えくぼ

ごいっしょにおしゃべりしましょう。

テレビの歌会始(その二)

2017-01-14 09:27:34 | 歌う
       テレビの歌会始(その二)
                        
 昨日に続き今日は入選者10名の作品を、年齢順に。
 
 ☀ 岐阜県  政井繁之さん(81)

   如月の日はかげりつつ吹雪く野に山中和紙の楮をさらす
 
 ☀ 東京都  上田国博さん(81)

   歩みゆく秋日ゆたけき武蔵野に浅黄斑蝶の旅を見送る

 ☀ 長野県  小松美佐子さん(80)
                  
   宇宙より帰る人待つ広野には引力といふ地球のちから

 ☀ 千葉県  斉藤和子さん(71)  

   筆先に小さな春をひそませてふつくら画く里の野山を
 
 ☀ 東京都  平田恭信さん(68)

   手術野をおほふ布地は碧み帯び無菌操作の舞台整ふ

 ☀ 東京都  西出和代さん(64)

   父が十野菜の名前言へるまで医師はカルテを書く手とめたり

 ☀ 宮城県  角田正雄さん(62)

   積み上げし瓦礫の丘に草むして一雨ごとに野に還りゆく
      
 ☀ 新潟県  山本英吏子さん(42)
    
   友の手をとりてマニキュア塗る時に越後平野に降る雪静か

 ☀ 東京都  鴨下彩さん(17)
 
   野原ならまつすぐ走つてゆけるのに満員電車で見つけた背中
 
 ☀ 新潟県 杉本陽香里さん(17)

   夏野菜今しか出せない色がある僕には出せない茄子の紫

 
 入選の10名の皆様おめでとうございます。外は寒いのにこの10首は暖かいですね。小さな春がしだいに大きな春になってゆくよう気分にさせていただきました。宮内庁は来年の歌会始の題を「語」とする募集要領を発表しました。「語」の文字が詠み込まれていればよ「語感」「物語」のような熟語でも「語らふ」のように訓読してもいいそうです。
                                  
 締切は9月30日。宛先は「〶100・8111宮内庁」封筒に「詠進歌」と書き添える。詳細は宮内庁ホームぺーじに掲載しています。来年は宮殿「待つの間」へ。

             111月14日 松井多絵子  
                                         

    

テレビの歌会始(その一)

2017-01-13 21:34:01 | 歌う
        テレビの歌会始(その一)

 1月13日朝10時半からテレビで「歌会始の儀」がはじまった。「空は澄みきっています。東京都心は冬晴れです」というアナウンスとともに画面に皇居がひろがり、わが居間が宮殿「松の間」に、私は珈琲を飲みながら歌会の儀に参加、優雅な50分であった。

 今年の題は「野」、まず入選者10人の歌が、そして皇族方、皇后、最後に天皇の御歌が読師により披講された。(召人、入選者らの歌は明日の朝刊に)。

 ✿ 天皇陛下
   
   邯鄲の鳴く音聞かむと那須の野に集ひし夜をなつかしみ思ふ  

 ✿ 皇后さま
                               
   土筆摘み野蒜を引きてさながらに野にあるごとくここに住み来し

 ✾ 皇太子さま

   岩かげにしたたり落つる山の水大河となりて野を流れゆく
  
 ✾ 皇太子妃雅子さま
  
   那須の野を親子三人で歩みつつ吾子に教ふる秋の花の名
 
 ✾ 秋篠宮さま 

   山腹の野に放たれし野鶏らは新たな暮らしを求め飛び行く

 ✾ 秋篠宮妃紀子さま

   霧の立つ野辺山のあさ高原の野菜畑に人ら勤しむ

 ✾ 秋篠宮家長女眞子さま
 
   野間馬の小さき姿愛らしく蜜柑運びし歴史を思ふ
 
 ✾ 秋篠宮家次女佳子さま

   春の野にしろつめ草を摘みながら友と作りし花の冠

 ✾ 常陸宮妃華子さま

   野を越えて山道のぼり見はるかす那須野ヶ原に霞たなびく
                           


  ※ テレビの歌会始(その二)は明日書きます。 1月13日 松井多絵子「             

11歳の哲学者

2017-01-12 09:31:43 | 歌う
            11歳の哲学者
 
 ♥ 哲学は苦手なわれが朝ごとに読みて諾う「折々のことば」 松井多絵子

 書店の「哲学書」の前で立ち読みしている人を見たことがない。私も素通りしている。昨年8月に出版した✿「見てる、知ってる、考えてる」が累計17万部も売れていることを昨日の☀夕刊で知り驚いた。「子供は子供ではない。小さなからだの哲学者です」という前書きから始まるこの本は、日々の生活で感じた「哲学」を記した92篇の短文で構成されている。

 ♥ イジメられないためにイジメる子と組むを許さぬ父は壮年だった

 著者の中島芭旺くんは小学3年の9月から不登校になった。福岡から転勤した東京の学校で殴る蹴るのイジメに遭ったのが原因だ。登校時間になるとおなかが痛くなり、学校の了解を得て、月1回、学校に報告に行く以外は自宅学習、ポケモンなどのゲームを楽しんだり、ツイッターやフェイスブックを。

 両親が離婚し母の弥生さんに「本を読んであげる」と辞書を片っ端から読み上げた。もの静な子だったが、不登校になってから、イキイキと自分の言葉で表現するようになった。
                                       
 ◉ 僕は不登校は一つの才能だとおもう。不登校するという決断、自分を信頼できる。
 ◉ 羨ましいは尊敬にも妬みにも変わる。尊敬したら、その人が自分の予告編に、、。
 ◉ ママのところに生まれてきたことこそが一番の才能。
 ◉ 自分を大切にしよう。話はそれからだ。
                              
 芭旺くんよ、自分を大切にしてください。とても可愛らしい男の子のアナタがテレビなどで異常に大人びた発言をする。私は見たり聞いたりしてないが、マスコミはアナタを面白がっていると批判する人も多い。我流はたしかに面白い。落書きの絵や言葉のように。でもアナタは狭い世界で生きている。学校の先生たちはイジメのトラブルを避け、アナタからも避けている。全く無責任だ。アナタはいまイジメる人から逃れても、いずれ自分も信頼できなくなる。子供のアナタが指導者なしに自宅学習は無理だ。人と付き合うことなく今後生きてゆけない。

    ♥ 落葉の眠れる木々に電飾し人を集めるこれだってイジメ

               1月12日 松井多絵子

オーバー60歳

2017-01-11 09:28:26 | 歌う
          オーバー60歳

 ♥ 朝かげの漲るバスの中に立ち還暦すぎた顔にはなるな  松井多絵子

 週刊朝日1月20日号の広告 オーバー60歳の超学習法 定年後こそ効果が上る!

 ▲記憶力低下を食い止めるコツ ▲アタマ使えば死亡率は下がる ▲ 語学を体得しやすい
▲現役並みのお金が稼げたり人気者になれたり ▲自分と違う主張に耳を傾けよ 

「人生50年」と言われた私の幼い頃は60歳以上の人は少なかったような気がする。現在の私が「せめて60歳に戻りたい」などと願うとは、。個人差はあるが近頃の60歳は老人ではない。せいぜい中年だ。平均寿命が80半ばのいま60歳をすぎても輝けるのだ。
                                     
  日本は世界一の長寿国、オーバー60歳500人への調査「これまでやればよかったこと」
 <健康について> ①腹八分目、酒を飲みすぎない ②肌の手入れ ③野菜中心の食事 ④よく歩くこと ⑤早寝早起き
 
 ♥ 老人と老人が傷つけあっている居酒屋の隅で食みては飲みて
 
 <人間関係>について ①仕事以外の特技を持つ ②夫婦関係を大切にする ③地域活動に参加する ④人付き合いは無理をしない ⑤子供とのコミニュケーション

 以上はオーバー60歳についてネットで調べたことのほんの1部だが「還暦前に旅行をしたのが良かった」に共感する。絆、絆といわれるが気の合わない人や義理での付き合いは重荷になる。独りの時間を大切にすることがオーバー60歳の日々を豊かにするのではないか。

   ♥ よく晴れた冬空がわれに云わせてる「老いを負いにはするもんですか」

               1月11日 松井多絵子  
 


速報☀朝日歌壇賞

2017-01-09 14:11:05 | 歌う
         速報☀朝日歌壇賞

 第33回☀朝日歌壇賞は 2016年の入選歌から、4人の選者が1首ずつ選んだ。受賞者には賞状と記念品が贈られる。(朝日俳壇賞は次週)
 
  高野公彦 選

 ♦ 被爆者を抱き寄せ背中をさする指オバマ氏の指人間のゆび

  ☀ 鬼形輝雄 (安中市) 受賞のことば
 
 「予期しなかった、あまりに衝撃的・感動的なシーンでした。自然詠だけでなく時事詠も積極的に詠んでいきたいと思います。

<高野評> オバマ氏が広島を訪れ、被爆者をハグした感動的な場面を見事に描いた。

  永田和宏 選 

 ♦「沖縄のすべてのものはそこに住む人々のもの」文太は激す

  ☀ 小松俊文 (秋田市) 受章のことば

 「間欠泉のように湧出する言葉を掬っています。今回は菅原文太さんの気迫に導かれました。辺野古移設は官命強要です。
 
<永田評> 菅原文太が沖縄で力強いスピーチを行ったのは亡くなるひと月前だった。
 
 馬場あき子 選

 ♦ 敷島のフクシマに国勢調査あり人口ゼロとされし町はも

  ☀ 垣野俊一郎 (熊本市) 受賞のことば
                      
 「歌を詠むことで、世の中の一員であることが実感できている気がする。これからも自分らしい言葉で詠み続けていきたい。

<馬場評> 国勢調査で人口ゼロとされた大熊、双葉、富岡、浪江。原発の悲を悼む。

 佐佐木幸綱 選
 
 ♦ 闇深き心というより闇のなき薄き心の所業と思う

  ☀ 金倉かおる (丸亀市)  受賞のことば 
                        
 「英語講師です。残忍な犯罪を引き起こす暴力性は闇というより、むしろ空虚に宿るのではないか。その思いを歌にしました。
                                          {佐佐木評}多発する非情な犯行。犯罪者の心と闇をうたう哲学的な作。 
 

 ※ 受賞した4人のうち3人が男性である。歌を詠んでいるのは女性の方がかなり多いが受賞するのは男性が多いような気がする。朝日歌壇の選者4人のうち男性が3人である。しかし朝日歌壇へ投稿するのは男性が多いのか、時事詠が多いのかも知れない。

 鬼形照雄氏の歌は日本人はハグすることが少ないことを私はあらためておもう。小松俊文氏の詠まれた菅原文太はあのとき肝がんだったとは。垣野さん、私も人口ゼロの町に心が冷えます。金倉かおる氏の歌は男性的ですね。受賞の4人皆様オメデトウございます。

              1月9日 松井多絵子