新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

日本代表チームが韓国代表に快勝

2021-03-26 08:46:50 | コラム
韓国代表を3対0と完封勝利:

サッカーの親善試合の結果である。本当に久しぶりにサッカーの国際試合を見た。先ず、寧ろ驚かされたのが「この時期に韓国から代表テイームを入国させ、我が方ではヨーロッパ組を呼び寄せていた事」だった。テレビでも新聞でもどのように検疫をして何処かに隔離したかの報道はなかった気がしたが、こちらの見落としか?考えすぎかも知れない事を言えば「オリンピックの予行演習の一環か」となる。

そんな事よりも、我が代表が宿敵韓国を破った事は、この何もかも重苦し時期にあって、陳腐な言い方をお許し願えば「一服の清涼剤だった」とでもなるだろう。近頃はJリーグの試合の迫力不足もあってサッカーに興味を失っているなどと言ってきたが、昨夜の試合振りは韓国のお株を奪う寄せの速さで相手の攻撃の目を潰し、反則を取られるのを怖れない果敢な当たり方の守備で、乱暴なサッカーの本家である韓国を圧倒したのには恐れ入っていた。

良かったのはそれだけではなかった。冷静なる評論家が何時も貶している「流れの中で点が取れない」というまだるっこさを見事に解消して、前半の2点は綺麗にパスが回って鋭いシュートで決めていたのだった。何らの予備知識もなくJリーグから何処の誰が選ばれているのも知らなかった。だが、一寸見ない間に彼らがこれほど逞しくなって韓国勢を圧倒するとは本当に素晴らしい事だと感心していた。以前は歴然としていた欧州組と国内組との技術的な差ななどは、ほとんど観られなかった。森保監督の指導力がよほど優れているのかと疑った。

不思議に思えてならなかった点を挙げてみよう。それは、未だ嘗て見た事もないような韓国代表選手たちの消極性だった。彼らの良い意味でも悪い意味でも最大の特徴である「日本が相手だと持てる力以上のものを出してきて、レッドカードなどを怖れていないとしか思えない闘志を見せて、守るも攻めるも激しく当たってくるサッカーがなりを潜めていた」のだった。しかも、それだけに終わらず、我が国の得意技だった後方への逃げのパスを連発する弱気まで見せていた。私は監督がポルトガル人だったかので、スタイルを変える途中かなと受け止めていた。

だが、今朝になって漸く解ったのだが、韓国代表には主力の選手たちが招集されていなかったのか、あるいは不参加だったようなのだ。そう知れば、もしかして未だにウイルスの感染拡大を抑え切れておらず、ワクチンの接種も遅れている我が国には危険を冒さずに、敢えて一軍半の選手たちを送り込んで来たのかななどと、折角の快勝に水を差すような事まで考えてしまった。それかあらぬか、何時も韓国代表を相手にしたサッカーで感じる興奮がまるでなかった。

見終わって考えたのだが、つい先日論じた事で「諸外国の団体競技のテイームが強いのは、強い個性を持った強靱に鍛え上げられた体力と体幹の上に、高度な個人技を植え付けた者たちの集団である事」によるものであり、我が国の「一丸となって事に当たる、個性よりもチームワークを最重要視し、フェアープレーに徹する我が国の鍛え方で育ってきた集団」よりも優っているのだという辺りを、急拵えで集めた、それまでにお互いに見た事もなかった者たちを集めても、個人の力を集団で発揮できる次元にまで彼ら選手たちが、国の内外で強化されていたのではと思わせられた。

悪い言い方になるだろうが、森保監督の指導力の問題ではなく、この試合の為に集められた選手たちの技術力と体力が向上していた事のお陰だろうと思うのだ。現に、これまでの私が繰り返し指摘して嘆いてきた「当たり負け」と「当たられ負け」がほとんど見られなかった事は、本当に良かったと思う。これらの良さが一夜だけの事に終わらないように希望したい。矢張り、一言だけ苦言を呈しておけば「シュートをより正確且つ強くして欲しい点」だ。南野君にそれらの点が備わっていたら、後少なくとも3点は取れていただろう。