えくぼ

ごいっしょにおしゃべりしましょう。

未来年間賞 ①

2017-02-01 09:42:19 | 歌う
        未来年間賞 ①嶋稟太郎
 
「未来2月号」に発表の2016年度未来年間賞は、✿嶋稟太郎 ✿安良田梨湖 ✿島なおみ 
昨年11月に選考会があり、1次選考のアンケートの回答、2次選考は選者などの選考会をもとに決定した。12名の推薦をうけ最高点だったのは 嶋稟太郎。「若い都市生活者の日常がより新しい感覚で詠まれ清潔な叙情をもっている」と支持された。中川佐和子選15首のなかから私の好きな7首を抄出する。


         さんいちいちの針   嶋 稟太郎
 
   わが胸に風ぶつかりて傍らの花水木いまなかぞらに浮く

   真横から家つらぬける波のあとかの日の雨は青くひかり来
 
   ネクタイは要らぬ会議と告げられて島つなぐ橋なかばを過ぎぬ

   おたがいの根を絡ませてイヤフォンは鞄の底で春を待つらむ

   ひときれのカツを置きたり日時計のさんいちいちの針動きだす
 
   からだごとみな揺れている高円寺小劇場の明かり短く

   まはだかの木が投げ返す朝の影材木店は森閑として



 ※ 第一首は風が胸にぶつかる、都会ではビル風が急に激しく迫って来る、春の花嵐ははげしい、「さんいちいち」、平仮名表記のほうが3・11より怖い.あの日の後遺症はいつまで続くのか。あの日、近くのコンビニで買い物をしていた私も「からだごとゆれた」

  ツイッターで呟いていられる嶋稟太郎さま。 

 呟きがときどき歌になるのでしょうか。アナタの呟きを聞き逃さないように、いえ、見逃さないようにしますね。楽しみながら。

            2月1日 松井多絵子

 ※ 未来年間賞②安良田梨湖 ③島なおみ は後のブログで書きます。