日課の散歩の帰り道でのことでした。
近くのグランドで練習でもしていたのか、スポーツバックを肩にした高校生の一団が雑談を
しながら歩道をいっぱいになって歩いていました。
私と同様に、その集団の後ろを歩いている散歩人がいたのですが追い越そうにも空きスペ
ースがありません。
見ていると、やむを得ず一旦車道に出て一団をやり過ごし、再び歩道に戻って先を急ぐ人が
いました。
その光景を見た直後のことでした、集団から少し遅れて歩いていた集団の仲間の一人が前
に向かって「だらだらするな!」と大声で一喝したのでした。
その一喝で前を歩く集団が間髪入れずに隊列を整え歩道に空きスペースを作ったのでした。
万人が共通に使う公共の場所に於ける極めて常識的な行為に他なりませんが、とかく「この
頃の高校生は」と批判の的にされることの多いなか、一喝した高校生の他者を気遣ったと思わ
れる一喝はもとより、その指示に即座に従うことができる高校生達の姿を目前にして、自分だ
よければ良い、人のことなど関係ないと言う風潮ばかりが目に付く昨今、こんな小さな出来事を
目の当たりにして、まだまだ、日本人の持つ謙譲の美徳は健在なりと、嬉しく感動を覚えたいい
出来事に出会った散歩帰りになりました。