気ままに

大船での気ままな生活日誌

マティス展 東京都美術館 その1

2023-05-15 21:11:02 | Weblog

こんばんわ。

東京都美術館ではじまったマティス展に行ってきました。ちょっと古くなったギャグだけど、ブラボー!最高です!(笑)。なにせ、4~6章のマティスの全盛期の作品群がすべて撮影OK。これだけで評価2割増しです。

日本でのアンリ・マティスの大回顧展は約20年ぶりという。ということは、前回はぼくの現役時代の終盤で、仕事一途、美術展に出向くことはなかったので、回顧展は、今回が初めてということ。もちろん、個々の作品はいろんな美術館などで見ていて、マティスの赤を中心とした”あふれる色彩”に魅了されていた。

パリのポンピドゥー・センターから名品約150点が来日しているとのこと。10数年前、ポンピドゥーに行っているが、当時の日誌を見ると、さらりと見ているようで、マティスの作品についてはほとんど触れていなかった(汗)。

さて、このマティス展をどのように本ブログに記録しておこうか。本展は時系列の章立てになっているので、それに従って、なるべく、多くの写真を取り入れて、後年、さらにもの忘れのひどくなった自分でも思い出せるようにしておきたい(汗)。公式サイトの解説なども利用させてもらいながら、簡単に各章ごとのまとめも記載しておきたい。4ー6章がメインになりますが、時系列にたんたんと進めます(笑)。

次のような章立てになっている。

1. フォーヴィスムに向かって(1895─1909)
2. ラディカルな探求の時代(1914─18)
3. 並行する探求―彫刻と絵画(1913─30)
4. 人物と室内(1918─29)
5. 広がりと実験(1930─37)
6. ニースからヴァンスへ (1938─48)
7. 切り紙絵と最晩年の作品 (1931─54)
8. ヴァンス・ロザリオ礼拝堂 (1948─51)

1章 フォーヴィスムに向かって(1895─1909)パリ国立美術学校に入学し、象徴主義のギュスターヴ・モローの門下に入り、その後、フォーヴィスム(野獣派)の立役者として活躍する。本章では、日本初公開となるマティスの初期の傑作、豪奢、静寂、逸楽(1904)が目玉。

豪奢、静寂、逸楽(1904)シニャックの影響で新印象主義の原理を援用している。点描法で、光に満ちた理想郷ともいうべき風景を描いた作品。彼はこの直後に、筆触を荒々しく変化させフォーヴィスムと呼ばれる様式に進む。(写真は本展の絵看板から)

豪奢I(1907)前作に連なる作品としてその3年後に描かれた牧歌的な風景。巨大な女性たちの位置関係が不明瞭である分、平面的な空間構成が目を引く。フラットな筆触と落ち着いた色調は、マティスが「フォーヴィスム」に飽き足らずその先の絵画空間の探求に進んだことを示している、という解説。

アルジェリアの女(1909)1909年に訪れたベルリン美術館でアジア美術に触れたマティスは、エキゾチックな衣装をまとった女性の肖像画を手がけ、この《アルジェリアの女性》もそのひとつ。透明な衣装から透ける身体が造形的に背景の空間と結びついており、その生命力が画面全体に満ちている、という解説。”ニッポンの女”でもよさそう(笑)。

2章 ラディカルな探求の時代(1914─18)

第一次世界大戦がはじまり、家族が分断される中、この状況に抵抗するように、画家の転機になるような革新的な造形上の実験を推し進める。アトリエと開放的な窓というモチーフで内と外を融合する絵画空間をつくる。

金魚鉢のある室内(1914)セーヌ川に臨む窓のあるアトリエ空間を描いた。微妙な諧調の青によって統一された画面の中央に、この前年に滞在したモロッコの思い出である金魚鉢が描かれ、内と外の空間をつなぐ。

コリウールのフランス窓(1914) 1914年、マティスは、第一次世界大戦勃発直後にこの謎めいた作品を描いた。西洋絵画における視覚のメタファーである窓が、黒く塗りつぶされて、視線の侵入を拒み鑑賞者に向かって跳ね返す、内部であり外部であるような両義的な色面として出現している、というよく分からない解説(笑)。

3. 並行する探求―彫刻と絵画(1913─30)

マティスの彫刻作品が並ぶ。1910年代の女性の頭部をつくる”過程”を主題とした”ジャネット”シリーズ、1925年前後のモデル”アンリエット”の頭部シリーズ、そして20年間も探求し続けたモチーフ”背中”シリーズなど。

背中 IーIV(1909–1930年)20年以上かけて制作された4点。等身大の女性像である「背中」は、それぞれが、《ダンス》などのモニュメンタルな絵画の制作時期と関わっていることが指摘され、マティスは折々の造形的な課題に応じてこの原型に立ち返り、これらの作品を制作したとのこと。絵画の《ダンス》はぼくの好きな作品。ボルチモアのバーンズ財団美術館の壁画がすばらしかった。

さて、そのあと、4章以降の撮影OKの部屋に。マティスらしい色彩あふれる絵画が並ぶ。(つづく)

五月場所二日目 今日の一番

貴景勝、琴ノ若に苦杯。今場所は休んで、膝を直し、来場所10番で大関復帰、というのも選択肢か。

では、おやすみなさい。

いい夢を。


東慶寺のカルミア、満開に。

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9 コメント

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悩みが増す (アナザン・スター)
2023-05-15 22:12:01
う~む。
あきませんわ。
洋画は、捉え方で印象ががらりと変わります。

すみません。
鏑木清方贔屓なので・・・
返信する
Unknown (小父さんA)
2023-05-15 22:58:18
こんばんわ。

>4~6章のマティスの全盛期の作品群がすべて撮影OK

ブラボー以外の何者でもないです!

>当時の日誌を見ると、さらりと見ているようで、

そうでしたか!

「うわっ」、私がテレビで観ていた作品と違う!という叫びです(笑)

>豪奢I 巨大な女性たち

ググったら、評判は良くはなかったものの、すぐにパトロンに買い取られたとありました。
よく分かりません。

>アルジェリアの女(1909)

着物みたいですね。う~~~ん、上記共々アートな印象です。

>金魚鉢のある室内(1914)

青のアトリエに紅い金魚、作品はこのような場所で生まれるんですね。

>リウールのフランス窓(1914) 1914年、マティス

検索から・・・この極めて単純であり、不安定な作品は、第一次世界大戦の時期と被っており、マティスの不安な心情がそのまま出たのではないかと言われている。それを手放さなかったマティスの意図は、恥なのか戒めなのか定かではない。

哲学的です!→私

>背中 IーIV(1909–1930年)

左端は普通に見ることが出来ます。
その右側はアートでしょうか?

ちょいと難しい作品が並びましたね。

>貴景勝、琴ノ若に苦杯。

なんだか昨日拝見した大船スポーツで楽しめましたが、その記事の通りに取り組みが進んだ気がしました。

有難うございました。

お休みなさい。
返信する
素晴らしい。 (Ranchoです^^)
2023-05-16 01:16:04
ポンピドゥー・センターから多くの作品が来ているのですか?
学生の頃ポンピドゥーも訪れましたが、marbo様は10数年前に楽しまれたポンピドゥー・センターは、ずいぶん雰囲気が違うものなのでしょうね(羨)

京都の独立美術系や光風会系の画家の何人かと話す機会があり、男性が触れたくなる女性を描いた絵は理想的で、マティスのそのうちの一人と申されていました。
確かに、マティスも素晴らしい。また個性的なディフォルメも好きです。
関西に巡回されるかを調べてみましたが、残念なことにわかりませんでした><

いつも素晴らしいご紹介に、感謝しています^
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アナザン・スターさま (marbo)
2023-05-16 10:00:59
マティス初期の作品はあまり”溢れる色彩”が出ておらず、次回をお楽しみください(笑)。清方美人に比べるとぎゃふんかもしれませんが、色で勝負のマティスです。ありがとうございました。
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小父さんAさま (marbo)
2023-05-16 10:08:07
4~6章のマティスの全盛期の作品群がすべて撮影OKだったのはうれしかったです。次回以降にこれらの作品が出てきますのでお楽しみください。

いつもながら、補足説明をしていただき、参考になります。ありがとうございました。

貴景勝はどうも勝ち越しは難しそうですね。照は何とか10勝でしょうか。朝乃山はいいですね。
返信する
Ranchoさま (marbo)
2023-05-16 10:46:46
マティス展を楽しんでいただき、うれしく思います。

Ranchoさんもポンピドゥー・センターに行かれているのですね。それも学生の頃に。いい思い出ですね。パリの美術館総なめしたことでしょう。

>画家の方が男性が触れたくなる女性を描いた絵は理想的で、マティスもそのうちの一人と言われたそうで、面白い意見ですね(笑)。次回紹介予定の絵画にそういうのがたくさん出てきます(笑)。

マティスの”ダンス”もそうですが、個性的なディフォルメや色彩がいいですね。

ありがとうございました。
返信する
デフォルメといい、色といい (onscreen)
2024-06-28 07:25:54
Matisse マチス The Red Studio @MoMA (1) MoMAキュレーターによる渾身の企画

https://blog.goo.ne.jp/onscreen/e/78d79cc28f573ecf0328571d83a336f6

この絵に隠されたベネチアン・レッドの「重大秘密」を紐解いている展示(汗)


デフォルメといい、色といい、マティス深すぎ...(汗)
返信する
onscreenさま (marbo)
2024-06-28 09:48:48
コメントありがとうございました。ご紹介のマティスの赤 = ベネチアン・レッドにフォーカスした企画展、読ませていただきました。
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実は (onscreen)
2024-06-30 09:55:15
>marbo さんへ
>onscreenさま... への返信

ありがとうございます!
マティス深いっす...

実はカットアウト系もございます!

マティスMatisse カットアウトTheCut-Outs展 バーチャルツアー その(1)at MoMa NY

https://blog.goo.ne.jp/onscreen/e/6cafa7a4fed620d71528c6f9d24ee11f


その(1)〜 その(10)まであります

ご参考まで
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