新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

3月11日 その2 私の誤認識か菅内閣の過大評価か

2021-03-11 09:02:15 | コラム
またも週刊文春砲が:

昨日から国会でも野党が取り上げ、本日発売の週刊文春に載ると新聞広告にもあったが、NTTは総務省の官僚だけではなく過去の野田と高市総務相をも含めて、官僚を複数回も接待していたようなのだ。報道では高市元総務相は自分の分は負担したと言われたとあった。だが、これでは野党でなくとも谷脇審議官が東北新社以外の接待には応じていないと武田良太総務相に報告したのは虚偽になってしまうし、武田氏も調査不行き届きの責任は免れないと思わせられる。これでは、つい先ほど論じた「昨日の落胆」どころではない、由々しき問題ではないか。

私は純真にも菅内閣と自民党を信頼して、恐らく全ての野党とマスコミ連合軍の非難攻撃を「言われなき揚げ足取り」と批判して否定してきた。だが、もしも週刊文春砲の二発目が真実であれば、私が思い込みで見当違いをしてきた事になってしまう。言葉を換えれば「内閣と自民党に裏切られた事」になるなのだ。自民党から出た閣僚までもが、公務員ではないにもせよ国費から歳費を貰っている以上、倫理規定は遵守すべきだとの論法が当て嵌まると思わざるを得ない。

昨10日の夜はソフトバンク対読売の野球と掛け持ち、でPrime Newsを見ていた。野党からの代表が辻元清美さんだったので、また例の如き内閣と与党批判かと高を括っていた。ところがである、武田良太総務相の省内の聞き取り調査は誠に杜撰で「『聴取したら他の接待は受けていなかったと言うから、ありませんでした』という程度の報告が紙1枚に記載されていただけだ」と、言わば暴露したのだった。自民党からの出席者がおらず、他にいたのが片山善博氏だったのだから、言った者勝ちの感があった。即ち、辻元発言の通りだったならば、非常に困った事態だという事。

そこで、「谷脇は異動させた」と呼び捨てにされた武田良太大臣とは如何なる経歴の持ち主かと、Wikipediaに訊いてみた。早稲田大学卒業後は政治家の秘書を経験された後で、苦労して衆議院議員に当選されたとあったが、私が常日頃言っている「実務社会の経験」はおありではなかったようだ。と、これだけ言えば十分だと思う。

私は政治家の質をここで敢えて問題にしようと言うのではなく、菅内閣の危機が迫ってくるのかも知れない事が気になっているのだ。世間では菅義偉氏は官房長官就任の前には総務大臣として総務省に君臨され、官房長官としては十二分に手腕を振るわれ、中でも官邸が高級官僚の人事権を掌握してたので、そのご威光は遍く官僚の世界に行き渡っていたかのようである。野党とマスコミは「故に、そのご子息の菅正剛氏が総務省等の官僚に宴席の招待を持ちかければ、所謂忖度が働いて辞退する事は出来なかったのだ」と非難攻撃し騒ぎ立てたのだろうと見えた。

私には総務官僚が接待を受けていた倫理規定違反を犯したのは、東北新社という大手の有名な企業ではない場合に限定され、便宜を図るほども事にまで及んではいなかったのか程度にしか考えていなかった。ところが、NTTも繰り返してご接待申し上げていたのでは、事の次元が違う気がしてきた。菅元総務大臣のご威光がNTTにも及んでいて、しかも同社が完全子会社にしてしまったドコモに携帯電話料引き下げの要望まで出されていては、接待を重ねれば痛くもないのか痛いのか解らない腹を衝かれていたのかも知れないのだ。

昨夜のPrime Newsでも「官僚の綱紀粛正」のようなことが話題に上っていたが、野党が弱すぎる為に自民党が緩んでいるのだとの指摘まで出てきていた。辻元清美さんでさえ「野党の弱体振り」を認めるような事を言っていたのも面白かった。だが、事態はそんな事を面白がっていて済む次元にはないと思う。菅首相は内閣と自民党内の綱紀粛正に着手すべきだと思うが、いっその事「官僚に対する影響力の行使は一時停止する」くらいの姿勢を明らかにしないと、無用の気遣いを絶てないという気もする。微妙な表現になるが、菅首相が難しい内患問題を抱えられたと思うのは僻目か


昨3月10日の落胆

2021-03-11 07:42:27 | コラム
変異株の感染者が増える訳だ:

水際作戦なんて実行されているのだろうか。昨日の報道には落胆させられた。「政府はANAとJALに1日の入国者数を100名に制限するよう要請した」と報じられていた。両社はこれに応じてそれぞれ今月の21日と31日まで新規の予約受付を停止したのだそうだ。何と言う事はないと痛感した。以前から「空港の検疫で感染者が何名」と報道されているのを見て、おかしな事があるものだと奇異に感じていた。と言うのは、私は naïveにも我が国は外国からの入国を何ヶ国からの業務上以外は禁じているものだと、信じ切っていたからだ。要するに厳格に制限していると思っていたのだ。

ところがである、報道では毎日のように全国各地で変異株の感染者が増える一方だと教えてくれているのだ。しかも、ご丁寧に感染者には海外渡航歴はないとまで報じられていたのだ。100名に制限しようという裏の意味は「毎日のように100名以上の入国者があった」という事だ。これでは、渡航歴があろうとなかろうと、変異株の感染者が出てくるのは何の不思議もない。空港で検疫を厳密に実施していると言うかも知れないが、それならば何故感染者が出るのかと反論したくなる。しかも、変異株にはファイザーのワクチンの効果があるのないのという議論まで出ているのだ。

私が疑問に感じる事は、こんな怪しげな水際作戦擬きをやっていながら、緊急事態宣言を延長するとか、飲食業界に引き続きに時短を要請している政策などは、明らかな自己矛盾ではないのかという点だ。PCR検査が絶対的な手法ではないと解っていながら、空港で実施しても網の目から漏れる場合もあるだろうし、入国者が几帳面に2週間の禁足を遵守してくれる保証がないような気もするのだ。私の疑問が見当違いであったのならば謝るが、野党も報道機関も何故この点を攻めないのかも解らない。諸外国に気を遣いすぎているのだろうか。落胆させられた。