まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

芸術文化クラス卒業制作展覧会

2010-02-19 17:32:13 | 人間文化論
今日は福島県文化センターで開催されている 「卒業制作展覧会」 に行ってきました。
写真の文字は見えにくいと思うので、ここに記しておきましょう。

福島大学人間発達文化学類 スポーツ・芸術創造専攻 芸術文化クラス (美術)
卒 業 制 作 展 覧 会
2010.2.17.(wed) ~ 21.(sun)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
福島県文化センター3F 入場無料

私は福島大学で 「文化創造論」 という授業を担当しています。
人間発達文化学類のスポーツ・芸術創造専攻の必修科目で、
2年生のときに全員が取ることになっています。
専攻名称から明らかなように、この専攻にはスポーツと音楽と美術の学生がいるのですが、
本来、文化探究専攻に所属していて、社会科教員をめざしている人たちを中心に教えている私が、
なぜか、よその専攻の必修科目をたった1人で健気に担当しているわけです。
スポーツや音楽や美術の学生に何を教えたらいいのか悩みましたが、
昨年卒業した1期生らとともに手探りしながら、授業を構築してきました。
私のほうからは、文化とは何か、スポーツとは何か、芸術とは何か、みたいな講義を3回だけして、
あとはほとんど学生たちに自分で課題をこなしてもらう感じです。
まずは、自分の専門 (サッカーとかピアノとか彫刻などなど) の魅力を
みんなに伝えてもらうプレゼンテーション。
それらを全部見た上で、スポーツと音楽と美術の共通点を探ってもらうグループ・ディスカッション。
そして、最後は混成チームを作って、
3つが融合した新しい文化を創造してもらうプレゼンテーション。
こうした活動を通して、みんなが互いの文化に触れ、互いに相手のことを尊敬・尊重しあい、
必要に応じてコラボレーションできるようになってほしい、
というのが授業者である私の願いです。
授業後の感想では、視野が広がったとか、他の文化への興味関心が増した、
この3つはまったく無関係だと思っていたけれど実は共通しているところがあるとわかった、
などといった声が多く聞かれ、そこそこに成功しているのではないかと自負しています。

さて、2年前にその授業を取った美術の学生さん (2期生) から招待を受けて、
今や卒業間近の4年生たちの卒業制作を見に行ってきたわけです。
実を言うとそんなに期待していたわけではなかったんです。
ぼくの授業を取ってくれたみんなだし、
せっかく招待してくれたんだから、いちおう義理は果たしておこうかな、ぐらいな。
ところが、むちゃくちゃ面白かったですねぇ。
本物の美術館よりも全然飽きさせないというか。
まあ、工芸、デザイン、絵画、彫塑と、
いろいろな専門の学生たちがいるからというのもあるかもしれませんが、
それ以上に1人1人の個性が際立っていて、
あの子たちはこんなパワーの持ち主だったんだ、
あるいは、その後の2年でこんなに伸びていたんだ、
ということをまざまざと感じさせられました。
こんなに記憶力の悪い私なのに、何を見たか今でも全部思い出せそうです。

・クローゼットやソファなど洋風家具
・文机や衝立など伝統的和風家具
・建物からお買い上げ商品用紙袋まで、おもちゃ屋さんの総合デザイン計画
・とってもキレイだけどとっても悲しい絵本
・14分に及ぶ大作アニメーション
・文学を題材に取った版画
・文字を取り込んだ抽象画
・生命倫理の授業で使えそうな深遠なマンガ 「dream body」
・自分の心象風景を描き出した大作絵画
・生命の神秘を描いた絵画 (というか精子と卵子)
・花を題材にした洋風とも和風とも言い難い絵画
・肉体を具象的または抽象的に表した彫刻

これは面白いです
とにかくみんな強烈な個性の持ち主です。
ひとりひとりの世界観がビンビン伝わってきます。
大学4年生でもうホントに一人前の表現者なんですね。
展覧会の趣旨として、本人たちの制作ノートとか、卒業研究ノートが置いてあるのも、
素人の私には理解の助けになって、とてもよかったです。
「文化創造論」 のテーマじゃありませんが、
ふだん美術に関心のない方にこそぜひ見ていただきたいです。
今週の日曜日までやっています。
行く場合はある程度時間の余裕を見て行ったほうがいいでしょう。
私は全部見るのに2時間かかってしまいましたが、
もうちょっと余裕があればもっとゆっくり見たかったくらいです。
ぜひうちの学生たちが創造した文化に触れていただきたいと思います。
なお、3月5日には音楽の学生たちの卒業コンサートもあります。
こちらも楽しみです。