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穂村弘に❤ご相談

2017-02-12 09:41:21 | 歌う
          穂村弘に❤ご相談

 ♦ 読まぬまま遺品になるかも本棚の本とう本は我を見ている  松井多絵子

 30分前に穂村弘に会った。朝日朝刊読書の頁「悩んで悩むか」今週は穂村弘が回答。

     <本をすぐ投げ出してしまいます> 

 「若い頃から本を買ってもすぐに投げ出し、ミステリー小説ですら読んでも頭に入りません。読書三昧という言葉が好きなのですが、読書を習慣づけるために何かいい方法がありますか。ご体験を含めてお教えください」 (山形市、男性、70歳)

     <穂村弘の回答>

 「私は子供の頃から本が好きだったのですが、或る年齢を超えた頃から、世界の名作と言われる本はほとんど読まないいまま一生を終えるんだなあ、と思うようになりました。略、自分で一冊ずつ読むのではなくて、他人の力を借りるんです。或る作品を愛する人に、それはどんな内容なの教えて貰う、という方法です。例えば『マーブル・ランブル』(長崎訓子著)これは名作文学作品を漫画化した本です。この中に✿夏目漱石「変な音」✿向田邦子「鮒」✿モーパッサン「墓」「髪」などなどが収録されています。漫画なので手に取りやすく、しかも文学的な香気は全く失われていません。気に入った作品があったら原作を、」

 「漫画でなくても『冬の本』(夏葉社)は84人の書き手が見開きごとに1冊ずつ「冬」を感じるお気に入りの本の魅力を語っています」「全ての本は、全体で一つの生き物みたいのところもあるから、触りやすいところから撫でてゆくと仲良くなれると思います」

 穂村弘は歌人なので何度かお会いしている。「ほーむらさんが先日、、などと仲間にまるで私の友だちみたいに話すが「ほーむらさん」は「松井多絵子?漫画家志望のあの女の子?」なんて、。私のことは記憶にないかもしれないですね。それにしても漫画のおかげで苦手な日本史が好きになり、某難関大学に合格した才女もいますから漫画の効用のスゴイこと。

 私は、本は読みたい頁から読みはじめることが多い。まだ私に読まれないままの本たちに毎日睨まれている。「ほーむらさん」の近著『野良猫を尊敬した日』を買ったら本棚の本たちが益々不機嫌になるでしょうね。今日はチョコを買うつもり。私へのギフトの。
 
            2月12日  松井多絵子