えくぼ

ごいっしょにおしゃべりしましょう。

書けない、書きたい

2017-02-21 09:29:03 | 歌う
          書けない、書きたい

 ほとんど毎日ブログを書いているが、これは私の「おしゃべり」かもしれない。『書く力』という本の広告が気になる。池上彰と竹内政明の共著。テレビで親しんでいる池上彰は難しいことを分かりやすく伝える話と文の達人、竹内政明は読売新聞「編集手帳」で活躍。この二人が「わたしたちはこうして文章を磨いた」その技をこの新書で得られるらしい。

 ♦ テーマの決め方、、♦ 書き出しの工夫 ♦ 全体構成から気の利いた言い回し、陳腐な表現の言い換え、思わずうなるオチまで名文を味わううちに、どんどん文章がうまくなる、

 わたしはブログを書くために調べる、そのために時間がかかる。読みかけの本が積み上がり、それでも新刊が欲しくなる。本はエサだ。読まなければ書けない。でも書くことを優先してしまう。自己流で書いている。もし池上彰&竹内政明が私のブログを読まれたら落第かもしれない。「書く」が頻出している私の九首を。


          書けない、書きたい  松井多絵子

    シャーペンを握れど何も書けぬまま夜更けの机の強き圧力

    明日の陽は西より昇ると書き出して書きさしの儘のわれの短歌は

    書かぬまま遺品となるかも引出しの原稿用紙百二十枚
  
    書くならば言葉の身なりを整えて光が窓を去らないうちに

    横書きの手紙がとどき縦書きの返事を送りし後の淋しさ

    外壁にひろがる蔦はいま書きし手紙の草書の乱れのように

    ここに原稿用紙があるから書いている杖のごとペンを動かしながら

    エッセイも言葉を捨てねばならぬらし書かないで書くことなどできぬ

   「もぐら」とは漢字で「土竜」と書くことを知りて土竜に会いたくなりぬ
     
 
  
 「書きたい」歌はまだあり「読む」も多い。見る、聞く、触れる 嗅ぐ、味わう歌も。五感をフルに使わなければ書きにくい。「歩く」も度々詠んでいる。歩けば歌が湧いてくるのは体を使えば脳の活動が盛んになるからか、今日もこれから歩くつもり。とぼとぼ、、。。

           2月21日  松井多絵子

「白」という漢字が怖い

2017-02-20 09:38:20 | 歌う
        「白」という漢字が怖い
 
 朝刊の「怖い漢字の本」の広告を見ただけで寒くなる。夏に発売すればいいのに と思いながらも私の目はこの広告から離れない。「幸」罪人の手足にはめられた手枷「了」は両腕を失くした子供の姿「白」は崇拝された権力者のドクロ、、

 「広辞林」には「白」はすべての色の光線をことごとく反射することによって見える色。と書かれている。私の短歌には「白」が多い。無意識に詠んでいるが、負のイメージの歌が多いような気がする。こんな怖い歌がある。

 ▲ この秋の旅行の予定の記されぬ手帳の空白、白がふるえる

 8年も前、癌で闘病中の妹の最後が秋だと医師から宣告され、私はその春から旅行を控えた。大好きな紅葉の秋、毎年この時期は旅の予定がびっしり書かれるメモは空白。そのメモの頁の白が怖かった、あの夏。
 
     ▲ 白靴がわれに逆らい右でなく左の角を曲がってしまう

     ▲ 話しても返事をしない四百の真っ白い口、原稿用紙の

     ▲ まっすぐな道こそ迷路、まっ白な服こそすぐに汚れてしまう
     
     ▲ 白い壁、白いテーブルその上のメモには何も書かれていない

 これらの白は私にイヤガラセをしている。私を不快に不安にさせる。岩波短歌辞典
に「白は神聖、神秘、無垢、清純、清潔などのよきものを暗示する。マイナスイメージでは、空白・虚無がある。短歌では後者のほうがシンボルカラーとして使われていることが多い」  

 今月号「未来」に出詠したこの歌は若い女への嫉妬かもしれませんね。!(^^)!

   ▲ 白無垢の花嫁あなたはいつまでも白い女でいられるかしら
  
           2月20日  松井多絵子    

私も「日本人失格」か

2017-02-18 09:30:09 | 歌う
          私も「日本人失格」か

 ♠ 正月はハワイこそよけれ春はフランス、夏はカナダへ  松井多絵子

 日本の四季は詩的で好ましいが、気候の変化は体調を崩しやすい。人体にいちばん快適な気温は22度とか、ハワイは1年中この気温らしい。今年の冬の日本の寒さは厳しく、しかも変化が激しい。春の桜のころは花冷え、夏は高温多湿、わたしは秋だけ日本で暮らしたい。紅葉が散ってしまったら暖かい国でくらす、渡り鳥みたいになりたい。

 『日本人失格』という本の広告を見ながら私もその1人か、とおもう。著者の田村淳はタレント。昨年まで週刊プレイボーイ誌で「田村淳の脳内両極論」を連載し、歯に衣着せぬ物言いで常に注目されていたお笑いタレント、検索では彼の私的なことはわからない。広告の顔写真の彼は歯をむき出して笑ってる、目も笑ってる若い男、

 「この国はなぜ僕には息苦しいのか?」、田村淳君、私だって息苦しいですよ。秋だけ過ごしたい国。地球は広いのに日本だけで暮らすなんて、しかも火山帯に寝そべる国で、。私は体に優しい国で過ごしたいけど、田村君は心に優しい国で過ごしたいらしい。

 広告の ▲「この国は年寄りが若い人から金も機会も奪ってる」田村淳の怒り。年寄りの私
も図々しい老人に奪われている。東京の老女たちは皆怒ってる。年金で細々くらしているのに都知事は都税で海外豪遊、その家族たちまで甘い汁を吸って、過去のことは消されてしまうなんて。▲「思考停止」と「依存体質」だから同じことをしたがる。と田村淳は指摘。私は法律が権力者に甘いのが不満。だから善意や正義を押し付ける人に支配されるのではないか。
、 
 今までの都知事こそ「日本人失格」だ。自己愛が強すぎる。私は加齢とともに日本が棲み難くなっている。しかし他国もそれぞれ問題があり移住しかねる。日本を脱失できないでいるが私は日本にいてもいなくてもいい日本人だ。困るのはリーダーになりたがる人、日本が好きでもないのに権力と富を欲しがる「日本人失格」が日本を支配しないように
田村淳君よ大いに吠えてほしい。顔写真の彼はお隣のよく吠える犬に似ている。

  ♦ お隣の犬はときおりわが家の番犬にもなる、老いることなかれ

          2月18日  松井多絵子

中西美帆のオヤジ

2017-02-17 09:35:37 | 歌う
           中西美帆のオヤジ
 
 ♠ 怒りても目は微笑めと言ったのはスタインベック、ではなくオヤジ 松井多絵子

 今朝の朝日 ✿「おやじのせなか」は女優・中西美帆。<口癖は本を読みなさい>

 父はどんな出来事も物語のエピソードみたいにとらえていると感じる時があります。今も一緒に住んでいますが、夜、珈琲を飲みながら「こんな嫌なことがあった」と相談しても「その人、面白いというか可愛いね」って。「いい勉強したね」って。そのうち自然と自分のなかの嫌な思いが浄化され、。ここまで読んでこれでは「オヤジ」でなく「先生」だと思う私。

 美帆が高校卒業前に「女優の道に進みたい」と言った時、父は「まず手に職を」。調理の学校に通ううちに熱も冷めるだろうと思ったようですが、横浜スタジアムでビール売りのアルバイトをしてためたお金で毎日映画を見て、女優への思いを募らせていきました。21歳で芸能事務所に入り、本格的に女優をめざめはじめてからは、両親共にずっと応援してくれています。あなたの父の職業は?
 
 父はIT企業の会社員。映画や本が好きで、小さい頃からよく一緒に映画に行ったり、小学生の時に一緒に見た映画「レオン」同世代の子役の殺し屋の演技に釘付けになりました。これではオヤジは先生的でなく友だち、先輩だ。「共に暮らして楽しいだろうなあ」と思う私。

 「本を読みなさい」「感謝を忘れずに」が口癖。社会に出ていく大変さを感じてからは、反抗期の頃がウソのように、両親への敬意がふつふつとわいてきました。中西美帆はもうじき30歳か。横浜育ち、2009年に「奇跡の人」で初舞台。女優で読書好きは多くエッセーを
書いている人も多い。俳優も作家も表現者なのだ。表現のために読書は欠かせない。娘に「勉強しなさい」ではなく「本を読みなさい」と言い続ける「おやじ」やはり先生っぽい。


   中西美帆さま アナタの「おやじ」のことをドラマにお書きになったら、。
 
              2月17日  松井多絵子

新書大賞2017

2017-02-16 09:41:41 | 歌う
          新書大賞2017
 
 ♠ 車内にて新書をひらいている我を知的な女とおもう人あれ  松井多絵子

 新書は文庫本よりやや大きく173㎜×105mm、政治経済、サイエンス、ビジネスから教養にいたる知識を得ることのできる本だ、大きめのバッグなら収まる。車内の座席でケータイをやっているより新書を読んでいる人の方が知的に見えるような気がする。
 
 書店員や出版社の新書編集部、新聞記者らが1年間に出た新書から「最高の1冊」を選ん だ「新書大賞2017」が発表された。(中央公論新社主催)
 
    ✿大賞 橘玲著『言ってはいけない』(新潮新書)
  
     2位 吉川洋著『人口と日本経済』(中公新書)
 
     3位 菅野完著『日本会議の研究』(扶桑社新書)

     4位 平田オリザ著『下り坂をそろそろと下る』(講談社現代新書)
 
     5位 呉座勇一著『応仁の乱』(中公新書) 
  
 
 ※大賞『言ってはいけない』は何を言ってはいけないのかテーマが謎なのが注目されるか。4位『下り坂をそろそろ下る』はまず老人が気になりそうな本である。
             
 本日☀朝刊に2月らしい淋しい記事、小さな記事が載っていた。
 
 新潮社の「考える人」休刊へ 季刊誌「考える人」を4月4日発売の春号で休刊すると新潮社が発表した。オリジナルのエッセーなどを掲載する同誌のウェブサイト「webでも考える人」は続ける。「シンプルな暮らし、自分の頭で考える力」をコンセプトに2002年創刊。「村上春樹ロングインタビュー」などの特集が話題になったこともあった。

     ♠ 風の日の「考える人」の像に寄り消えてしまいし如月の鳩 

            2月16日 松井多絵子