おはようございます。秋雨に入りましたね。今朝は展覧会記事をお届けします。
再興101回院展は最高だった、というほどでもないが、いつもの通り、楽しくみせていただいた。毎年、9月1日がはじまりで、その日に出掛けると有名な画家さんをお見かけできるので、たいてい初日に行っている。今年は、ちょっと他の用事があり、9月2日になってしまった。でも、そのおかげで、この日からはじまった芸大祭(藝祭)のお神輿をたくさん見ることができた。どっちに転んでもいいように、世の中はなっている。
さて、院展は公募展なので、毎回、内閣総理大臣賞、大観賞、奨励賞などの受賞作品があるが、それらには、ぼくはあまり関心がなく、いつも、どの作品が受賞作だったか覚えていない。たいていは30名ほどの同人の作品と好きな画家の作品を中心に見て廻る。
第一展示室に、この8月に亡くなられたばかりの松尾敏男の作品が二点並んでいた。ひとつは2009年の作で”月輝く古都”で、もう一つは牡丹の絵だった。ぼくの山種美術館の2016年カレンダーの表紙が松尾さんのテナガザルの絵で、ぼくの新年のあいさつにこの絵を使っている。八幡さまのぼんぼり祭の雪洞絵をよく奉納されていた。ご冥福をお祈りします。
昨年の100回院展で100歳を超えられた郷倉和子の作品は”宙と共に”だったが、とうとう鬼籍に入り、あの作品が最後となってしまった。今回、後藤純男の作品が先頭となった。自分はお寺の子として生まれたが、画家となった、やはり、大和のお寺を描き続けることになったというコメントが添えられていた。ぼくはお若いときの滝の絵も好き。
後藤純男(夕秋大和)
下田義寛は、”早曉/シバザクラ”で、鎌倉秀雄が”梅花早春”。小田野尚之が”雪の朝”、田淵俊夫が”飛鳥川心象/春もゆ”。モノクロなので、若葉がまるで雪のようだった。那波多目功一は”アイガー北壁”。どれも、とても良かった。福井爽人は”影映”。
福井爽人(影映) 20年振りのインド旅。田舎の風景は当時と全く変わらず悠久の時を感じたという。
展示5室には、手塚雄二の”冬の川”、西田俊英の”コロポックルの山”、松村公嗣の”春待つ”などが。そして11室では、梅原幸雄の雪夜(鬼の住む画室)、高橋天山の”花供養”、伊藤髟耳の”葉桜の頃”と並ぶ。
日本画も前衛的なのも増えてきているが、こうゆう復古調も面白い。
梅原幸雄の雪夜”鬼の住む画室” 曽我蕭白の動と静の筆をとコメント。
高橋天山(花供養)御所の板戸絵がモデル。本歌どりならぬ、本画どりですと作者のコメント。
伊藤髟耳の”葉桜の頃” 葉桜の一部を金色にしたら面白いと思い描いたそうだ。
石村雅幸の”樹洞”。巨樹の好きなぼくは、毎回、楽しみにしている。小林路子の”大樹”、山本浩之の”道化”、大河原秀樹の”笹百合”、手中道子の”竹の郷”、西澤秀行の”春分の頃”、速水敬一郎の”約束”、山岸文子の”奄美の樹”なども良かった。
では、みなさん、今日も一日、雨にも負けず、夏風邪にも負けず、お元気で!
院展をご高覧下さり、ありがとうございました。
今年も素晴らしい絵でしたね。
次回は春の院展でしょうか。ご活躍を祈念いたします。