新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

W社ジャパンの長老と語り合った

2021-03-13 13:59:04 | コラム
「新型コロナウイルスが制圧されたらまた会いましょう」と合意した:

暫く振りに長老(確か93歳になられたはず)と電話でジックリと語り合った。そして、締めくくりに「菅内閣が首尾良くCOVID-19を早期に制圧してくれたら、是非また何処かで再会して語り合いましょう」と合意したのだった。思い起こせば、彼との付き合いが始まったのは1972年8月にM社に転進して以来だから、既に49年の長きにも達していたのだった。

彼は「今でも電話等で語り合っている業界の人がいるか」と尋ねられたが、最早電話ででもお互いの生存を確認し合っている人は五指にも満たないようになってしまった。つい先日も新聞に訃報が載ったJ社の元専務・K氏(享年85歳)などは、共通の長い付き合いがあった数少なくなった同じ業界人なのだが、事ほど左様に多くの友人・知己たちに先立たれてしまったのだ。

長老の嘆きは「往年はあれほどその力を誇っていた英語の衰えが激しくなったのが残念なのだ。そこで、何とか劣化を防ごうとTIMEを定期購読して一所懸命に呼んでいるが、単語を忘れてしまった為にちっとも読み進めない。そこで辞書を引いても、引いた途端に意味を忘れてしまうのだ」ということだった。私からは「その点では5歳も若い私でも同じようなことで、偶にEmailで交信してる昔の上司、同僚、知人に送信する度に、我ながら余りに劣化して貧弱になった英語の表現に涙が出る思いだ」と申し述べたのだった。


この点は、偉そうなことを言っているのではなくて、年齢には勝てないとの嘆きなのだ。特に聞き取り能力の衰えなどは無残なもので、テレビの画面の下の方に出てくる字幕を見て「なるほど、そういうことを言っていたのかと初めて解るほどです」と、正直に申告した。いや、お互いに嘆きはそれだけではなかった「人の顔と名前が直ぐには出てこないし、今何をしようと思いついた途端に何がしたかったかをに忘れてしまう。これも高齢化のせいだろう」と慰め合ったのだった。

彼が言われるには「この都内のリーバウンドとでも言われかねない状態であれば、何処かで再会して語り合うのは難しいことだろうから、せめて気が付いた時に電話ででも生存を確認し合おうではないか」だったので、異議は唱えなかった。実は、昭和31年から付き合いがある、嘗ては我が国最大級の紙販売店の専務だった同じ昭和8年生まれのA氏は柿生に住んでおられるが、現状では何処かで落ち合う訳には行くまいから、せめて電話ででも昔話をしようと言って来られていた。彼も私も流通業界では数少ない生存者になってしまっている。

こんな事を書いていると如何にも湿っぽい会話のようだが、往年は落語の芸名まで持っておられた長老の語り口は朗らかそのもので、自らの老化現象をも笑い話にしてしまうほどだった。それこそ、往年は我が国の紙パルプの輸出入業界随一と言われた通訳の巧みさは一向に衰えを見せていなかったので、大したものだと感心したのだった。お互いに安全第一で過ごし、一刻も早くワクチン接種の順番が回ってくることを祈っていようとなった。即ち、矢張り、再会が楽しみであるから、菅首相は我々の再会の望を変えてくれる事に期待したいのだ。小池さんには何も期待できないがね。