えくぼ

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「未来賞のひと」 ①

2017-01-03 08:22:38 | 歌う
        「未来賞のひと」① 
  
   今年の「未来1月号」に例年通り未来賞受賞作が発表されている。

 2016年度未来賞の選考会が9月17日、「未来発行所にて行われた。選考委員は岡井隆、
大島史洋、加藤治郎、佐伯裕子、池田はるみ、大辻隆弘、笹公人、黒瀬珂瀾、田中槐、
応募作71篇を事前に無記名で選考委に送付し、1位から5位まで選出。結果を基に選出。
候補作28編のなかから次の3編が受賞作となった。
♦「ほとり」山階基 ♦「指をぬぐふ」門脇篤史 ♦「ポリゴ二ズム」本条蕙

 山階基 ✿「ほとり」 黒瀬と田中が2位、岡井が5位。合計9点。20首中より5首

第1首  それっきり点けっぱなしの邦画から雷鳴そして雨が降り出す
第3首  旗みたい 立っているだけなのに風こんなに受けている海の駅
第16首 忘れつつ引き返しつつ拭いていく廊下の先に新年はある
第17首 ぼくを置く台をこころに持っていた母よそこから降りてもいいか
第20首 来た道をほとんど勘でさかのぼるあいだに減っていく窓あかり  

 黒瀬「若い人が家を出立して新しい生活を目指す直前の微妙な時間のテーマが巧み」。
 田中「文体が面白い」「ちょっと謎のある歌が好き」
 岡井「この人もかなり才気のある人だね」
 ※ 私は第3首が大好き。第16首 第20首もこころに響いてくる。

 山階基は未来誌の黒瀬珂瀾「陸から海へ」欄に所属している。2014年角川短歌賞佳作 15年現代短歌社賞佳作 短歌研究新人賞次席 平成3年生まれ。
 
      受賞のことば  山階 基
  
 かかってきた電話の音でうたた寝から覚めたので、しばらく声も頭もぼんやりしたまま受賞の報せを受けていました。後ほど今後のことについてメールでお伝えします。と言われて電話は終わり、眠りそうになりながら待っていたらメールが届いて、ようやく目が覚めたころ黒瀬さんからもお電話をいただきました。この度は本当にありがとうございました。

    山階基さま  この度は本当にオメデトウございました。
            
               1月2日 松井多絵子