新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

3月23日 その2 デイジタル化の時代

2021-03-23 16:16:42 | コラム
今度はタブレットだった:

10日ほど前に日曜日でも片付けなければならない用事が出来て、危険を冒してと言うほどではないが大久保通りにまで出掛けた。用事を終えてふと見れば「すき家」に¥500で牛丼にサラダと卵と味噌汁が付くという期間限定のポスターが貼られているのが目に入った。家内と今から帰って昼飯の準備をするよりも、このエコノミカルな料理で済ませようと中に入った。しかし、店員が一向に来ないのでテーブルの上を見れば、タブレットが置いてありそれを使って注文せよという仕掛けに変わっていた。何年も来た事がなかった間に、菅首相の意を帯してデイジタル化していたのだった。

この手の仕掛けには何年も前から我が友YM氏がご贔屓の代官山の高級(高額でも良いか)喫茶のAnjinがタブレットで注文する仕掛けになっていたので心得があったので、ここでは何とかこなせた。思うに、このすき家のようなチェーン店ではデイジタル化は人員削減の手段のようだった。でも、余計な心配をすれば、あれほど店舗が多いあのチェーンでは初期投資の金額は馬鹿にならないだろうが、人件費削減はそれに優るのだろうかと思った。

そこで本日だが、またもや不要でも不急でもない高田馬場の駅の近くの永年お世話になっている眼科と、西武のスポーツジムに休眠会員の延長手続きに行く事になった。我が家から高田馬場に行くには1時間に1本しかないバスを利用するのが最も効果的なのだ。眼科での検眼と診察が終わって、高田馬場駅のビッグボックスで家内と落ち合えば、またもや昼飯時。そこでジムに行く前に昼食を済まそうと9階に出ている「スシロー」に初めて上がって見た。ある程度の閃きはあったが、矢張りデイジタル化されていた。受付機で座席を割り当てられて座れば、タブレットが待っていた。

このタブレットは取り外しが可能なので、何とか注文は出来た。問題は会計で、タブレットいじっている間に直ぐそこまで辿り着いたのだが、そこから先に手間取っていると、通りがかった若い女性が「その黄色いところを触れば、おねーさんが来てくれます」と親切に教えてくれた。その会計だが、これも自動支払機だったのは当たり前か。不要不急の外出を小池都知事のご依頼通りに守っていると、このように時代遅れになって迷わせられるのかと痛感させられた。この手の自動支払機には、今年になってからだったか新宿駅西口のユニクロで戸惑わさせられていた。

良く考えなくとも解る事だが、菅首相の肝いりのデイジタル化がこのように末端と言うか、外食産業界でも進行していると言う事は、取りも直さず人件費の削減になってしまうようだ。当方は、この超後期高齢者になったので意地を張って「スマートフォン等持たない」と威張っているが、この様子ではそう遠からぬ将来にウッカリ外食も買い物も出来なくなりはしないかと懸念させられた。但し、生存していればだがね。

2007年だったか、成田空港で無人のカウンターでチェックインさせられてから「荷物あり」とタッチパネル(これって英語かな)で係員を呼ぶ方式に出会って「かえって世の中は面倒になった」と知らされたが、その事務合理化の波は牛丼屋にも回転寿司にも及んだのだった。菅首相が標榜される大命題の「デイジタル化」は、このような次元のことまで包含されているのかな。超後期高齢者にとっては決して好ましくない挑戦(間違っても「チャレンジ」なんて言わないよ)強いられる時代になったものだ。


あれやこれやと

2021-03-23 08:29:20 | コラム
兎角この世は住みにくい:

緊急事態宣言解除:

解除されたと知って、昨22日は買い物を兼ねて昼食に大久保通りの賑わいを観察に出掛けた。別に驚くほどの事ではなかったが、宣言前かそれ以上に異邦人が大挙して闊歩していた。先ず疑った事は「彼らは以前から日本にいたのではなく、新たに何らかのヴィザで入国したのではないか」という点だった。そうでなければ、一昨日まで何処かでひっそりとなりを潜めて暮らしていた事になってしまう。イスラム横町などは何時もにも増して路上駐車が多かったし、ハラルフード店の周辺には彼ら群を為して立ち話をしていた。

昼食を摂っていると、4人の如何にも旅行中という風体の大きなリュックサックを背負った若者が4人入ってきて、馴れた口調で注文していた。だが、着席するや否や北京語で会話を始め、何も解らない私にも聞き取れるように「リューベン」(で良いのだろうが「日本」の事)が頻繁に出てきていた。この辺りには中国人は珍しくないが、あのような服装(なり)をした者たちは少ないので、そんな事はあり得ないとは思うが、どうしても新規入国者ではないのかと疑いたくなった。

報道では外国から未だに毎日2万人も入国しているとあったから、彼ら新規であっても驚かない。だが、そんな緩い水際対策をしていながら、第四波だの、サーキットブレーカーなどと言って騒いでいるのでは、ご冗談でしょうとも言いたくなる。老若男女が盛り場に出掛け、深夜まで飲み屋にいて、空港が賑わっていて、オリンピックの“Olympic flame”(=聖火)リレーなど開始している時かと言いたくなってしまう。どうしても放映権料に執着するIOCに引き摺られている感を拭いきれないのだ。

今朝の新聞から:
産経新聞は山下泰裕JOC会長兼全柔連会長のほったらかしというか隠蔽を一面に採り上げていた。私は山下氏は余りにも多くの重要な職を引き受け過ぎておられるのではないのかと懸念していた。あれでは職務の優先順位を付けるだけでも一仕事だろうと見ていた。その組織の長としての力量に森喜朗前組織委員長が疑念を呈しておられるような事を言っておられたのは、実は先頃あの切り取られた女性蔑視発言の直前に語っておられた事は指摘した。それはそれとして、あれほど兼務が多ければ、全部にまで目が届かないくらいは、側近が気を利かして補助すべきではなかったのか。

私がある程度不明を恥じたのは増田明美さんのコラムを読んでからだった。増田さんは「あの昨年3月の佐々木宏氏のオリンピッグ企画案はその場で撤回され謝罪され、終わっていた事だったにも拘わらず、今になって密告した者がいたのは如何なものか」と指摘しておられた。私は「また、こういうことか」とウンザリしていたので、詳細を確かめる事もなく、佐々木氏を批判するような事を述べてしまった不明を恥じている。文春には悪意があって佐々木氏を貶めたのか、朝日新聞的な正義の味方だったのかは知らないが、森氏同様に一度詫びても勘弁しないという風潮は怖い。