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役割を終えた?年賀状

2017-01-18 13:56:45 | 歌う
           役割を終えた?年賀状

 ♦ 1年に1枚のハガキのひと言で隣の町の友と繋がる  松井多絵子
 
 新聞の政治・経済欄はほとんど読まないが、ときどき、朝日「経済気象台」を読む。今日は「役割を終えた?年賀状」について。「毎年多くの年賀状をもらうが、最近は年賀状を出すのと同じ感覚で喪中はがきが送られてくるようになり、今年は年賀状の1割にあたる枚数の喪中ハガキが届いた」。私も同様である。年賀状はあの世に届くはずのない淋しさ。

「喪に服すのはごく近い親族が亡くなった場合に限るのが通例だ。別居している祖父母まで喪中の範囲と考え、安易に送付する傾向には違和感を覚える」に共感する。年賀はがきの発行も、ここ8年間は毎年約1億枚ペースで減少しているらしい。

 私の仲間には美文字老女が多い。容色は衰えても毛筆は冴えている彼女たちが、いつのまにか印刷した年賀状になり、私は相変わらず拙い手書きである。なにしろ私の親しい人は年々あの世に移転するから印刷するほどの枚数ではない。

 ♦ ひさびさに届きし友の賀状には「今年もどうぞよろしく」とあり

 音沙汰のない人からの5年ぶりの賀状に「今年もよろしく」のひとことはむしろ寂しい。しかも活字。今年6月からハガキが値上げされ62円になる。私はハガキはあまり書かずケータイのメールの遣り取りが多い。すでにハガキ離れしている。美文字の母は小学生の私を書道教室に通わせたが私はじきにやめてしまった。短歌に関わるようになってから後悔したが、美文字老女たちはパソコンをやらない。もし私が美文字を書けたらパソコンに縁がなかったであろう。母はパソコンを全く知らないままに世を去ったのである。

                    1月18日 松井多絵子