おはようございます。大相撲秋場所は今日、9月24日が千秋楽だが、西美で開催中のアルチンボルド展も今日が千秋楽。ぼくは桐生くんが初の9秒9台を出した日に見に行っているから、よく覚えていて、9月9日である。そろそろ感想文を書いておかねば、桐生くんに叱られる。
アルチンボルドという画家を知ったのは比較的最近で、2013年、近くの女子大の公開美術講座、”北方ルネサンスの巨匠たち/奇想と精緻の芸術家/アルチンボルド”を聴講したとき。スクリーンに次々現れるアルチンボルドの作品には、びっくり仰天、爆笑の連続。いってみれば、”お笑い画伯”。美術界のコロッケか、はたまた綾小路きみまろか、と当時のブログに書いている。
そのあと、横浜中華街の”トリックアート・ミュージアム”でも、アルチンボルドの、今回のメイン展示の作品(複製)が並んでいた。これらの作品の実物をいつか見てみたいと思っていたが、”苦節十年”とまではいかず、”楽節五年”ほどで悲願が達成され、彼岸にブログ記事が書けて、こんなにうれしいことはない。
一応、作品を載せる前に、公式サイトから、彼の略歴を転載しておこう。ジュゼッペ・アルチンボルド(1526-1593年)は16世紀後半にウィーンとプラハのハプスブルク家の宮廷で活躍した、イタリア・ミラノ生まれの画家です。自然科学に深い関心を示したマクシミリアン2世、稀代の芸術愛好家として知られるルドルフ2世という神聖ローマ皇帝たちに寵愛されたアルチンボルドは、歴史上でもひときわ異彩を放つ、宮廷の演出家でした。そんな「アルチンボルド」の名は何よりも、果物や野菜、魚や書物といったモティーフを思いがけないかたちで組み合わせた、寓意的な肖像画の数々によって広く記憶されています。奇想と知、驚異と論理とが分かちがたく交錯するそれらの絵画は、暗号のようにして豊かな絵解きを誘い、20世紀のシュルレアリスム以後のアーティストたちにも、大きな刺激を与えました。
では、名作のシリーズをご覧ください。
四季(1563)
それぞれの季節の植物によって構成される。春から冬まで、若人からはじまり、次第に年をとってゆく。立ち止まって、じっと見ながら楽しみたいが、行列がつづくので、そうはいかない。でも、うしろのスペースに解説版があるので、それで、なるほどと再確認をする。
春

夏 麦、そして野菜、果物など夏の収穫物で人物画を描いている。衣装は麦、ほっぺは真っ赤なりんご。ルドルフ2世は、世界は一見ばらばらに見えるが互いに関連し合っているという考えがあり、それを表現した

部分拡大

秋

冬

四大元素(1566~) 当時、宇宙は、四つの要素、空気、火、土、水から構成されると考えられていた。ハプスブルグ家が自然と宇宙のすべてを統治しているという意味合いが込められている。
空気

火

部分拡大 火の道具がいっぱい。

土

水 62種の魚類や海獣などの水に関連する生き物が描きこまれている。

庭師/野菜 上下絵で庭師の顔が、さかさまにすると、器に盛られた野菜に変化する。

いかがでしたか、じょうずなもんですね。そういえば、われらが国芳(1798~1861)もこういう絵を描いている。200年後に現れた”江戸のアルチンボルド”といってもいいかも。

ぼくは、アルちんボルトです。


では、みなさん、今日も一日、アルチンボルドでお元気で!