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http://mylibrary.maeda1.jp/0518OilMajor2020-3rdQtr.pdf
2.2019年第3四半期以降の四半期別業績の推移(続き)
(6)原油・天然ガス生産量の推移
(6-1)原油生産量(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-68.pdf 参照)
過去1年間の四半期ごとの原油生産量の推移を見るとExxonMobilが他社を引き離して5期連続でトップを守っている。ExxonMobilの生産量は5社の中でただ1社200万B/D台を維持しており、今年第3四半期の生産量は229万B/Dであった。ExxonMobilに次ぐ二番手グループはShellとChevronであり、今期の生産量は共に170万B/Dである。両社の生産量は今年第1四半期まで増加傾向にあったがその後は連続して減少、今期の生産量は1-3月期に比べ25万B/D以上減少している。Totalも2019年第3四半期172万B/Dをピークに減少を続け今期は過去1年間で最も少ない144万B/Dにとどまっている。BPは5社の中で原油生産量が最も少なく1年前は122B/DでトップExxonMobilの6割であったが、その後は持ち直しており、前期は137万B/Dまで増えたが、今期は過去1年間で最も少ない113万B/Dにとどまっている。5社ともに過去1年間で原油生産量は減少し続けている。これはコロナ問題で需要が減退したことが大きな要因であろうが、加えて国際石油企業が石油依存からの脱却を戦略の一つとしていることも理由と考えられる。
(6-2)天然ガス生産量(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-69.pdf 参照)
天然ガスの生産量はShellとExxonMobilの上位2社とBP、Total、Chevronの下位3社の2グループに分かれている。Shellの過去1年間の生産量は98億立方フィート(’19 3rd Qtr)→106億立方フィート(4th Qtr)→103億立方フィート(’20 1st Qtr)→90億立方フィート(2nd Qtr) →80億立方フィート(3rd Qtr)であり今年に入ってからの減少が著しい。ExxonMobilは今年4-6月期までShellとほぼ同様の軌跡をたどっており、両社の差は10億立方フィート前後で推移していたが、今期はShellが減産、ExxonMobilは増産となりわずかではあるがExxonMobilが5社のトップに躍り出ている。他の3社は5期を通じて大きな差は無いが、共に減産傾向にある。過去1年間でガス生産量は減少しており、上記原油生産と同様、コロナ禍の影響に加え国際石油企業各社は脱化石燃料に拍車がかかっているように見受けられる。
(6-3)原油・天然ガス合計生産量(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-65.pdf 参照)
天然ガスを石油に換算した原油・天然ガスの合計生産量の推移を見ると、生産量が最も多いExxonMobilは石油換算で390万B/D(’19 3rd Qtr)→402万B/D(4th Qtr)→405万B/D(’20 1st Qtr)→364万B/D(2nd Qtr) →367万B/D(3rd Qtr)である。これに次ぐShellは356万B/D(3rd Qtr)→376万B/D(4th Qtr)→372万B/D(’20 1st Qtr)→338万B/D(2nd Qtr) →308万B/D(3rd Qtr)であり、前期まではExxonMobilよりも30万B/D前後少ない生産量で推移してきたが、今期はExxonMobilが前期横ばいであったのに対し、Shellは減産となったため両社の差は60万B/Dに拡大している。
Chevron及びTotalの石油・天然ガス合計生産量は今年1-3月期まで300万B/Dをわずかに上回る水準であったが、前期と今期は両社とも300万B/Dを割っている。最も少ないBPの生産量は257万B/D(’19 3rd Qtr)→270B/D(4th Qtr)→258万B/D(’20 1st Qtr)→253万B/D(2nd Qtr) →224万B/D(3rd Qtr)でありExxonMobilの6~7割程度である。
以上
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