10/11 経済産業省 世耕経済産業大臣がサウジアラビア王国に出張しました
10/11 石油資源開発/三井物産他 福島県・相馬港における天然ガス火力発電事業の事業化決定 ならびに本事業への新たなパートナーの参画について
10/11 BP BP decides not to proceed with Great Australian Bight exploration
10/13 出光興産/昭和シェル石油 昭和シェル石油株式会社と出光興産株式会社の 経営統合時期に関するお知らせ
10/13 出光興産 ロイヤル・ダッチ・シェルからの昭和シェル石油株式会社の株式 (33.3%議決権比率)取得に関するお知らせ
10/14 JXホールディングス 「第47回JX-ENEOS童話賞」の入賞作品について
10/14 国際石油開発帝石 カザフスタン共和国 北カスピ海沖合鉱区 カシャガン油田からの 原油出荷開始について
10/14 Opec OPEC, non-OPEC countries hold “constructive” talks in Istanbul
ヒジュラ暦1400年(西暦1980年)前後から10年余りの間に、中東イスラーム世界ではエジプト・イスラエル平和条約及びホメイニ師によるイラン革命(共に1979年)、イラン・イラク戦争の勃発と終結(1980年、1988年)、ソ連のアフガニスタン侵攻と撤退(1980年、1989年)等々の大事件が続発した。そして世界の歴史も20世紀の終焉を控えて激動した。1980年代に入りソビエト社会主義体制に綻びが目立ち始めた。それは資本主義国家と踵を接する地域で表面化した。1987年にベルリンの壁が崩壊、2年後の1990年に東西ドイツが統一したことでソビエト体制の終焉は誰の目にも明らかになった。こうして1991年、ソ連は崩壊した。ソ連はヨーロッパで資本主義に敗退し、シルクロードでイスラームのジハード(聖戦)に敗れた。1917年のロシア革命で誕生し、いずれ社会主義が世界を支配すると豪語したソビエト社会主義共和国は80年足らずで歴史の舞台から消え去り、米国を頂点とする資本主義が世界を席巻する。
荒葉一也
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(注)本レポートは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
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(近年急速に改善される米国のエネルギー自給率!)
(6)米国の石油・天然ガス自給率の超長期推移(1970~2015年)
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/3-3-G06.pdf 参照)
米国の石油・天然ガスの需給ギャップが近年急速に改善しつつあることについては既に石油篇、天然ガス篇及び前項でも触れたが、本項では改めて1970年から2015年までの四十五年間にわたる石油と天然ガス並びに両者を合わせた自給率の推移を検証する。
まず石油については1970年は生産量1,130万B/Dに対し消費量は1,471万B/Dであり自給率は77%であった。つまり米国は必要な石油の4分の3を自国産で賄っていたことになる。その後石油の消費量が急拡大する一方、原油価格が低水準にとどまったため生産が伸び悩み1977年には自給率が53%まで低下した。
1980年代前半には石油価格が上昇したため国内の生産が増加、消費は減少した結果、1985年には生産量1,058万B/D、消費量1,573万B/Dで自給率は67%まで回復した。ただその後は海外の安価な石油に押され生産は減少の一途をたどり2005年から2007年までの3年間の自給率は33%に落ち込んだ。この時、米国は必要な石油の3分の1しか自給できなかったのである。
しかし2000年初めから石油価格が急上昇し、米国内で石油増産の機運が生まれ、同時にシェール層から石油を商業生産する方法が確立し、2008年以降石油の生産量は大幅に増えた。反面、景気の後退により消費量が漸減した結果、2015年は石油生産量1,270万B/D、消費量1,940万B/Dで自給率は65%に上昇している。
次に天然ガスを見ると、1970年から1982年までの自給率は100%に近く、ほぼ完全自給体制だった。80年代後半以降は生産が伸び悩む半面、消費が増加したため、自給率は漸減の傾向を示し、2005年には82%まで低下、需要の約2割を隣国カナダからの輸入に依存することになった。しかしシェールガスの開発生産が本格化するに伴い生産量は急激に拡大し、2015年の自給率は99%と完全自給体制が整った。来年あるいは再来年には自給率が100%を突破、本格的なLNGの輸出国になろうとしている。
石油と天然ガスを合わせた自給率は1970年に86%であった。その後石油自給率と同じような歩調で1979年70%、1984年78%と下降と上昇の軌跡をたどった後、1985年以降は長期低落傾向となり、2005年の自給率は50%に落ち込んだ。しかしその後は急速に回復、2015年の自給率は79%と1980年台前半の水準に戻っている。因みに2015年の石油・天然ガスの合計生産量は石油換算で2,593万B/D、また合計消費量は同石油換算で3,280万B/Dである。需給ギャップが7百万B/D近くあるものの、シェールガス及びシェールオイルの増産は今後も続くものと見られ、エネルギーについては米国の将来は極めて明るいと言えよう。
(石油+天然ガス篇 完)
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