今日はメインイベントの日。朝はいつも通り、お客様のお見送りをしてから、昨夜Oママに怒られ、完璧にキャパシティーオーバーになっているN氏のヘルプに回ってあげた。
N氏はどうも、はっきりと物を言えない性格らしく、ママに怒られ撃沈しているN氏に対しここぞとばかりに他の日本人のスタッフが自分達の仕事を押し付けて、自分達の業務を軽減している模様。
最初、私は自分の任務であるお客様のお見送りをしてから一旦自分のホテルに帰り、昼食を食べようと思っていたのですが、N氏は完璧パニックっているので、どーしたんですか?と声をかけたら、「お客様にはイベント会場に入るためのパスを配らなきゃいけないし、スタッフのMさんは今回のパンフレットが10部も必要だと言うし、スタッフのTさんはあるお客様の夕食の予約を取れと言うし、やることがたくさん有りすぎて、もう何が何だかわかりません。」と半べそ状態…
本来なら、N氏が皆に指示を出さなきゃいけないのに、何故、下っ端の仕事をあなたがやってるのぉ~とまた怒鳴りたくなりましたが、今、ここでN氏を怒ったら、絶対この人発狂すると思い…
私はN氏の持っていたパスをお客様の部屋に配りに走り、Mさんから頼まれたパンフレットを探しにホテル内のイベントデスクに行ったら、10部もないとあっさり断られたため、スタッフのMさんに直接電話をし、「すみませんけど、今こちらのホテルでパンフレットが10枚もないので、Mさん自身が事務局に行ってとって来てください。どうせ、今、競馬場にいらっしゃるんでしょ?」と断ってあげた。
その次はN氏がスタッフのT氏に頼まれたレストランの予約をコンシェルジュに頼みに行って、処理してあげたら、N氏、ホッとした顔で、T氏に電話を入れ「今、今夜の予約が取れましたぁ~」と報告。
そしたら、電話の向こうでどうやらT氏が「レストランをやっぱ変えて、人数も増やしたいから、どこか別のレストランを探せ」というような内容を話しているようで…
人のいいN氏は「はい、わかりました」と言って電話を切りそうになったから、私は即座に彼から電話を取り上げ「Tさん、いい加減、自分の仕事を人に振るの止めてください!こちらもいっぱいいっぱいなんですよ。それにTさんは通訳としてきてるんだから、電話一本ホテルのコンシエルジュに入れて、予約してくれた方が二重三重の手間がかからないでしょ!」と怒鳴り、電話を切ってやった。
そんな中、Eちゃんはいつも通りただ単に、ロビーのソファにぼぉーっと座ったまま…
もう何もかも腹が立ってきて、ついに私もN氏に吠えたぁーっ!
「Nさん、自分でできない仕事は引き受けないで下さい!Mさんだって、Tさんだって、毎年、来てて、英語ができるんだし、彼らの任務をN氏が押し付けられること自体おかしいですよ。本来はN氏が皆に指示すべき立場でしょ!それに初日からOママにあれだけ怒られ、今もまだ嫌味を言われ続けて情けないと思わないんですか?まぁ、ミスをしたなら素直に誤って、次は上手くやればいいんだし、ちゃんとやっている仕事に関しては、何故自分の意見や主張をはっきりと彼女に言わないんですか!!!」
と50の親父に今回、初めてこの仕事に参加した新米の私が吠えた。
そうこうしている内に、夕方、元騎手のMさんの車に同乗し、ドバイの新しい競馬場へ移動する時間になりました。
M氏と一緒の車に乗れると聞いたEちゃん、「M氏は元騎手で、今は調教師。競馬会ではヒーロー的存在で、甘いマスクの持ち主だから女性ファンがとても多かったんですよ~。私同じ車に乗れるなんて緊張して気を失いそうですぅ
」とハイテンション。
しかし、いざ車に乗ろうとした時、私は競馬のことは知らないし、M氏の凄さも知らないから、「私は助手席に乗るから、せっかくだからEちゃんはMさんと後部座席に座わらせて頂いたら?」と気を利かせてあげたのに…
「無理!無理!!無理ですっ!!!まりっぺさん、マジで勘弁してください。私、窒息死しちゃいますから~ぁ。」と素早くRange Roverの助手席を陣取ったEちゃん。
競馬場に着くまでの30分間、車の中はEちゃんの緊張した空気がびんびんに張り詰め、何とも気まずい空気が流れ…かと言って、私から話す話題もなく…耐え切れなくなったM氏が気を使って、ドバイの話とかを私に振ってくれましたが、会話があまり続かず…
競馬場についたら、着飾った紳士淑女がわんさかいました。

この群衆の中にはドバイの王族もおられました。



スタンドから見たウィナーズ・サークル

パドックに入って、正面からみたウィナーズ・サークル






日本の馬に乗ったF騎手


夜も更け、いよいよメインレースという時に今夜も事件は起きました!!
スタンド席で見ていた私たちのお客様グループがいきなり喧嘩を始めました。最初は口論だったのですが、イベントが盛り上がると共に、彼らのゲージも上がり、一人が上着を脱いで、もう一人に殴りかかった…周りにいた群衆は競馬よりも私たちの席に注目し、セキュリティーガードまでが飛んできた!
いやぁ~メインイベントよりも面白い!もっと暴れろぉ~と内心思っていたら…
スタッフのHがいち早く、殴りかかろうとした男性を後ろから羽交い絞めにして、止めた…
なんだつまんない…
Hは必死にその男性に対し、「Tさん、辞めてください!ここでは止めてください!」
Tさん「ここでは止めろって、ぢゃぁ、どこならいいんだ!」
H「とにかくここでは止めてください!」
Tさん「ここが駄目なら、外ならいいのかっ!」
オッサン、意外と冷静じゃん…
H「とにかく、皆、他のお客さんもここに注目してますから…」
そしたら、Tさんいきなり小声になり、「他の日本人の客は見てねぇだろうな?」とHの耳元でささやき、喧嘩はトーンダウン。
この騒動を目の当たりにした私、すっかり、この出張の終わりに一暴れしようと思っていた気が失せました。

何はともあれイベント終了後、今度は競馬場から日本のお客様をそれぞれのホテルに送り出すのにてんやわんやし…その後、その日の内に日本へ戻るお客様を空港まで送る車の手配をしに私が担当していたホテルにHやOママと向かいました。
しかし…ホテルに戻ると、各国のお客様もこのメインイベント終了と同時に帰国するようで、ホテルのロビーは今迄以上の混雑…
そんな中、Oママはホテルの中で日本のお客様のチェックアウトの手続きに追われ、私はホテルの外で、車の配車の手配。ホテルの玄関はお客さんやホテルマンなどでごった返していたのですが、私の顔を見るなり、配車係のおにいちゃんやイベント事務局から派遣されてきているスタッフやドライバー達が一気に私の周りに集合!
私は5~6名の人に囲まれ、
「ボス、今夜は車が足りません。どーしたらいいでしょう?」
「ボス、この状態では今夜は車は出せない」
「ボス、今夜だけは空港までシャトルバスを利用してもらえませんか?」
「ボス、今日は何台、必要ですか?」
「ボス、もう少ししたら、僕が空港まで、ボスのお客さんを送りますから、お客さんの名前を教えてください」
と一気に話しかけてきた!
私が指示している側から、皆、それぞれ、いっぺんに話しかけるなぁ~!とにかく、私の話をまず最後まで聞いて、車を用意せんかい!
と一言どなったら、外国人や日本人のお客様で騒然としていたホテルの玄関が一気に静まり返り…前から車を待っていた外国のお客さんを差し置いて、私達のお客様用の車が一気に5台、集まった。そして、無事、お客様を見送ることができました。
この様子をホテル玄関の入り口付近で、タバコを吸いながら見ていたスタッフのH
「まりっぺがどなったら、マジで騒がしい場が静まり返り、あんなに車待ちで、バタついていたのに、まりっぺの鶴の一声で面白いくらい、一瞬にして、車が集まりましたね。ナイスでした。」と苦笑してました。