goo blog サービス終了のお知らせ 

気ままに

大船での気ままな生活日誌

展覧会あれこれ(1)日本画聖地巡礼展、青磁展、井伏鱒二展

2023-12-23 21:42:20 | Weblog

こんばんわ。

紅葉の季節がようやく終わり、ふと、ぼくの日誌(ブログ)を振り返ってみると、展覧会記事がすっぽり抜けていることに気づいた。どうしても、今、見てきた紅葉が優先し、まとめるのに時間がかかる展覧会は後回しになる。このまま放置しておくと、年を越してしまい、ぼくの年末恒例の(笑)”今年の展覧会ベストテン”の候補にもなれない。そこで、”展覧会あれこれ”シリーズとして、いくつかまとめて載せておきたい。覚書みたいな感じで。

展覧会あれこれ

11月

日本画聖地巡礼(山種美術館)(9月30日~11月26日)

ドラマや映画、アニメ、小説、漫画などにゆかりの地を、作者や作品への思い入れを込めながら訪れることを「聖地巡礼」という。「絵画」でいえば、「風景画」に描かれている景勝の地、「歴史画」に描かれている古戦場などが「聖地」になるのだろうか。日本画専門の美術館である山種美術館の今回の特別展は、「日本画」の「聖地」がテーマ。展示作品と、それにゆかりの土地の情報を並べ、美術館にいながら「聖地巡礼」の旅を味わってもらおうという趣向である(公式サイトより)

名品揃いで楽しめた。東山魁夷の京都4部作や御舟の名樹散椿、土牛の鳴門、など多数。また時間のあるときにゆっくり紹介したい。

魁夷・京都四季四部作(春静、緑潤う、秋彩、年暮る)

御舟の名樹散椿(京都・椿寺地蔵院の名木「五色八重散椿」をモチーフにした)

土牛の鳴門(鳴門の渦潮)

紅葉の季節なので、奥田元宋の奥入瀬(秋)も加えよう。”赤の奥田”の大作。

青磁—世界を魅了したやきもの(出光美術館)(11月3日(金)〜2024年1月28日(日)

本展では、青磁の誕生前夜の灰釉陶器から、漢時代に成熟し始める越州窯、日本人が愛してやまない龍泉窯青磁など、中国における青磁の展開を中心に取り上げながら、高麗や日本、さらには東南アジアなどの青磁も紹介し、世界の人々を魅了した青磁の魅力に迫ります(公式サイトより)。

ぼくは青磁といえば、”雨過天晴”の天青色と讃えられる北宋汝窯の青磁だが、世界で六点しかないのでめったにみられない。これには及ばないが、青磁の誕生前後から成熟へと歴史的に見られるのはうれしい。

青磁天鶏壺 中国南北朝時代

青磁鎬文壺龍泉窯 中国 元時代 

青磁筍形瓶 龍泉窯 中国南宋時代(重文、根津美術館)

青磁陰刻牡丹唐草文瓢形水注・承盤 朝鮮・高麗時代

青磁袴腰香炉 龍泉窯 南宋時代 重文

青磁染付宝尽文大皿 鍋島藩窯 江戸中期

井伏鱒二展(神奈川近代文学館)(9月30日~11月26日)

市井の人々の哀歓に寄り添った作品で、多くの愛読者を持つ作家・井伏鱒二(いぶせ・ますじ 1898~1993)。初期の名作「山椒魚」や、原爆による悲劇の実相を描き国際的にも評価が高い「黒い雨」のほか、「荻窪風土記」などの随筆、「厄除け詩集」、「ドリトル先生」シリーズの翻訳等でも親しまれています。本展では作品世界に加えて、井伏が愛したもの―旅、釣り、将棋、書画、焼物などの世界にも注目します。また、一番弟子である太宰治をはじめ、井伏の随筆や対談集に登場するお馴染みの作家たちとの交流を、豊富な書簡などで紹介。文学や趣味、そして人生をめぐって交わされる言葉の数々とともに、〈アチラ〉から〈コチラ〉から、井伏の人間的魅力に迫ります(公式サイトより)。

井伏鱒二は、1898年2月15日に現・福山市加茂町粟根に生まれた。代々地主をつとめた家柄で、書画骨とうが好きだった祖父に溺愛されて育った。その影響もあって、最初は文学者ではなく画家を志していたと言う。

『黒い雨』は、広島の被爆者に取材し、原爆による悲劇の実相を描いた作品。本展では、『黒い雨』の物語を完成させるために参考にした、被爆者である重松静馬の手記などを展示。事実を描くことに重点を置いて描いたという。本作は、1966年に野間文芸賞を受賞し、また世界各地で翻訳されて高い評価を受けた。

井伏の名訳で知られる唐代の詩人于武陵(うぶりょう)の詩”勧酒(かんしゅ)”の後半部分。「はなにあらしのたとへもあるぞ さよならだけが人生だ」。95歳まで生きた井伏だからこその翻訳。いぶせ銀。

受付で井伏鱒二のエッセイ”荻窪風土記”の文庫本を買う。早稲田から荻窪に移り住んだ頃の昭和はじめからの日誌。若き日の太宰治が原稿を持って訪ねてきたり、善福寺川で一緒に釣りをしたことなどが書かれている。徳川無声が阿佐ヶ谷で開いている将棋会にも参加していたようだ。ほかにも有名、無名人が登場し、軽妙な筆で彼らの人生が描かれ、面白い随筆である。今もときどき取りだして読んでいる。

今日の富士山。

今夕の月と木星。

十一夜の月

では、おやすみなさい。

いい夢を。

今日の飛行機雲。

明日のサンタのおじさん。

 

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする