気ままに

大船での気ままな生活日誌

林忠彦写真展 日本の作家109人の顔

2014-10-10 09:25:43 | Weblog

二日つづけて、写真展をみた。ひとつは日比谷図書文化館の”林忠彦写真展/日本の作家109人の顔”、もうひとつは横浜あーすぷらざの”写真展/昭和”。どちらも、とても良かった。どちらも名人の仕事で、これまで観たことのある名作もいくつもあり、つい、ゆっくりとしてしまった。

林忠彦は、何年か前に渋谷のたばこ博物館で、紫煙をくゆらす文士の写真展をみたが、ここでもそのときの作品が展示されていた。銀座の酒場、ルパンで撮った太宰治や織田作之助のものや、坂口安吾も。この展覧会では煙草を吸わない文士も扱っている(笑)。写真だけではなく、写真の横の、林忠彦のそれぞれの文士の寸評や撮影の苦労話も面白い。

アップにするかロングで撮るかの判断も重要らしい。ぼくのみる限り、アップはいい顔の文士(笑)。志賀直哉、井上靖、実篤、正宗白鳥、里見とん等。超アップは川端康成。きらりと光る瞳の奥を撮りたいと、50センチの至近距離から連写し取った。連写のコンタクトシート(密着写真)も展示されていて、決定的瞬間のは1枚しかないことがわかる。

一方、ロングの人はアップに耐えられない人(爆)。おかっぱの吉屋信子もそうで、美男でおわす大仏さまの前では、私はますます、まずくみえるわね、と言われたので、山本周五郎と同様、ロングで撮ったそうだ(笑)。立原正秋もロング組だが、鎌倉の新居を訪れたら、何一つ飾りがない。俺は部屋に余計なものを飾るのは嫌いだ、と言う。その性格も一緒に撮ろうと、その部屋をたっぷり背景に入れた縦長の写真とした。

どれも味のある写真だったが、谷崎潤一郎と奥さんと一緒の作品が、ぼくは一番、気に入った。はじめ庭で撮っていたが、ちょっと休まないかと言われ、部屋に入った。そのとき、ぼく(林)は茶ぶ台の下にカメラをかくして置いた。奥さんが出て来られて、お茶をどうぞと言った時、谷崎さんがニコッと笑った。その一瞬をパシャパシャと二コマ撮った。そのひとつがこれだった。

ほとんど、ぼくの知っている顔だが、林忠彦というフィルターを通した作家の顔がとても面白く、時間がたつのを忘れてしまうほどだった。素晴らしい展覧会だった。

本当は、もう一つの写真展も一緒に、書くつもりだったが、出掛ける時間になったので(汗)、ここで止めます。”昭和”は次回の記事に。では、千葉方面に行ってきます。おーい清方さん、清方さんよ♪

 

 

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