新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

4月30日 その2 いい加減にしよう「山口メンバー」の報道

2018-04-30 14:19:31 | コラム
山口メンバーの報道はもう結構:

私はそもそもジャニーズ事務所と言うかそこに所属するガキども(でなければそのなれの果て)の品の無さが大嫌いで、可能な限り彼らが出てくる番組はチャンネルを変えるか、テレビをシャットダウンするようにしている。

今回の「山口メンバー」とやらが引き起こした「セクシャルハラスメント」としか思えない事件の過剰な報道にはウンザリを通り越している。私に言わせれば「将にどうでも良いこと」であり、この世にはあんなことに勝る優先して報道されるべき案件が幾らでもあると思う。

テレビ局がジャニーズ事務所なる存在には非常に(異常に?)気を遣わねばならないようなことは、私でも解っている。だからと言って朝から晩まで「メンバー」なる奇怪な敬称(なのだろう)を付けても取り上げることかと言いたい。一説によれば「示談が成立しているので呼び捨ても容疑者呼ばわりも出来ない」のだとか。ご苦労なことだ。

マスメディアには出来ないことだろうが、野党の不条理極まりない審議拒否は非難して然るべきだし、未だにモリだのカケに拘泥する姿勢も批判すべきだし、テレ朝の某女性記者の行動についても福田淳一前財務省事務次官と同様に採り上げて論じてもおかしくはないと思うのだ。彼らは確かに文在寅大統領と金正恩委員長の会談については連日追加とでも言うべき報じ方をしているが、それとても「山口メンバー」の方が優先度が高いような印象すら受ける。

それにつけても思うことは、事DPRK問題とアメリカとトランプ大統領関連の報道なり評論となると、何処の局でも毎度お馴染みの専門家の方々が登場するのでは、折角の「コメント」が何時聞いても同じような新鮮味に乏しいことばかりで味気ないこと夥しい。BSフジのPrime Newsが態勢が一新されてしまったので、私は最早興味が半減したし、何処の局でも「流石」と思わせてくれるような解説も意見も聞けなくなったような気がするのは誤りか。

尤も、彼らはこういう難しいことよりも「山口メンバー」に関心を持つ大多数の視聴者を相手にしているのだと思えば、納得がいくのが残念であり悲しくもあるのだ。


トランプ大統領対金正恩委員長の会談

2018-04-30 13:48:46 | コラム
CVIDなるか:

あの文在寅大統領と金正恩委員長の会談以来、多くの新聞とテレビであの会談の成果とそれが今後如何なる形で具体化されるかについて、数多くの専門家が意見を述べてこられた。そのお陰でこの私にも何が問題点となるかは少しは見えてきた。大方の観測は「あの文在寅大統領と金正恩委員長の会談は、来たるべきトランプ大統領と金正恩委員長の会談への布石であろう」という点に絞られているように思えた。即ち、トランプ大統領が自ら語られたように「成り行き次第では席を蹴って立ち去る」ようなのだ。

私の見方はトランプ大統領はアメリカが過去に繰り返してDPRKに約束を反故にされてきた経験に鑑みて、決して金正恩委員長を相手にして いとも容易く“CVID”(=完全なる検証可能にして変更不能な核兵器廃棄)が達成できるとは予期しておられないのだろうと思って見ている。だからこそ「席を蹴って立ち去る」との、言わば条件の如き事を事前に表明されて圧力をかけたのだろうと思っている。

私は言わばトランプ大統領支持派ではないと言うか、個人的な好みとして評価しないようなことをずっと言い続けてきた。だが、トランプ大統領が就任以来の業績まで否定も批判もしてこなかった。そして、今日までその選挙公約を万難を排除しても実行されようとする姿勢の一環として「DPRKの非核化(韓国に駐留する米軍の非核化にあらず)」を達成しようとして、積極的に金正恩委員長との首脳会談にまで踏み切られた積極果敢な政策には敬意を表するものである。

それは「今日までに歴代の米国大統領がDPRKに裏切られてきた約束を今度こそ実現させる」との強い意志の表明であり、言うのは簡単であっても実現には多くの困難を伴うであろう事に勇敢にも踏み切られた実行力と勇気は、少なくともオバマ大統領の8年間の任期中には先ず見せられたことはなかったのだった。トランプ大統領の日頃の言動というかTwitterを使って表明される政策なり意志の表明なりには批判を招いたものが多かった。

だが、このように金正恩委員長との会談にまで積極的且つ大胆に踏み込んだ実行力というか姿勢は、未だ嘗て歴代のアメリカ大統領には見られなかったものだったと思う。

私はポンペイオCIA長官(当時)までを平壌にまで密かに派遣して首脳会談の下準備まで持ち込んでおられた作戦には「なるほど」と「流石CIA」と大いなる「サプライズ」を以て受け止めたのだった。今後は事態をここまで持ってこられた以上「席を蹴って立ち去る」ような事態を極力回避されるように、何も一度だけの会談に終わることなく、 “CVID”を世界の為にも達成して頂きたいものと期待するのではなく「願っている次第」である。

専門家の中には「この度の板門店宣言も過去に何度も表明された合意事項をなぞっただけである」とその内容の実現に懸念を表明した例もあった。実は、正直なところ私が最も懸念しているのはこの点なのである。それはこれまでのDPRKの手法というか手口から見れば。私には金正恩なる者は一筋縄ではいかない知恵者(悪知恵も含めて)であり、側近にもかなり有能な参謀役がいるのではないかと思わせてくれていたから懸念するのだ。

即ち、来たるべき(トランプ大統領が3~4週間中にと表明された)会談の後ではと言うか結果次第では、何れはトランプ大統領と金正恩委員長との知恵比べというか、押したり引いたりと世界が固唾をのむような駆け引きの段階に入っていくのではないかと、一人密かに予測しているのだ。私はトランプ大統領は相当以上の確信を持って押し切れると想定されて事に臨むのではと思っているのだが、如何なものだろう。



トランプ大統領の貿易赤字対策

2018-04-29 08:31:32 | コラム
我が国のせいにするのは間違いでは:

私は「我が国のトランプ大統領に関するマスコミ報道はアメリカのアンチ・トランプのテレビと新聞の fake news をそのまま垂れ流しているから悪評ばかりだ」という一部の有識者の意見をほぼ信じている。如何に個人的にトランプ大統領という人物が好きではない私でも、その偏向振りは奇怪であるというかフェアーではない思っている。

しかしながら、これまでに何度か批判してきたようにトランプ大統領は事国際的な貿易面には疎いのではないかと本気で疑っている。その典型的な例が我が国や中国に対してそこに長年生じている貿易赤字が怪しからん、即ちアメリカに売り込んでいる貿易相手国の責任であるが如き事を言われ、安全保障の為に鉄鋼とアルミの輸入に関税をかけるといいだしたのがその揺るがぬ証拠であると診てきた。だが、専門家ではない私にはそれ以上の解明が出来なかった。

そこに、宮崎哲弥氏が週刊文春に連載しているコラム「時々砲弾」でその点をUKの Financial Times(FT)の記事を引用して解りやすく説明していたので理解できたので、一寸長くはなるがご参考までに引用してみようと思い立った。

>引用開始
「トランプ大統領は、アメリカが全ての国に対して持つ「マクロの収支」における赤字と特定の一国に対して持つ「二国間収支」における赤字の双方をアメリカの損失と見做し、その責を貿易相手国に帰している。この貿易収支、あるいは貿易収支を含む経常収支についての認識は完全に間違っている。そもそも貿易赤字は氏の国の損失を意味するものではないし、貿易黒字はその国の得分を意味しない。かかる誤見を「重商主義の誤謬」と呼ぶ。

では経常収支(>貿易収支)の赤字の原因とは何か。FTは明解に答えている。「経常収支の赤字は主に関税や貿易規制ではなく、財政政策や人口動態、為替レートをふくめ主としてマクロ経済のさまざまな要因によって影響される。そうでなければ、赤字が意味するのは、インドのような国は慢性的な貿易赤字を抱えているから開かれた貿易体制を敷いているに違いない、ということになる。インドに輸出しようとした人なら誰でも、明らかにそうではないと証言するだろう。

経常収支の黒字、赤字は、各国の経済主体が最も有利と判断して選択した行動(=貯蓄投資バランス)の結果としてある。平たくいえば国内の需要が縮小し、国民の多くが貯蓄をする場合、経常収支は黒字に傾くことがあるし、国内消費が活発で、国民の多くが投資を行うような場合、経常収支は赤字となる。経常収支はこうした国内の経済活動を反映するものなのだ。

従って輸入産品に思い関税を課したり、貿易相手国に「市場開放」を強要したりしてしても、アメリカの貿易赤字は決して縮小することはない。仮に赤字減らしという目的が正しいとしても、この種の貿易政策は先ず役に立たない。トランプ大統領の国内向けの目玉政策である大幅な減税や巨額の公共投資は、米国の国内消費、投資を活発化させる。その結果として貿易赤字ますます膨れ上がるだろう」
<引用終わる

なるほどと思った。私は1970年代にM社に転出した頃に「アメリカは我が国に対して貿易では赤字になっているが、アメリカの産業界はこれに失望するべきではない。それは我が国の多くの製造業界の企業では米国の大手メーカーが持つ特許やライセンスを受けているので、それに対する出費というかアメリカ側が受け取っている毎年のローヤルテイーは決して少額ではない。こういう状況を考えればアメリカは必ずしも赤字を嘆く必要ないのでは」と聞かされていた。

この宮崎氏のFTの記事を引用して解説はより具体的な説得力があったと思って読んだ次第だ。いや、寧ろトランプ大統領とその側近にはあらためてFTをお読み願いたいとすら考えたのだった。いや、失礼を顧みずにもっと率直にいえば、この辺りにトランプ大統領の貿易の実務を経験されてこなかった弱点があるのではないかと思うのだ。


南北首脳会談に思う

2018-04-28 15:39:31 | コラム
ROKとDPRKの首脳会談に思う:

結果がどう出るかは概ね予測できたので、と言うか多くの所謂「専門家」の方々があちこちで色々と予測を語っておられたので、この私でさえ読むことが出来ただけのことだった。午後6時過ぎだったか、両首脳の共同記者会見(なのかどうか彼らを取りまく人数が画面では非常に少なく見えた)では金正恩は非核化に触れなかったし、如何にも「6月終わりまでには開催されるだろうと言われるトランプ大統領との会談まで引っ張っておくだろう」との専門家の予測通りかと思った。

先日、ジムのサロンでチラと拾い読みした NY Times では「金正恩が撒いた餌に韓国側が飛びついた」との見出しがあって、余り好意的な記事ではなく、DPRKが自ら非核化を認めるまでには至るまいとあった。あの新聞ならば、トランプ大統領が金正恩との会談の開催を真剣に見込んでおられる以上、それくらいは言うだろうと思っていた。

しかし、文在寅大統領にとっては恐らく一生一世の大仕事だっただろうから、その凝りに凝った演出と言うか筋書きは誠に絢爛豪華なもので、大いに印象的だった。専門家の方々のご意見では多くの狙いが籠められていたようだったが、「南北統一」が最大の狙いだったのは間違いないようでも、金正恩が自国の非核化を真っ先に云々するだろうとは到底予測できなかった。もしもそうすれば、これまでに繰り返してきた発射の試験はどうなるか、核実験に費やした費用はどうなるのかとの疑問にぶつかるのだ。

両国間に存在する数多くの問題点と課題、それら以外にDPRKが長年にわたって全世界でなければ少なくとも、アメリカ、中国、ロシア、フィリピンを始めとする東南アジアの諸国を巻き込んだ埋め立て地問題等々、それに最後に述べるから小さな問題と思われてはならない我が国に対する拉致問題等等々がたった一度の首脳会談で解決の糸口が見つかるはずがないと私は思いながら、この言わば歴史的な会談の中継を見たし、専門家の解説を聞いていた。

だが、何処まで金正恩が引っ張っていく気なのか、何処まで経済制裁に耐え続けていく用意があるのか、本気で中国に縋り付くのか、ただ単に挨拶に行っただけなのか、制裁が辛いから何とか落ちらでトランプ大統領に対して援護射撃をとお願いに出たのか等々の読みにくかった事案の行く先が、少しは見えてきたかのような会談だったと思う。だが、あのお二方が会談しただけで世界の情勢が変わって行くのではなく、飽くまでも変わって行く為、変わらせる為の切っ掛けになっただけだと思う。

本番というか、世界情勢に大きな真の変化をもたらすだろう催し物は、本当に開催されるか否かを未だに危ぶむ向きもあるし、トランプ大統領自身が『事によっては席を蹴って立ち去る』と言われる「トランプ大統領対金正恩との会談」であろう。それだけではない、私には未だに昨日金正恩が約束したような事柄を信ずべきか否かなどは解らないのだ。現に文在寅大統領が伝えると安倍総理に約束したと報じられていた「拉致問題」が採り上げられたという話は、関連の報道にはチラとも出なかったではないか。

今や信ずべき事は、安倍総理が囲み取材の際に「我が国が蚊帳の外ということはない」と断言された点だけである。その為に出張されて「トランプ大統領と11時間も語り合ってきた」と強調されたことだ。


ハリルホジッチ前監督の再来日

2018-04-28 08:57:18 | コラム
日本と欧州人との思考体系の違い立証の旅となった:

3年と一寸ではハリルホジッチ氏は我が国の思考体系が、欧米人のそれとは大いに異なることを全く理解できずに終わったようだと思う。中には昨日同氏が行った90分を超える記者会見を聞いて、その不満を納得されたか、同情するか、協会の不手際だと思われた方がおられても、私は格別不思議なことでも何でもないと考える。それは、我が同胞が日常的に、彼らの育ってきた文化と思想・信条・哲学に深く接する機会など先ずないからである。欧米人だって同様であると断じる。

これまでに何度も繰り返して指摘したことだが「彼らの思考体系では『非は自分たちにある』と認めて謝ることは先ず絶対と言って良いほどあり得ない」のである。一方、我が国では「潔く自らの過ちを認めて謝罪すること」が美徳であり、社会通念でもあるのだ。だからこそマスコミも一般大衆も何かにつけて「謝罪がない」と非難し且つ批判して攻撃するのだ。だからこそ、私は傲慢だと感じるが、テレ朝は福田淳一前財務省事務次官に謝罪がないと憤ってみせるのだ。我が国には「謝罪の文化」があるのだ

私は何もハリルホジッチ氏にこれまでの3年有余の指導法に誤りがあったのだから謝罪せよなどと言うつもりもない。それは、彼がただ3年有余の日本のサッカー選手と協会に接していただけの短期間に「我が国には欧米にはあり得ない『謝罪の文化』が減算として存在していたこと」を知り得る機会もなかっただろうし、協会も通訳の任に当たった方も、そこまでの文化比較論を勝手に(?)講釈をされたとは考えにくいからだ。

欧米のサッカーの世界だけで過ごしてこられたハリルホジッチ氏は「お互いに人間である以上同じだ」とでも素直に信じて、指導してこられたのだろう。コミュニケーションとやらも欧米流で取ってこられたのだろう。その意味では私は彼が文化と思考体系の違いを知らなかったことを責めようとは思っていない。だが、何度か述べてきたことだが、私は本当の意味で「日本とアメリカの間に存在する文化と思考体系の違い」を把握して語れるようになるまでに10年以上も要したのである。

それも、彼らの会社で使用人としてそれだけの年数を過ごしたからこそ認識できたのだ。ハリルホジッチ氏は監督として君臨し自らの文化と思考体系を基にして指導されたのであれば「我こそは」と善意で信じておられたのだろう。巷間伝えられていたように指導者である彼に何らかの物申す選手を、怪しからんと不快に思って外していったのは特別に不思議ではないと思う。

アメリカの会社で副社長兼事業本部長に向かって「運営方針が間違っている」となどと真っ向から具申に行く人など見たことも聞いたこともなかった。そのようなことをすれば、それこそ、トランプ様ではないが You are fired. と宣告されに行く玉砕戦法にも等しい行為だから。副社長兼事業本部長は全権を持って運営している存在で、そこには「上意下達」しかあり得ないのだ。

という次第で、私の目にはハリルホジッチ氏は「文化と思考体系が異なる我が国には『謝罪の文化がある』とは知らずに不満を訴えに来られて、生き恥を曝した結果に終わったという結果になるのではと危惧する次第だ。もしも、彼がその点を承知ていれば、冒頭に「代表テイームの選手たちと意思の疎通を欠き100%の指導ができずに申し訳ありませんでした」と言えば、事情は大いに変わったと思う。そこで彼は無罪放免に近い状況に持って行けて、大方の同情をも得られただろうから。