こんばんわ。
川崎浮世絵ギャラリーでお正月早々、新版画展を開催しているというので初日(5日)に出掛けた。午前11時始まりというのを知らなくて、たまたま到着したのが11時1分前。何と一番で入場することとなった。ぼくはこれはと思う展覧会は初日に出向くことは多いが、トップで入場するのは初めてのこと。大谷じゃないけど、歴史的偉業!(笑)。それも、そのあと5分ほど誰も入らず、この間、この展覧会独り占め状態。こいつは春から縁起がいいわえ。
それに内容が抜群。新版画ファンなら誰もが見たいオールスターキャスト。さすが天下の斎藤文夫コレクション。むかしの東映時代劇の正月映画みたい。ただ残念なのが相変わらずの写真撮影禁止のけちんぼギャラリー(笑)。藤沢浮世絵館を見習ってほしい。いいのを見つけたとき写真メモしておきたいのだ。ということで、今回も本ブログに載せる作品はちらし等からの限られたものだけ。
では、はじめましょう。前述のようにオールスターキャストだが、その最高峰はやはり川瀬巴水で、作品数も30点ほどもあり、全展示作品数94の約1/3を占める。まず、巴水から。
うれしかったのは元箱根南山荘風景集の4作品が並んでいたこと。昨年も山のホテル(元箱根南山荘)の躑躅と富士を見に行ったが、90年前の今と変わらぬ風景を楽しめた。
つつじ庭より富士を見る(巴水)
箱根芦ノ湖(巴水)
鎌倉風景もいくつか。鎌倉大仏、妙本寺、七里ガ浜、鶴岡八幡宮、鎌倉円覚寺など。こういうのも写真メモしたいところ。妙本寺の海棠を描いた作品は何とか手に入れた。
鎌倉妙本寺(海棠)(巴水)。いつも見に行っているので位置関係もよくわかる。これは昭和6年作だから、小林秀雄の”中原中也の思い出”(昭和12年晩春)に出てくる”伝説の海棠”ということになる。現在の海棠は三代目になる。
ちらしの表紙を飾る作品。ここもよく行くが、雪風景は見たことがない。名作・芝増上寺と似た構図。
上野清水堂の雪(巴水)
東京二十景から五点から。
馬込の月(巴水)
では、巴水のあとは展示順に。高橋松亭から。渡邊庄三郎が尚美堂を開店し(明治42年)、新しい版画を目指し、まず高橋松亭に絵を依頼した。新版画の魁となる画家。ここでは、明治時代作の”酒匂”のほか、相模川、上野東照宮、夜の品川など6点。
酒匂(松亭)
つづいて、外国人が3人つづく。浮世絵を学び、新版画へ。チャールズ・バートレット、 エリザベス・キース、ノエル・ヌエットの作品が並ぶ。東京、横浜、鎌倉の風景など。
横浜根岸の雪(チャールズ・バートレット)
小原古邨(こそん)の作品もある。花鳥新版画で有名。2018年の茅ヶ崎美術館の展覧会、つづく太田記念美術館の古邨展で一気にブレークした。ちらしの写真に含まれていないので、ここには載せない。
伊東深水もいいのがあるが、ここでは一点、富士三景之内於箱根見晴台のみ。写真なし。
役者絵を得意とする名取春仙が三点。
五代目中村歌右衛門の淀君(春仙)
橋口五葉は美人画にいいのがあるが、ここでは風景画。
耶馬渓(五葉)
吉田博もMOA美術館以降、何度も見ているが好きな画家。風景画、とくに山岳画を得意とするが、ここでは”桜八題”のうち五題が展示されている。写真は富士山を背景に鈴川を。
鈴川(吉田博)
さらに、終盤は笠松紫浪、土屋光逸、石綿江逸らの作品が締める。
浅草金龍山(光逸)
浅草観音堂大提灯(紫浪)
新年早々、じっくりと、心に沁みる風景を巴水はじめ錚々たる画家の新版画で魅せてもらいました。
。。。。。
今朝の月と金星と富士。
今朝も薄紅富士。
では、おやすみなさい。
いい夢を。
角笛草。笛吹水仙とも。
田舎に引き篭もってのこと、多彩な催しにお誘い下さり感謝を申します。
新春の気分に浸れるのも、寒さをものともせずのお出かけです。
自宅からの贅沢な一時、ありがとうございます。
>・・・たまたま到着したのが11時1分前。何と一番で入場することとなった。
はっはっは、先発投手ですね。
>この間、この展覧会独り占め状態。こいつは春から縁起がいいわえ。
きっと大谷投手も応援してくれてますよ。
2枚目のポスター写真、とってもいいです!
>つつじ庭より富士を見る(巴水)
ひぇ~!冠雪に白雲、赤は花壇か?木々と山の緑にしびれました。
>箱根芦ノ湖(巴水)
うんうん、上とは反対にモノクロ写真みたいな良さを感じます。
>鎌倉妙本寺(海棠)(巴水)
この版画の構図、巴水がmarboさんの真似をしたみたい!(笑)
いや、勉強になります。
>上野清水堂の雪(巴水)
この場に立ったら、私は何枚も撮りそうです!
>馬込の月(巴水)
巴水はモノクロがかった光景も好きなんですね。
こんな月見もいいのでは。
>酒匂(松亭)
酒匂って神奈川県小田原市の地名なんですか。
私はまた酒飲みにまつわる画かと思いました(汗)
>横浜根岸の雪(チャールズ・バートレット)
う~ん、西洋人にはたまらない光景でしょうね。
かつ、浮世絵を学び、新版画だとは!
>五代目中村歌右衛門の淀君(春仙)
遠くから見たら綺麗な淀君なんでしょうが、間近でみると怖いです。
まあ、家康に怒り心頭なのかも知れませんね(笑)
>耶馬渓(五葉)
お~!郷里の近くですね。
このように風情があったとは!
>鈴川(吉田博)
川面に映っている富士で景色に気づきました。
>浅草金龍山(光逸)
こんな美しい光景があるのですね。
>浅草観音堂大提灯(紫浪)
いやー、素敵な展覧会にご一緒した気分です。
>>たしか遠藤関の故郷、穴水町も被災地でしたね。
そうでしたか、業師・遠藤関も応援しているんですがね。
年齢なんですかね。
どうも有難うございました。
おやすみなさい。
綺麗ですねぇ
雪で冷えた景色の中で、深々と降る雪の静けさを感じました
風もなく静かに降る雪は、夜だとなおさら静かで、外はシ〜ンとしてて
翌朝には雪が積もっています
子供の頃に新潟の豪雪地に住んでいた頃に。
夜にトイレに起きて外の景色を見ると。
雪がやんでて、月明かりがあたりを照らしてて。
物音が1つもしない。
外の雪の白さが綺麗だなと思って見てた記憶があります
そんな事を思い出しました
私は1月生まれで、誕生日はもうすぐです
寒い季節に生まれたからか?
寒いのはダメです
昔はアンカしかなかったけど
今は電気敷き毛布をして暖かく眠れるのは嬉しいです
小父さんも新版画がお好きなようですね。感想コメントで分かります。巴水の”モノクロ風”の作品はぼくも好きで、今回の写真には載せていませんが、雪景色や薄明りの夕方の風景などいいのがたくさんあります。
>酒匂って神奈川県小田原市の地名なんですか。
私はまた酒飲みにまつわる画かと思いました(汗)
小田原の手前に酒匂川が流れていますが、その河口の町を描いたのだと思います。
>遠くから見たら綺麗な淀君なんでしょうが、間近でみると怖いです。まあ、家康に怒り心頭なのかも知れませんね(笑)
きっとそういう場面ですね。役者さんの顔にも似せなくてはいけないし、こういう風情になるのでしょうか。
いろいろありがとうございました。
そういえば雪椿さんは新潟でしたね。寒さに弱いとは不思議ですね(笑)。お里の方は地震の被害はなかったですか。