えくぼ

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コーヒーが冷めないうちに

2017-01-23 09:44:06 | 歌う
        コーヒーが冷めないうちに

♥ みちのくの牧場の牛の乳を入れやさしくなったコーヒーを飲む  松井多絵子

 わたしは毎朝昼食後にコーヒーを飲む。ブラックではなく乳をいれて。暖房24度の部屋では3分で冷めはじめる。厚い磁器のマグカップのコーヒーを半分ほど飲み、残りはレンジで加熱。熱々のコーヒーをゆっくり飲む。冷めたコーヒーは淋しい飲みものになる。

 「コーヒーが冷めないうちに」という小説が2017年の「本屋大賞」にノミネートの新聞広告。全国の書店員さんから絶賛の声、続々。例えば

 ♦ 平安堂長野店 町田佳世子 「~身近な人が、よりいとおしくなりました」。

 ♦ 大垣書店イオンモールKYOTO店 辻香月 「~未来に向かっておずおずと進む背中をそっと押してくれる~」

 ♦ ジュンク堂書店近鉄あべのハルカス店 大江佐知子 「次へ踏み出す一歩を手助けしてくれる、カウンセリングのような小説です」

 ♦ 精文館書店中島新町店 久田かおり 「どこにあるのだろう。フニクリフニクラ。いつか、行けるだろうか」

  ※ このほか5人の書店方々の言葉は今日は割愛させていただく。

 この小説の著者・川口俊和は大阪出身、45歳。脚本家、演出家である。「コーヒーが冷めないうちに」では古い喫茶店「フニクリフニクラ」というお店の奥にある席に坐ると過去に戻ることができるという都市伝説。しかし過去に戻れるのは出されたコーヒーが冷めるまでの間だけ。そして椅子から動くこともできない。過去に戻りたいと願う女性はみな大切な人を亡くしたひと。大切な人に会いたくて過去に戻った彼女たちは、、?

「フニクリフニクラ」とは愉しそうなお店の名前ですね。温かいコーヒーを飲みながらあの世からあの人を傍らに引き寄せる。チョコレートを贈ったら熱い言葉を聞かせてくれるかしら。これは冬にふさわしい小説ですね。コーヒーが冷めるまでの短い幻想。まるで冬花火。

 
「米国ファースト」のトランプ大統領はアメリカンコーヒーを愛飲されていられることだろう。喉が乾いたら水の代わりに冷めたコーヒーを紙コップで、、。
 
   ♥ 紙コップに残るアメリカンコーヒーはすでに冷たい香りも失せた

             1月23日 松井多絵子