鉄ある記

鉄道写真を中心に、京都の街角の情景なども写真で紹介していきたいと思います

はやぶさ・富士の旅立ち 浪漫鉄道の国へ

2009-03-15 | 寝台列車

 きょう3月15日、春の陽光を浴びて京都・大阪・神戸の三都を青い列車が西へ駆けた。

 3月14日、東京駅に到着した最後の上り寝台特急「はやぶさ・富士」。この東海道・山陽本線第2列車に使われた14系客車が故郷の熊本車両センターへと向かったのだ。14日の深夜、品川を発車した回9101列車は15日6時22分、京都総合運転所(向日町操)に到着。2レを引いて上り、再び下関まで牽引するEF66-42号機をいったん切り離して、しばし憩いのひと時を持つ。

 そして再び、42号機の先導で13時54分、回9301列車として古都を出発。定時走行では決してありえなかった白昼の大阪駅に堂々と姿を見せ、ミナト街・KOBEを走り抜けて行った。

 最終列車が走った13日から14日にかけて、天は涙雨を降らせたが、この日は風が強いものの晴れ渡り、春の日差しをあふれさせた。まるで、これまでの長い、長い道程を労わるように。京都総合運転所では僚機のEF66-43号機が庫の外で出迎え、傍らの下り本線を稼働がたった1両だけになってしまったJR貨物の旧更新色(白更新)に塗られたEF66-30号機が駆け下り、これも貨物会社唯一の国鉄特急色のEF66-27号機も通り過ぎた。まるで露払いを務めるかのように。

 そして、いずれも深い緑と黄色に塗られたトワイライト色のEF81に伴なわれた青森発大阪行き「日本海」、札幌発大阪行き「トワイライトエクスプレス」の両寝台特急も、青い仲間の横を通り抜けていく。まるで、あいさつするかのように。

 私はこの光景を長岡京駅の上りホームの先端で見つめた。そして、定刻、ゆっくりと本線に出て来た列車は駅に差し掛かる直前、長いホイッスルを吹鳴。運転席でピンと背筋を伸ばした機関士(今は運転士というのだろうが…)の姿と、その長声一発は決して忘れることはないだろう――。

 ♪夢の列車がひた走る 街の目覚めに ふれあうように
   夢の列車がひた走る 人それぞれの 願いをのせて
   海に始まる 山に始まる 終わりなき旅へ 浪漫鉄道
  (九州旅客鉄道株式会社 社歌『浪漫鉄道』より)

 浪漫鉄道の国で、幸あれ!

2009-3-15 JR東海道本線・長岡京で 回9301レ
Nikon D300,Sigma APO 150-500mm F5-6.3 DG OS HSM,380mm,ISO 400
1/800秒,F10,WB:晴天

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最後の東海道・山陽本線 第1列車

2009-03-15 | 寝台列車

 3月13日に東京駅と大分・熊本両駅を出発した寝台特急「はやぶさ・富士」をもって、東京ー九州を結ぶブルートレインが姿を消したのは皆さんご承知の通りです。私も13日、東京・新橋駅で大勢の方々と下り列車のラスト・ランを見送ったのは、すでに書いた通りです。

 ただ、この列車はダイヤ改正日の14日にまたがって運転されるため、実は臨時列車扱いで9001レという臨時の列車番号が割り当てられていました。九州からの上りは同じく9002レです。
 したがって、本来の1レと2レはそれぞれ3月12日発が最終列車でした。私はJR京都線の桂川駅で見送ることにしました。第1列車はEF66-49号機に引かれ、深夜の古都を後にしました。大阪行きの最終電車が出た後、京都行きの最終までまだ20分ある時刻に1レは通過します。人がほとんどいないホームに立って耳を澄ませていると、京都の市街地と郊外を隔てる桂川の鉄橋を渡る1レの轟音が聞こえてきます。
 そして下津林第一踏切付近のカーブのレールがオレンジの光芒に照らされたかと思うと、ヘッドライトが見えストレートをまっしぐらに駆けてきて向日町操連絡線のガードを潜り抜けると、ホームに立った私の目の前のアウトカーブを一陣の光の風のごとく走り去って行きました。

 定刻より1分強の遅れ。見送ったのは私を含めてホーム上が3人、駅の外が1人でした。

2009-3-13 0時42分 JR桂川駅
Nikon D700,AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED,66mm,ISO 6400
1/200秒,f3.2,WB:AUTO

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さらば東京 富士・はやぶさ

2009-03-15 | 寝台列車

有楽町を下って行く1レ「富士・はやぶさ」号。
東京駅に向かう700系とも、有楽町阪急とも、もう再び出会うことはない。
この青い列車が、乗客たちの夢や希望、涙、後悔…さまざまな思いを乗
せて毎夜、走り続けていたことを、人々はいつまで覚えているのだろう。







2009-3-8 JR有楽町町で
Nikon D700,AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G D,48mm,ISO 5000,
1/320秒,f2.8,-0.3段,WB:AUTO

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