「いちかわ」さんはMini Veloに力を入れていて、車輪のサイズもフレーム形状もいろいろ出されています。
ある日、お伺いしてお話をしているうちにFディレーラーの話題になりました。
ご主人が一番良かったディレーラーが、Deoreだったと。
理由は、先に書いた理由と同じでした。
考えることは、皆同じなんだと妙に納得しました。
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