えくぼ

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「未来賞のひと」 ③

2017-01-05 09:29:02 | 歌う
        「未来賞のひと」③
 
 今日は未来賞3人のなかの本条恵についてお知らせしたい。受賞作『ポリゴ二ズム』は笹公人が1位、佐伯裕子が2位、大辻隆弘が3位。合計12点である。

       「ポリゴ二ズム」より5首抄出

 第4首  破かれた端から昨日になってゆく日めくり暦の裏のざらつき
 第5首  板チョコも折れない夏の中にいて流星雨とは縁なく過ごす
 第6首  ゴールデン進出をした番組のように色褪せてゆく恋人
 第10首  美しい逸話いくつも流れ来て訃報は真実味を帯びてゆく
 第20首  共鳴で割れるガラスもあることを知って僕らは指を解いた
    

 笹「一見軽く見えますが、よく読むとストイックな作りです。読者はよく考えてはじめて理解できるタイプの歌が多い。ダメ押しかつ詩的な比喩が利いています。

 佐伯「最初は軽いなと思って読みました。「ポリゴ二ズム」って多角経営主義、角々主義なのかしら、と思って読みました。自分流に」。

 大辻「なかなか達者で上手。弱点はダメ押しが多すぎる。前半ええ歌があって、後半ちょっと力がない。でもなかなかテクニックはあるなと感心した一連です」。

※私が好きなのは第4首、昨日が今日に変わった実感が鮮やかに歌われている。第10首、この世を去ればすぐに美化されるテレビ画面の故人「なるほど」ですね。
                  
 本田恵さんは「未来」の笹公人欄「抒情の奇妙な冒険」に所属している。検索するとツイッターで活躍していられる。ツィート10378,いいね5371 つぶやきの達人は人の心を捉える歌を詠めるのだ。子供は6歳&2歳、若いママは子供たちに絵本を読み聞かせているであろう。
                    
    ✿受賞のことば   本条恵  

 お届けの前にご連絡いたしますね、と家電屋さんから言われていたので、夕方、洗濯機の配達の件だと思い込んで電話をとった。「未来賞おめでとうございます!」洗濯機が?インスパイヤーザネクスト?否、洗濯機は目の付け所が鋭い会社製だった気がする。未来?未来になにをもっていく?それはこどもちゃれんじだ、全然違う。未来賞を頂いたのはやはり洗濯機の方だった、ということにならないよう精進したい。

  本条恵さま 貴女と同じ洗濯機を使いたいです。古い洗濯機のおかげで私は老人。
                                      
             1月5日  松井多絵子