まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

チャリチャリチャリ

2009-02-13 17:50:57 | ドライブ人生論
先に「法の精神」について書きましたが、
それに関連してもうひとつ。

よく歩道を歩いていると、チリリンチリリンとベルを鳴らしっぱなしにして、
歩行者を排除しながら走っていく自転車がいますね。
私はあれを「チャリチャリチャリ」(=チャリチャリ言わせて走り去るチャリ)と呼んでいますが、
ホントうるさいったらありゃしないです。
ああいうことするのは意外と年輩の人に多いように思います。
(若者はベルすら鳴らさずに歩行者の脇を猛スピードですり抜けていく
うちの母なんかも70超えてますが、
「もうずっと鳴らしっぱなしで走ってるわよ。みんなホント邪魔なんだから」
と得意げに語ったりしています。

おいおい、倫理学者の母のくせにいい加減にしろよ、と。
あれはまさに、交通弱者を保護するという道路交通法の精神に反する行為ではないですか。
しかも、たんに法の精神に反するというだけでなく、
ちゃんと法の文字面の中にも規定が書いてあって、完全なる違法行為となるのです。
関係するのは3つの条文です。

1.道交法第17条の第1項により、自転車は車道を走るように定められている。
  (違反した場合は「三月以下の懲役又は五万円以下の罰金」)

2.道交法第63条の4の第2項により、歩道を走ることが特別に認められる場合にも、
  歩行者がいれば徐行しなければならないし、
  危ないときは自転車が一時停止しなければならないと定められている。
  (違反した場合は「二万円以下の罰金又は科料」)

3.道交法第54条の第2項により、危険回避のためやむをえない場合を除いて、
  警音器をむやみに鳴らしてはならないと定められている。
  (違反した場合は「二万円以下の罰金又は科料」)

というわけでお母さん、あれは三重の罪に問われる可能性のある極悪行為なんですよ。
まあ実際には、1と2の罰則が同時に科されることはないでしょう。
というか、今の日本の道路事情じゃ1ってムリがあるように思います。
あれだけ狭くて路側帯もほとんどなく、
すぐ脇を自動車がビュンビュン走っている車道を走らなきゃいけないというのは、
それはそれで、自動車に対して相対的に交通弱者である自転車にとっては、
けっこう命がけな試練のように思います。
したがって道交法の精神に基づくならば、
自転車はゼッタイに車道を走れ、とまでは言えない気もするのです。
だから自転車が歩道を走ることまでは大目に見てやってもいいかもしれません。
しかしその代わりに、2と3はゼッタイに守れよ、と。

というわけで日本中の自転車ドライバーの皆さん、
チャリチャリ言わせながら走るのは金輪際やめましょう。
なにはともあれ歩行者(=交通弱者)を守る。
それって素晴らしいルールじゃないですか。
あなたたちは、歩行者に道をふさがれているんじゃない。
寛大な歩行者に、歩道を走ることを特別に許してもらっているのです。
自らの置かれた立場をよくわきまえて、謙虚に振る舞ってほしいものです。

前回の話も今回の話も実人生に転用可能な話なんですが、
話が長くなってしまったので今回も省略させていただきます。
皆さん、思いついたことがあったらコメント欄に書き込んでみてください。
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